メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

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  • エキスパートインタビュー

  • 経営基盤を強化するIT戦略
  • 2012年 7月号(No.178)
  • ビジネスコーチングでプラスのリーダーシップを発揮し
    “実行”を通じて組織の成長を促進する

人物写真

ビジネスコーチ株式会社
代表取締役
細川 馨 氏

エグゼクティブコーチングの世界的な第一人者、マーシャル・ゴールドスミス氏がこれまで残してきた成果は、ビジネスコーチングが企業や組織の成長に大きな効果をもたらすことを示しています。それでは、日本企業がビジネスコーチングを組織の活性化、さらにはビジネス目標の達成に生かすには、どのような考え方や取り組みが重要になるのでしょうか。今回は、多くの企業に対してビジネスコーチングや組織変革のコンサルティングを手掛ける細川氏に、リーダー育成のポイントを中心に伺いました。

細川馨(ほそかわ・かおる)氏プロフィール
ビジネスコーチ株式会社 代表取締役。BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ。世界ビジネスコーチ協会 資格検定委員。
1980年、外資系生命保険会社に入社。支社長・支社開発室長(営業本部長)等を歴任し、2003年、プロのビジネスコーチとして独立。2005年、ビジネスコーチ株式会社を設立、代表取締役就任。以来、組織の目標を達成するためにビジネスコーチングというスキルを使って、以下を行っている。
@5万人以上の経営陣やリーダーの行動変革を支援する。A6ヵ月間で組織の業績向上を支援する。Bビジネスコーチングを実践できるビジネスコーチを1社に1人輩出することをビジョンに、2006年ビジネスコーチスクールを開講し、講師も務める。
エグゼクティブコーチングの第一人者、マーシャル・ゴールドスミス氏とも親交が深い。

リーダーに問われる“実行力”が
組織活性化の大前提

 「部下の自発性が弱い、主体性がない、モチベーションが低いと嘆く前に、リーダー自身が、モチベーションが高いのか? 使命感に燃えて仕事をしているのか? を自問自答するべきでしょう。リーダーにそういう意識がないまま、部下に求めるだけでは無理があります。まずコントロールできるのは自分だと認識する必要あります。つまり、自分をきちんとコントロールし、リーダーシップを発揮して、その影響の下に部下を育成することを考えるべきだということです。もちろん、人材育成はリーダーだけの責任ではありませんが、リーダーがよい影響を及ぼすことが非常に重要です」
 細川氏はまず、ビジネスコーチングがリーダー自身の意識変革を重視する理由について、こう語ります。ここでいうリーダーとは、経営者や部門長、さらにはプロジェクトマネージャーなど、チームを率いる責任者のことを指します。ビジネスコーチングは、こうした幅広い層を対象に実施しますが、細川氏は、特に上層部の人間ほど、意識改革の効果が大きいと指摘します。
 「上層部になればなるほど成功体験があるので、プライドが高く、“20の悪癖”が出てくる傾向があります。理由は、役職が上がるにしたがい、フィードバックをしなくなるためです。部下も、改めて欲しいと思っても、正直に発言できない。そこでリーダーは、自ら戒める必要がありますが、中立的な立場のコーチが入ることで、確実なフィードバックが可能になります。コミュニケーションが優れていると自負している人ほど、コミュニケーションが上手くないというケースは多く、周りの評価は逆ということが少なくありません。チームの目標達成のために、リーダーの言動や行動が素晴らしいものであれば、プラスのリーダーシップとなり、組織変革につながります。マイナスのリーダーシップはメンバーのやる気を削ぐことを理解すべきだと思います」
 リーダーには、プラスのリーダーシップと的確なマネジメントが求められます。ここで、特に“実行力”が問われると細川氏は強調します。
 「知っている、わかっていると言いながら、実行しないリーダーが多い点に大きな問題があります。例えばリーダーシップとは責任を取ることでありながら、責任を取らない。また、リーダーに求められるマネジメントとは、目先の仕事を遂行することに加え、次の戦略を策定することです。つまり対前年比の数値目標を掲げるのではなく、メンバー自身にチャレンジ目標を掲げさせ、戦略を練ってもらう習慣をつけるように、コーチする役割が重要になります」

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決めつける、評価するではなく
“支援する”という気持ちがチームを伸ばす

 “実行力”を組織的な観点で見ると、多くの企業に共通する課題の1つに、戦略を策定しても実行できないという状況があります。ビジネスコーチが実施した調査によれば、その原因は、PDCAが回らない、部門間が連携しない、本社と現場の意思疎通が上手くいかない、成功事例と失敗事例が共有されないなどがあります。細川氏は、ここでビジネスは団体競技であり、情報共有が前提であると語ります。
 「PDCAや部門間連携の問題は、どの階層でも“報・連・相”がきちんと機能していないということです。これを機能させるためには、当社が提唱する“5つの質問”が、簡単でありながら非常に有効です。具体的には、メンバー全員が毎週5つの質問の回答を考え、書き出すことで、立ち止まって自分にとってのPDCAが回ることを確認できます。つまり、セルフでビジネスコーチングができるということです。それを毎週、全員が共有することで、チーム全体で“報・連・相”が機能し、仕事の優先順位なども理解できようになります」
 機能する“報・連・相”は、情報システム部門やIT関連のプロジェクトチームでも不可欠であることはいうまでもありません。細川氏は、納期が厳しく責任も重いIT関連チームにこそ、ビジネスコーチングが必要だと語ります。
 「IT関連のチームでも、リーダーがメンバーをコーチすべきだと思います。ここで、コーチとは決めつけること、評価することではなく、支援することだと理解しておく必要があります。具体的には、“君のここは問題なので支援したいが、ここは応援してあげる”など、評価のための支援であれば構いません。それが評価のみで終わってしまうと、人を勇気づけることができないし、特に決めつける評価は人を伸ばさない、チームを伸ばさないということになります。支援するという気持ちで部下と接すれば、ほとんどが上手くいくはずです。リーダーシップを学び、プラスのリーダーシップを発揮してほしいですね」
 活性化したチームとは、メンバーが目標を共有し、一体感のある活動を推進しながら、効果的なPDCAを回せるチームのこと。最後に細川氏は、ビジネスコーチングのミッションが、あくまでビジネス目標の達成にあることを強調し、次のように話してくれました。
 「ピーター・ドラッカー氏の言葉に“人を伸ばす最大の道具は仕事である”というものがあります。つまり、明確な目標を共有し、目標達成のために汗をかいて、皆で力を合わせて困難を克服していく。これがビジネスマンとして、人間として成長していくことだと私は考えクライアントに伝えるようにしています。一般的にコーチングというと、人の話を聞く、質問するスキルだと思っている人も多いようですが、コミュニケーションの改善だけでは、目標達成につながりません。ミッションはあくまで目標達成にある。私どもが重視しているのは、様々な実行を通じながら、組織が成長していく“メタ エクセキューション”という考え方です」

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説明図

メタ エクセキューション™モデル
出典:ビジネスコーチ株式会社

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