メルトピア

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三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • デジタルカメラ活用テクニック

  • Vol.39
  • 2012年 5月号(No.176)
ティッシュペーパーを使って、ソフトなイメージに仕上げる

単なる記録写真ではなく
写真で表現する

 普段の撮影では、被写体をできるだけ忠実に記録しようとしていませんか。これは絵画とは異なり、写真にはリアルな再現性があると認識しているからです。しかし、写真を表現方法の1つと捉えるのであれば、忠実に記録することはそれほど重要になりません。撮影対象がよくわからない写真でも、美しいと感じる写真や印象深い写真は数多くあります。そこで今回は、ティッシュペーパーを使って、ソフトなイメージに仕上げていきます。目的は単なる記録ではなく、写真1のように写真で表現を楽しんでみるということです。

絞りとティッシュの取り付け位置で
イメージを調整する

 写真2をご覧ください。これはバラの花をありのままに撮影したものです。できが悪いわけではありませんが、写真表現としての面白さはありません。これにソフトな効果を加えて印象に残る写真にしてみましょう。写真3のように、レンズ前方の下部をティッシュペーパーで遮るように取りつけます。ティッシュは重ねないで、一枚の薄い状態にしてください。カメラはレンズの大きな一眼レフが扱いやすいのですが、コンパクトカメラでも問題ありません。
 今回の撮影は、レンズに装着したティッシュペーパーによって焦点がボケて写りこみ、写真の一部に白い霞がかかるというものです。色のボケ具合の調整は、レンズの絞りで行います。絞りを開けていくと画面全体が白っぽくなり、逆に絞り込んでいくと、局部的に強く白い部分が写り込みます。理屈は簡単ですが、微調整が必要になるため、三脚を利用すると効率的です。
 こうして撮影したものが写真1です。画面を白くぼやかすことで、下に見えていた花びらや葉が鮮明には見えなくなり、ソフトなイメージになりました。その結果、表現したい箇所を際立たせることができました。今回の撮影ポイントは、画面のどの位置をどの程度ボカすのか、につきます。レンズの絞りの調整やティッシュペーパーの取り付け位置を工夫して、ソフトなイメージ写真にチャレンジしてみてください。

撮影・文:中原義夫(bubio studio)

撮影例

写真1 :ティッシュペーパーを使って、ソフトなイメージに仕上げた作例。ボケ具合の調整はレンズの絞りで行うことで、雰囲気のある作品に仕上げることができた(1/125秒 F5.6)

撮影例

写真2: バラの花をありのままに撮影した作例。写真のできは悪くないものの、写真表現としての面白さはない(1/125秒 F5.6)

撮影法

写真3: 今回の撮影では、レンズの下部分を遮るようにティッシュペーパーを装着した。ティッシュペーパーで遮る範囲は被写体に合わせて調整する

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