メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2012年 7月号(No.178)
  • 全日本空輸株式会社
  • 航空情報(NOTAM)システム 導入事例
  • 安全運航を支えるミッションクリティカルな
    航空情報(NOTAM)システムをオープン環境で再構築

「アジアを代表する航空企業グループを目指す」という経営ビジョン達成に向け、国際線ネットワークの拡充やLCC(Low Cost Carrier)事業への参入、最新鋭機・ボーイング787の世界初導入などの施策を推進するANAグループ。その中核企業の全日本空輸株式会社(ANA)は、これまでホスト上で運用してきた運航系システム(AIOS)をオープン環境に順次移行してきました。こうした中、国土交通省が発行する航空路や空港等における航空機の安全運航に関わる航空情報を管理する「航空情報(NOTAM)システム」を三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)とともに再構築。安全運航に関する業務品質の向上とIT資産効率化を実現しました。

画像:ボーイング787とオペレーションマネジメントセンター

最新鋭機・ボーイング787(写真上)と運航管理者をはじめとするスタッフが国内・海外を飛行するANAのすべての便の運航を集中管理するオペレーションマネジメントセンター(写真左)

人物写真

全日本空輸株式会社
業務プロセス改革室
開発推進部
運航・貨物・整備チーム
栗原 央幸

人物写真

全日本空輸株式会社
オペレーション統括本部
オペレーションサポート部
オペレーションサポートチーム
アシスタントマネージャー
土井 美佳子

人物写真

全日本空輸株式会社
オペレーション統括本部
OMCオペレーション
マネジメント部
航務サポートチーム
奥山 城太郎

人物写真

全日空システム企画株式会社
運航・貨物・整備システム部
第一チーム
マネージャー
篠原 史典

ホストシステムから脱却し
オープンシステムに統合

 航空便のルートや高度を的確に選定し、安全なフライトプランを作成する「運航系システム」は、航空機の安全運航を維持する重要な役割を担っています。運航系システムの1つとして、国土交通省の航空局が随時発行する全世界の航空路や空港等の情報を集約して管理するのが「航空情報(NOTAM)システム」です。
 パイロット及び運航管理者はフライト前にNOTAM情報を確認してフライトプランを作成するほか、フライト中もチェックしながら安全運航の維持に努めています。全日本空輸株式会社(ANA)では独自のノウハウを加え、これらの情報を把握しやすいように加工してパイロットや運航管理者に提供してきました。
 NOTAMシステムをはじめとした運航系システムはUNISYSホスト上で開発・運用していましたが、長年にわたる運用の中で、ホスト上のシステムの複雑化がコスト構造改革を図るうえでの課題として顕在化。ホストの保守期限切れを機に、UNIXベースのオープン環境へJavaにより順次移行を進めており、その最後の対象となったのがNOTAMシステムでした。
 業務プロセス改革室 開発推進部 運航・貨物・整備チームの栗原央幸氏は「業務プロセス改革室では、グローバルに対する競争力を確保するためにコスト構造改革に取り組んでいます。ホスト上で稼働している運航系システムをオープン環境に移行することは、IT資産効率化を図るうえで不可欠でした」と語ります。

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ANAにおける運航系システムの
20年以上にわたる開発・運用実績を評価

 NOTAMシステムのオープン化を検討する中、ANAはMDISをパートナーに選定しました。栗原氏は、その理由を次のように語ります。
 「今回のような安全に直結するシステムは高い信頼性が要求されます。MDISは20年以上にわたり当社の運航系システムを開発・運用してきた実績があります。これまでの優れた提案力、高い技術力、誠実できめ細かな対応を評価しました」
 システムの開発は2010年7月から着手し、2011年7月に本稼働を開始。的確なプロジェクト管理により、ミッションクリティカルなシステムの再構築をスケジュールどおりに完了しました。
 システム再構築における最大のポイントは、データの整合性確保でした。ANAでは、既存システムと新システムの両方から出力される結果を突き合わせて確認する整合作業を入念に実施。開発の取りまとめを行った全日空システム企画株式会社(ASP) 運航・貨物・整備システム部 第一チーム マネージャーの篠原史典氏は、「現場のユーザやMDISのSEと新旧システムの照合作業を入念に行いました。関係者が緊密な連携をとることにより、システムの完成度を高めることができました」と振り返ります。
 新システムは、先行稼働していたオープン系の運航系システムと統合することで親和性を高めています。操作性を統一したことにより、ユーザ(パイロット、NOTAM情報の編集担当者、オペレーションマネジメントセンターの運航管理者)がこれまでどおりに使いこなしています。

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システムの操作効率の改善とともに
IT運用コストの大幅な削減を達成

 システム再構築によって様々な効果が創出されています。オープン化により、サマリ加工機能を強化したことで、画面の視認性が飛躍的に高まり、ヒューマンエラーの抑止及び業務品質向上につなげることができました。また、「絞り込み機能」や「検索機能」により、フライトに必要な情報を的確かつ短時間に把握できるようになりました。オペレーション統括本部 OMCオペレーションマネジメント部 航務サポートチームの奥山城太郎氏は次のように話します。
 「従来のシステムは、画面上にあらゆる情報が表示されるため、ユーザが自ら必要な情報を取捨選択する必要がありました。新システムでは、航空機の種類、航空便の種類といった絞り込み作業がニーズに応じて実施でき、より迅速に必要な情報を把握できるようになりました」
 また、フライト前に機長と副操縦士が実施しているブリーフィング(事前確認業務)も効率化されました。「ブリーフィングでは、気象情報や高度情報などフライトに関する情報を確認して、フライトメンバーと共有します。その1つであるNOTAM情報の確認時間は、従来と比較し大幅に短縮できました」とオペレーション統括本部 オペレーションサポート部 オペレーションサポートチーム アシスタントマネージャーの土井美佳子氏は語ります。
 システムの保守・運用面においても、効果が見込まれています。「オープンシステムに移行したことで、IT資産の効率化を図ることができました。コスト削減効果が現れることは間違いありません」と栗原氏は話します。

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安全運航に向けた業務の効率化と
グローバル競争に向けたシステム強化

 新システムの再構築により、航空機運航に関する業務品質の向上とともに、IT資産効率化を実現しました。栗原氏は「システムの品質、納期、予算の面で高い次元でバランスの取れた開発ができました」と評価します。
 今後の取り組みとして、現場のユーザがより使いやすいようにNOTAMシステムの機能を拡張することも検討されています。
 「現在は、航空機の種類ごとにNOTAM情報を手作業で選別しています。今後はこうした作業についてアルゴリズムを研究するなどして自動化し、ユーザの負荷を軽減したいと考えています」(篠原氏)
 また、グローバル競争力の強化に向けたIT施策も検討されています。
 「例えば、クラウドサービスの活用や、スマートデバイスによるお客様へのサービス強化なども進めていく考えです。MDISには、今後もパートナーとして、引き続き的確な提案を期待しています」(栗原氏)
 ANAは、これからも様々な施策を通じて、「クオリティで一番」「顧客満足で一番」「価値創造で一番」を目指していきます。

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システム構成イメージ

システム構成イメージ

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