メルトピア

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三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • デジタルカメラ活用テクニック

  • Vol.40
  • 2012年 6月号(No.177)
パンフォーカスによる、トリック撮影

被写体の大きさは
その周辺情報をもとに把握される

 例えば、カタログ通販において、購入した商品の大きさが想像したものとかなりかけ離れていたことはありませんか?
 写真で物の大きさを把握する時は、周辺の様々な情報が必要になってきます。そのため、被写体だけの写真では正確な大きさを判断するのは意外と難しいものです。特に商品撮影の場合、カメラマンが撮影技術を駆使して、少しでも大きく、または小さく、見せようとすることもあるため、惑わされて当然です。このようなテクニックは、やりすぎはいただけませんが、写真を楽しくすることもできます。今回は写真1のように、小さなぬいぐるみを大きく見せるトリック撮影に挑戦してみましょう。

レンズの絞り値(F値)を大きくして
前後の被写体にピントを合わせる

 写真2をご覧ください。モデルが手にしているぬいぐるみは20cmほどの大きさです。このようにモデルとぬいぐるみの間に前後関係がなければ、ぬいぐるみの大きさを正確に把握することができます。次に写真3をご覧ください。この写真は、ぬいぐるみをモデルから2mほど手前に置いて撮影したものです。ピントがぬいぐるみに合い、モデルはボケて見えるため、両者の間に距離を感じますが、見た目の大きさはぬいぐるみと背景のモデルがほぼ同様に見えます。そこで、パンフォーカスの登場です。パンフォーカスとは、レンズの絞り値を大きくすることで、ピントの合う範囲を広げるテクニックです。今回はシャッタースピードを遅く設定するとともに、ISO感度を上げ、絞り値をF22に設定しました。
 このようにして撮影したものが写真1です。ぬいぐるみ、モデルの両方にピントが合っているので、写真3のように双方の間に2mほどの距離があるようには見えません。あたかも大きなぬいぐるみのすぐ横にモデルがいるかのような錯覚に陥ります。
 今回の撮影のポイントは、ピントを合わせる焦点をどこに置くかです。イラストに示しておきますが、どんなに絞り込んでも、ぬいぐるみにピントを合わせると、モデルにまでピントが合いにくくなります。そこで、ぬいぐるみとモデルの距離を3等分して、ぬいぐるみから1/3くらいのポイントにピントを合わせるようにすると写真1のような楽しいトリック写真を撮ることができます。

撮影・文:中原義夫(Bubio Studio)

撮影例

写真1 :レンズの絞り値を大きくして、ぬいぐるみとモデルの両方にピントを合わせたパンフォーカスの作例。前方のぬいぐるみと後方のモデルの距離が2mも離れているように見えないため、とても大きなぬいぐるみであるような錯覚に陥る。レンズ80mm(35mm換算) (1/15秒 F22 ISO3200)

撮影方法



ピントを合わせる焦点は、ぬいぐるみとモデルの距離を3等分して、ぬいぐるみから1/3の位置にする

撮影例

写真2: 実際のぬいぐるみの大きさは、モデルと比較することでよくわかる
 
 

撮影例

写真3: F値を5.6に設定して撮影した作例。ぬいぐるみだけにピントを合わせるとモデルと距離が離れていることがわかってしまう。レンズ80mm(35mm換算) (1/15秒 F5.6  ISO200)

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