メルトピア

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三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • デジタルカメラ活用テクニック

  • Vol.34
  • 2011年 8・9月号(No.169)
日没直後の移りゆく空の色を撮影する

夕陽が沈んだ直後の
色彩の変化を意識する

 トワイライトやブルーモーメントは夜明け前と日没直後、マジックアワーは日没直後の美しい光の様子を表現した言葉です。このような太陽と地球が織りなす芸術は記憶だけでなく、記録として残しておきたいものです。夕陽が沈んでからしばらくの間は、太陽光が鮮やかな色合いで空を映し出す絶好のシャッターチャンスになります。日没直後の刻々と変化する色彩を意識しながら、アンダー露出とすることで、写真1の様な美しいイメージを撮影してみましょう。

アンダー露出で
深みのある色調を表現する

 今回の撮影にあたり、色調と露出の関係を理解しておきましょう。色調は暗めに撮るほど深くなり、明るめに撮るほど浅くなります。色調の変化を詳細に表現するには少々暗めに撮影する必要があります。このことを念頭において、写真2をご覧ください。
 これは、夕景をオート露出で撮影したものです。この場合カメラは、太陽を非常に明るい被写体であると認識し、太陽以外の景色がシルエットになるほどに、自動的にアンダー露出に調整します。その結果、琥珀色に染まる空の色や、太陽を反射させている水面に鮮やかな色を写し出すことができました。今回のテーマは日没直後の撮影のため、もう少し時間をおいて写真3を撮影しました。
 この写真では、夕方から夜へと変わりゆくさまを表現しました。撮影のポイントは露出補正です。オート露出では、夕陽が沈んだ暗い風景をできるだけ明るく写し出そうとします。このままでは、写真が明るくなりすぎ、深みのある色を写すことができません。そこで、露出補正を2段(−2)ほど、暗めに設定しました。
 もう少し時間をおくと空の青さはさらに深くなり、ビルと空の境界はオレンジ色のグラデーションが美しく映えます。このタイミングに撮影したものが写真1です。マジックアワーと呼ぶにふさわしい色彩を表現することができました。
 今回の撮影のもう1つのポイントは、画面に水面を入れることです。そうすることにより、空の色が水面に写り込むため、より一層美しいイメージに仕上げることができます。ぜひお試しください。

撮影・文:中原義夫(bubio studio)

撮影例

写真:1 天頂は藍色、地平線に近いビルと空の境界はオレンジ色になったタイミングを見計らって撮影。アンダー露出とすることで深みのある色彩を表現できた(ISO800 1/30秒 F4)

撮影例

写真:2 夕暮れ時の太陽を入れて撮影。この場合、オート露出設定でもアンダー露出にすることができた(ISO400 1/1000秒 F22)

撮影例

写真:3 日没後の撮影では、アンダーに露出補正して撮影。色調が浅くならないように注意した作例(ISO800 1/30秒 F4)

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