メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2011年 11月号(No.171)
  • 株式会社 半谷製作所
  • 統合生産管理システム「ACCROAD Pro」導入事例
  • 自動車部品の製造プロセスに
    最適化した生産管理システムの導入により
    在庫圧縮と手配業務の効率化を実現

自動車の足廻り部品や自動車ボディ・機能部品、冷熱関連製品の製造を手がける株式会社半谷製作所。プレスから溶接、塗装、機械加工、組立までの一貫生産で顧客のニーズにきめ細かく対応する同社は、株式会社三菱電機ビジネスシステム(MB)が販売・サポートする統合生産管理システム「ACCROAD Pro(アクロードプロ)」を導入。業務改善と工場全体の「見える化」により、在庫の大幅削減と発注業務の効率化を実現しました。半谷製作所の先駆的なIT活用の取り組みは、経済産業省が主催する「中小企業IT経営力大賞」を受賞するとともに、多くの企業から注目を集めています。

本社・大府工場
衣浦工場
経済産業省が主催する「中小企業IT経営力大賞」を受賞し、多くの企業から注目を集める半谷製作所の本社・大府工場(写真上)と衣浦工場(写真右および右上)
衣浦工場

人物写真

総務部
部長
隅田 敏明

人物写真

衣浦工場
副工場長
久田 崇博

情報管理の一元化に向けて
生産管理システムを刷新

 「中京地区No.1の工場をつくる」ことをビジョンに掲げる株式会社半谷製作所は、「人つくり」と「工場つくり」を通して、顧客からの信頼獲得と高度な技術の習得を推進しています。経営の重要課題として「TPM(Total Productive Maintenance)活動」を推進する同社は、生産効率を阻害する製造設備の故障や不良を未然に防ぐために、製造設備の保守管理を総合的に行う取り組みを全社で実践しています。
 こうした活動とともに、同社は2004年までホストコンピュータ上に導入した生産管理システムを使用していました。総務部部長の隅田敏明氏は次のように当時を振り返ります。
 「製造現場では、ホストコンピュータから取得したデータを個人が管理しており、情報管理の個別化が進んでいました。また、在庫管理は担当者の『カン』と『コツ』に依存していただけでなく、納期遅延を恐れて在庫を多めに確保することも常態化していました。製造に必要な部品点数を割り出す所要量計算(旬次)は、1日半ほど要していました」
 一方、主要顧客である自動車メーカーからは、リードタイムの短縮、ジャスト・イン・タイム対応、多品種少量生産、後工程の製造手順に合わせて納入する序列生産などの要望が高まり、その対応が急務となりました。しかし、従来のシステムでは、柔軟に対応することが困難でした。
 「そこで、工場全体の情報管理の一元化と在庫圧縮、手配業務の効率化に向けて、生産管理システムの刷新を決断しました」(隅田氏)

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人間系を加味したカスタマイズで
自動車部品生産独自の業務に対応

 新たな生産管理システムを検討した結果、半谷製作所ではMBが提案した統合生産管理パッケージ「ACCROAD Pro」の導入を決定しました。「ACCROAD Pro」は、業務を標準化できるパッケージとしてのメリットとともに、拡張性の高いシステム設計となっており、自社の強みを生かしたいプロセスでは柔軟にカスタマイズできることが特長です。衣浦工場副工場長の久田崇博氏は「当社が創業以来75年蓄積してきたノウハウを生かすためには、標準機能に適さない業務もありました。そうした業務については融通が利くことがポイントになりました」と語ります。
 隅田氏は「決め手となったのはSI力です。MBはホストコンピュータの時代から当社の製造プロセスを熟知しており、新システム導入においても円滑な意思疎通が図れると判断しました」と振り返ります。
 開発では、全生産工程をシステムで自動化するのではなく、人による判断を取り込み、システム構築を進めました。
 「例えば、多品種少量生産では、大きなコイル部材から複数種類の材料を効率よく取り分け、歩留まりを高める必要があります。こうしたことはシステムだけでは判断が難しく、人による意思決定が不可欠です。また、破壊検査工程の後に、正しい生産実績数を確定するといった柔軟な対応も必要でした。このような独自の業務の進め方においても、当社の業務と自動車の生産方式を熟知したMBのSEとコミュニケーションを図ることで、スムーズに構築することができました」(久田氏)
 部品マスタは、約3万点の部品から量産製品を優先的に整備。複数にまたがるマスタ登録画面を1画面に集約する工夫により、入力工数を約半数に削減するとともに、入力ミスも大幅に削減しています。
 また、複数メーカーの複数車種の部品を一貫生産している半谷製作所では、生産から搬送までの効率化も課題の1つでした。従来は序列納入管理の対応が、現場担当者の大きな負荷になっていました。そこで、EDIによる受注情報を「ACCROAD Pro」から「納入管理システム」に転送する仕組みを構築。序列納入の指示に従い、出荷パレットの並べ替えを行うことで、スムーズに出荷できる環境を整えました。この生産ラインと搬送システムとの連携で、進捗状況がシームレスに見えるようになり、現場担当者の管理工数の削減につながっています。

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在庫圧縮や業務工数削減が評価され
「中小企業IT経営力大賞」を受賞

 生産管理システムの導入により、半谷製作所では、生産業務全体を「見える化」し、最適化する仕組みを構築しました。
 「具体的には、2005年度比で仕掛在庫を約33%、2億円相当の圧縮を実現しています。さらに、発注業務担当を2人分削減し、コア業務への配置転換が可能となりました。所要量計算の時間も1時間ほどで終了するようになっています。製造現場では、5Sおよび標準化の推進・徹底が進み、顧客満足度につながるQCD(品質改善)活動が促進されています」(隅田氏)
 「ACCROAD Pro」の導入をはじめとした同社のIT活用は、経済産業省から「IT経営実践企業」として認定されました。さらに、2009年には「動作分析システム」を導入して過去に蓄積してきた設備稼働データを解析し、生産ピークを過ぎたラインの集約や生産工数を削減することで、人件費と外注加工費の大幅な削減を達成。2011年には、経済産業省の「中小企業IT経営力大賞」を受賞しました。
 同社は、愛知県内の優れたものづくり企業に与えられる「愛知ブランド企業」にも認定されており、「中京地区No.1の工場」に向けて邁進しています。

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生産管理の運用ノウハウを活用し
設備メンテナンス事業を展開

 半谷製作所では、今後生産管理システムのさらなる機能強化を進めていく計画です。隅田氏は「在庫を持たないかんばん方式など、取引先ごとにより柔軟に対応していきます」と語ります。さらに、久田氏は「生産管理システムの基盤として、サーバの仮想化などインフラの強化も進めていきます。そのためにも、様々なノウハウを持つMBに継続的な提案を期待しています」と語ります。
 さらに、半谷製作所は新たに設備メンテナンス事業を行う会社を設立。生産管理システムや動作分析システムを活用した設備管理のノウハウを外販化する構想を打ち出しています。隅田氏は「『IT経営力大賞2011』の受賞により、多くの企業から問い合わせをいただき、当社と同様の課題を抱えていることが確認できました。今後は、コンサルティング事業の展開を視野に、さらなる事業多角化を推進していきます」と展望します。
 半谷製作所は、「人つくり」と「工場つくり」によって半谷ブランドを確立し、顧客に信頼と技術を提供していきます。
*「ACCROAD Pro」は株式会社ロジックスジャパンの登録商標です。

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説明図

システム全体イメージ

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