メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2012年 5月号(No.176)
  • 図南木材株式会社
  • 三菱電機データセントリックソリューション「CENTRAGE」導入事例
  • 既存システム資産の継承と木材業界独自の業務機能強化により
    効率性に優れた販売管理を実現

1946年の設立以来、長年にわたる木材・建築資材の提供などにより、鹿児島県を中心とした地域の住まいづくりを支援している図南木材株式会社。同社は、これまで三菱電機株式会社・三菱電機インフォメ−ションテクノロジー株式会社(MDIT)のオフィスコンピュータを木材の販売管理に活用してきました。2011年には、システムリプレースに際して三菱電機データセントリックソリューション「CENTRAGE(セントレージ)VS600J」を導入。30年以上かけ継続的に進化させてきた販売管理システムの資産をハイスペックで堅牢なハードウェアに移管し、さらなる業務効率の向上を実現しています。

画像:図南木材株式会社

プレカット・特殊加工を主力事業とし、鹿児島県を中心とした地域の住まいづくりを支援している図南木材株式会社

人物写真

代表取締役社長
田之頭 隆秀

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総務部
元川 チエ子

先進的な技術を積極的に導入する
鹿児島県の老舗木材加工メーカー

 終戦直後の1946年に日本復興の礎となるために設立された図南木材株式会社。社名の「図南」は中国の書物「荘子」に記載されている「鵬が南に向かって飛び立つ」故事に由来し、大事業を成し遂げる思いが込められています。
 図南木材は、設立から約20年間、創業地である鹿児島市小山田町で国産の木材を加工・販売していました。その後、木材の需要が国産から輸入木材にシフトしたのを機に移転。1985年には現在の本社がある鹿児島市谷山港に移り、事務所と工場を建てて業績の拡大を続けています。
 現在の主力事業は、建築工期を短縮できるように住宅の構造材を事前に工場で加工して提供するプレカット・特殊加工です。代表取締役社長の田之頭隆秀氏は「かねてから大工さんの高齢化や技能伝承が深刻な問題となっており、在来工法は競争力を失いつつありました。そこで、木造住宅の柱や梁の継ぎ手、仕口(しぐち)を従来は手工具で加工していたものを機械で行うプレカット加工に注目していました。まだ、プレカット加工の普及率が20%程度の1993年に本格参入を決断しました。現在では、日本の木造建築の約90%をプレカット加工が占める主流の工法となっています」と説明します。
 このような独自の先見性から、図南木材はこれまでにも先進的な技術を積極的に取り入れてきました。1975年には発売されたばかりのFAX機を導入。「鹿児島本社と佐賀の鳥栖営業所で、材木の寸法をやり取りする機会が頻繁にありましたが、電話で各所の数値を正確に伝えるのは難しい面があります。そこで、正確かつ迅速にデータを受け渡すための解決策としてFAXを導入しました。このとき鹿児島県内でFAXを導入している企業は1つしかなく、当社が2番目でした」と田之頭氏は話します。

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既存資産の継承性と
サポート対応を評価し、継続採用

 図南木材が本格的にシステム化の取り組みを開始したのは1980年頃です。当時、オフィスコンピュータの普及が進みつつあったこともあり、地場の販売代理店を通して三菱電機製品を導入し、販売管理業務に活用しはじめました。以来、30年以上にわたり、システムリプレースごとに三菱電機・MDITの最新モデルを採用しています。
 2011年7月には、MDITのデータセントリックソリューション「CENTRAGE VS600J」にリプレースしました。MDITのオフィスコンピュータを選定してきた理由を田之頭氏は次のように語ります。
 「継続利用してきたシステムは、当社の業務に合わせ、確実に完成度を高めてきました。CENTRAGEはこうした既存資産を継承することが容易です。また、これまで私どもの要望に迅速かつ的確に対応していただいたMDITの実績が導入の決め手となりました」
 とはいえ、これまでには木材業向け販売管理パッケージの登場により、他ベンダーからオープンシステムへの移行提案を受けたこともありました。
 「木材業向けパッケージにコストメリットを感じ、機能評価を実施したこともありますが、デモの際にユーザである総務部門の担当者が既存システムと比較したところ、パッケージではデータ入力の手間や煩わしさが増える、商品コードでの入力に対応していない点などがあり、改めて自社システムの優位性が証明される結果となりました」(田之頭氏)

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容積管理など独自機能の追加や
データ抽出機能で業務を効率化

 図南木材では、1980年のオフィスコンピュータ導入以来、木材の販売業務に合わせてシステムの最適化を進めてきました。その最初の取り組みは、木材販売業務特有の容積管理です。木材の販売管理は容積で行うため、柱の縦、横、長さを入力し、体積を計算する必要があります。しかも容積管理の方法は、JIS規格で細かく決められています。そこで同社は規格に合わせてシステム化を進めました。こうした容積計算から始まり、自社業務に合わせて機能を追加していきました。総務部の元川チエ子氏は「得意先別、明細別、製造カテゴリー別などの集計管理機能や在庫管理機能なども、現場の声をリクエストしながら追加してきました。使いやすいように作り込んできた今のシステムがなければ、当社の管理業務はスムーズに回りません」と語ります。
 データの管理、分析においても、三菱電機独自のデータ抽出機能「EDUET」が活用されています。
 「システム導入初期は、データを自社で取り出せなかったので、明細情報や帳票作成のたびにお金を払ってプログラムを組む必要がありました。しかしEDUET導入後は自社内でExcelを使って各種帳票が作成できるようになり、販売管理業務のレベルが飛躍的に向上しています。EDUETの導入で、帳票作成にかかるコストも大幅に削減できました」(田之頭氏)

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地域の工務店発展のために
企画住宅事業を推進

 図南木材では長年にわたり最適化を進めてきた販売管理システムを、これからも事業の核となるシステムとして、継続的に活用していく計画です。さらに、今後はIT活用のさらなる強化を推進していく考えです。
 「現在、全社的なIT環境の整備は、3代目となる次期代表取締役が主体となって進めています。今後は営業社員にノートPCやiPadのようなタブレットを支給し、外出先からでも在庫状況などを確認できる環境を整え、商談をスムーズに進める構想を持っています」と田之頭氏は語ります。
 また、地域に密着した事業として、住宅建築関連の事業を拡大していく予定です。
 「当社では、設立時から一貫して地域に密着したビジネスを展開してきました。取引先のほとんどは鹿児島県内の工務店で、当社の加工技術は多くの取引先から信頼をいだいています。こうした期待に応えるため、今後は新しいコンセプトの企画住宅を手がけていく予定です。例えば、環境負荷を低減したエコ住宅や省エネ住宅、耐震性に優れた住宅など、オリジナル住宅を企画して地域の工務店に建築を発注するビジネスで、Win-Winの関係を築いていくことが目標です」(田之頭氏)
 図南木材は、設立から半世紀以上かけて培ってきた専門技術をもとに、地元の工務店と緊密に連携し、鹿児島地域の発展と活性化に貢献していきます。

 

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システム構成イメージ

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