メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

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  • エキスパートインタビュー

  • 経営基盤を強化するIT戦略
  • 2012年 8・9月号(No.179)
  • “選ばれる介護事業者”に不可欠な
    介護現場を含めた全社的な情報共有と連携の仕組みの構築

人物写真

エヌ・デーソフトウェア株式会社
ソリューション事業部 東京ブロック マネージャー
亀本 伸幸 氏

2012年3月末時点で、1万5,996ユーザの実績を有するエヌ・デーソフトウェア。お客様に支持されている理由に、介護事業や介護サービスに対する深い造詣と、常にお客様の声を迅速に反映する開発方針があります。それでは、実際に同社のシステムを導入した介護事業者は、どのような効果を創出しているのでしょうか。今回は長年介護事業向けのソリューション提案を手掛けてきた亀本氏に、ITの有用性や活用のポイントを中心に伺いました。

亀本伸幸(かめもと・のぶゆき)氏プロフィール
1998年 関西営業所開設時に営業職として入社
2000年 関西営業所長
2007年 東京支店長
東京へ異動と同時に、三菱電機ビジネスシステム本部窓口を担当
2012年7月の組織改編に伴い現職
URL:http://www.ndsoft.jp/ (新しいウインドウが開きます)

業務効率化やモチベーション向上に加え
サービス向上にも有効なIT活用

 「ある民間調査会社様のお話では、一般的に情報を全社で共有・連携できる仕組みを上手く運用している事業者ほど、離職率が低い傾向にあると聞きました。つまりITは、単に請求処理といった特定業務の効率化だけではなく、全員が活用することでメンバー間に一体感を醸成するといった、職員のモチベーション向上のための有効なツールになります。現状では、多くの介護事業者が優秀な人材の確保や適正配置、育成を重要な経営課題に位置付けていますが、こうした効果に着目すれば、ITの導入・活用を、課題解決のための有効な選択肢だと考えることができるのではないでしょうか」
 亀本氏はまず、1万5,000超の事業所を支援してきたソフトウェア会社としての経験から、事業者全体、ケアマネージャーやヘルパーなども含めた現場の職員によるIT活用が大きな効果につながることを強調します。もちろん、請求業務に着目するだけでも、ITは有効な選択肢の1つといえます。サービス内容や時間、要介護度によって報酬額や計算方式が細かく設定されている状況において、正確な報酬額の把握が必要になる請求業務の効率化が実現できるからです。亀本氏によれば、介護保険制度がスタートする前は、管理帳票作成を中心とした“管理”のためのソフトウェアが多かったといいます。ところが、時代の変遷とともに“管理”ではなく“活用”に主眼を置いた製品が相次いで登場してきました。
 「大きな変化は、現場の記録が質の高いサービス提供を支える情報資産と位置づけられるようになったことです。具体的には、利用者の実態を正確に把握するための情報が、利用者の潜在的なニーズを掘り起こす情報になり“何をした”という記録だけではなく、これから“何をすべきか”を判断するための情報になったということです。利用者が重視することは、自分のことを理解してくれている、安心して任せられるという事業者に対する信頼感です。つまりITを活用した情報の共有や連携の仕組みが、“選ばれる事業者”に向けた情報基盤に進化したということです」
 選ばれる事業者になるためには、利用者の満足度を高めることが不可欠であることはいうまでもありません。亀本氏は、その前提として職員全員が情報を活用できる環境整備にあると強調します。3年ごとに見直される介護報酬は、今後もマイナス改定という流れが基本になると想定されます。改正ごとに減収を余儀なくされる介護事業者にとって、付加価値を生み出すためにITを活用するという考え方は、非常に現実的だといえるでしょう。

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段階的で組織的なアプローチが
IT活用の付加価値を高める

 エヌ・デーソフトウェアでは、特定の業務に着目するのではなく、全体的な活用を基本コンセプトに、コールセンターに寄せられるご意見やパートナー様のご要望を反映した製品提供を継続しています。例えば訪問介護事業を対象にしたシステム機能では、ヘルパーの実績情報を介護報酬の請求やヘルパーの賃金計算、給与管理システムへのデータ連携、二重・三重管理を回避した、効率的な業務を支援しています。また施設サービス向けには、ケア記録の実績内容を利用料請求業務に連携させることに加え、ニーズ情報をケアプランに反映させたチームケアの支援システムなども実現しています。
 こうした仕組みを活用するポイントはどこにあるのでしょうか。亀本氏は、段階的かつ組織的なアプローチが、効果を引き出している事業者の共通項だと語ります。
 「システム購入後に限られた時間で一気にすべてのシステムを導入するのではなく、少しずつ業務に沿ったシステムを肉付けしていくアプローチが重要です。具体的には、まず少数精鋭でソフトウェアの窓口となるキーマンを配置します。そのキーマンの方が、事業所内で選抜されたリーダー格のご担当者に教え、さらに組織内へと落とし込んでいけば、効果的なご運用につながります。時期とタイミングを見極めながら、ある程度時間をかけて立ち上げていく方が、結果としてスムーズな運用が実現できると考えています」
 介護事業者にとって重要なのが、製品選定の基準です。亀本氏は、製品の機能や価格だけではなく、ベンダーの事業継続性にも考慮すべきだと指摘します。
 「介護保険制度の導入からまだ12年ですが、導入した製品のベンダーが撤退してしまう状況に直面した事業者も少なくありません。介護報酬改定に対応できず、短期間で新システムの買い替え、移行を余儀なくされるため、現場が混乱しモチベーションの低下にもつながります。こうしたリスクを回避するためにも、業界シェアや業績を評価の指標に加えることが有効だと思います」
 介護事業者は、例えば今年度の介護保険改正で新設された“定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業”に参入すべきかどうかなど、規制の中でどのような事業を展開するかという経営判断が常に求められます。ここで重要になるのが、変化への対応力。新たな事業に対応できる幅広い製品提供とサポート対応力が、システムベンダーの選択の大きな基準になります。
 「当社は法制度改正に対する迅速な対応に加え、介護・福祉・医療全体を対象にした、トータルな製品力とサポート力が特長です。例えば新事業に参入する事業者に対しては、既存の仕組みに連携した新たなシステムを迅速に追加、コールセンターの対応力も強化しています。成長のために何が必要かという経営戦略の遂行に貢献する情報基盤の整備が私どものミッションだと考えています」
 エヌ・デーソフトウェアの販売パートナーである株式会社三菱電機ビジネスシステム(MB)は、「ほのぼのNEXT」を中核としてシステム導入のコンサルティングから構築、運用、サポートまでをトータルに支援しています。亀本氏は、その連携のメリットとして、幅広いソリューション提案が可能になることを挙げます。
 「MBは、独自にコールセンター業務を設置しているほか、お客様の立ち上げをご支援する要員の育成も強化しているなど、営業だけではなく、ご販売後のサポートまでワンストップで手掛けており、介護事業に関する実績も豊富です。お互いの豊富なノウハウを結集することで、例えばMB独自にて開発された集計ツールとの連携やナースコール・PHSと連携したセキュリティーシステムなど、事業者全体を対象にした様々なソリューションのご提案ができます。これからも事業者様の経営課題や業務課題の解決に向けご一緒に提案をしていきたいと思っています」

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説明図

施設サービスと居宅サービス(訪問介護請求システム)の処理の流れ
出典:エヌ・デーソフトウェア株式会社

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