メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2014年 3月号(No.194)
  • 三菱電機ビルテクノサービス株式会社
  • データ分析フレームワーク「AnalyticMart」導入事例
  • ファシリティ事業の強化に向け
    ビル設備管理固有のノウハウを生かす
    高圧縮・高速のデータ分析環境を構築

“ビルを、まるごと、心地よくする。”をコンセプトに、ビル全体を快適にするトータルシステム企業として事業を展開する三菱電機ビルテクノサービス株式会社。同社はビルの省エネ化、ビル設備の運用・修繕・更新の最適化、セキュリティー性向上などを実現するファシリティ事業の中核「Facima(ファシーマ)」を支えるデータ分析環境を三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社(MDIT)のデータ分析フレームワーク「AnalyticMart(アナリティクマート)」で刷新。高圧縮性と高速性を備えた新たなデータ分析環境は、業務の大幅な効率化と、付加価値の高いサービス提供に貢献しています。

画像:M's station(ショールーム)におけるFacimaの展示

小規模から大規模まで様々なビルの省エネと快適性をサ ポートするFacima。写真上はM's station(ショールーム)におけるFacimaの展示

人物写真

ファシリティ事業本部
ファシリティセンター
センター長
藤原 將芳

人物写真

ファシリティ事業本部
ファシリティセンター
部長代理
北上 眞二

人物写真

ファシリティ事業本部
ファシリティセンター
部長代理
米山 純一

きめの細かいデータ分析で
ビル運用コストの低減策を提案

 1954年の設立以来、昇降機や空調機、照明、受変電、給排水、防犯といったビル設備の保守・運営管理を中心に事業を展開する三菱電機ビルテクノサービス。同社は現在、“ビルを、まるごと、心地よくする。”をコンセプトに、トータルビル管理サービスとビル診断・コンサルティング、総合リニューアルという3事業を核に、ビル全体の運用を重視した事業を推進。すでに約24万台の昇降機、約40万台の空調・冷熱機器といった設備の保守業務を継続する一方、そこで培ったノウハウを生かし、ビル全体の運用の最適化を支援しています。
 同社がお客様と中長期的な関係を築くなかで注力しているのが、節電や省エネ、省コスト化の施策、改善計画を提案することです。2009年6月からは、ビルの様々な設備のデータを収集、分析し、最適なプランを提案する「Facima」の運用サポートを開始しました。
 Facimaは、ビルの空調・照明・受変電・入退室などの各設備を監視・制御するビルオートメーションシステムの「Facima BA-system」と効果的な省エネ対策やビル設備の運用・修繕・更新の最適化などを提案する「ファシーマサポート契約」を両輪とする事業です。Facima BA-systemが収集したデータを三菱電機ビルテクノサービスのファシリティセンターに伝送・蓄積。これを豊富な経験とノウハウを持つファシーマプランナーが分析し、ファシーマサポーターが最適な運用プランとして提案します。
 蓄積するデータの計測点数は、平均で1棟3,000点(最大で3万点)。この膨大なデータを蓄積・分析する役割を担うのが大規模トレンドデータ管理システムです。ファシリティセンター センター長の藤原將芳氏はFacimaを開発した目的を次のように語ります。
 「最適かつ効率的なビル管理を実現するとともに、中期的な省エネニーズに応えるという考え方がベースにありました。従来からビルオートメーションシステムを提供してきましたが、お客様自らシステムに蓄積された大量のデータを活用し、そのビルのどこに無駄があるか?、最適な設備の修繕・更新は?、といった分析をするには多くの専門知識を要するものです。また、当社がお手伝いするにしても、スポットでの分析では限界があり、継続的にサポートさせていただくサービスが必要であると考えました」

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圧縮率と抽出・ロード性能の高さで
AnalyticMartの導入を決断

 ファシーマサポート契約において提供される分析レポートは、@「トータル実績レポート」、A「エネルギー分析レポート」、「設備管理分析レポート」。ファシリティセンターに伝送・蓄積されたデータを基に、@は自動生成、Aはファシーマプランナーがビルごとに必要な情報を抽出・分析して作成します。
 契約数の増加に伴い分析で扱うデータのロード時間と蓄積量が急激に増大し、5年後には性能上の限界を迎えることから、その対策が課題として認識されていました。また、ファシーマプランナーの作業負荷増大という課題も顕在化しました。同社は2011年度下期から、高圧縮、高速検索を実現できるデータベース構築の検討に着手し、データ圧縮率1/100以上、データ抽出性能10秒以内という要件を明確化しました。
 この要件を満たすと判断し、同社が導入を決定したのが、MDITのデータ分析フレームワーク「AnalyticMart」です。大規模トレンドデータ管理システムの構築・運用を手がけるファシリティセンター 部長代理の北上眞二氏は、総合的な性能の高さが大きな判断材料になったと語ります。
 「今後加速度的に増えていくデータ量を踏まえて、要件を定めました。業務を円滑に進めるためには、始業時にデータロードが完了しており、すぐに前日のデータを確認できる必要があります。『AnalyticMart』は、データ圧縮率だけでなく、データ投入と抽出性能も優れていることが導入の決め手になりました」

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ビル設備管理固有のノウハウも反映し
分析の精度を大幅に向上

 同社は2012年度からプロトタイプ開発も含めたシステム開発に着手。当初の要件を満たすことだけではなく、様々な工夫をこらし、業務特性に応じた機能を実現しました。
 代表的なものとして特異点の抽出機能があります。特異点とは、例えば運用上の規定値に対して、上下のいずれかに突出したセンサーデータのことを示しますが、ある部屋の温度が規定値を上回るといった単純なものだけではなく、時間帯や部屋の使用状況、設備の稼働状況といった様々な条件を組み合わせて導かれるものです。
 特異点の判断基準となる規定値は、入居しているテナント、オフィスやデータセンター、病院、学校といったビルの用途により異なります。同社はこの特異点抽出機能を三菱電機の研究所と共同で開発し、実装しました。ファシーマプランナーをまとめるファシリティセンター 部長代理の米山純一氏は、分析業務の効率化を実現するうえで重要なポイントだと語ります。
 「従来、ビルごとの特異点抽出は、ファシーマプランナー個人のスキルに依存して対応してきました。ところが、分析対象のビル数が増えると、個人のスキルだけに依存することは業務量的にも品質的にも困難です。そこで、私どもが培ってきたノウハウに基づき分析シナリオを作成し、三菱電機の支援を受けて特異点抽出機能を実装しました。この機能で特異点候補が自動的に絞り込めるため、分析効率が格段に向上します」
 また、データ抽出機能では、ファシーマプランナーがExcelのマクロでカスタマイズできる環境を整備しました。
 「必要なグラフや分析の視点をすべてシステム化しようとすると、追加開発を繰り返すことになります。重要なのは、最終的に何をお客様に提示するかです。そのためには自動化ではなく、プランナーのスキルを生かせる仕組みが重要だと考えました」(北上氏)

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データ圧縮率1/500を実現し
分析の効率と質を大幅に向上

 AnalyticMartをベースに構築した新たなデータ分析環境の「ファシーマ大規模トレンドデータ管理システム」は2013年4月に運用を開始しました。当初の要件をすべてクリアしたのみならず、データ圧縮率は最大で1/500を実現しました。
 「MDITの技術的なサポートにより、すでに当初要件以上の性能で安定稼働しているメリットは大きいと思います」(北上氏)といった安心感に加え、「大量データの分析効率が高まり、提案で重要になる特異点の分析に費やせる時間が確実に増えました」(米山氏)など、様々な効果を創出。今後同社では、定期的に蓄積するトレンドデータに加え、警報などのイベントデータもデータベース化し、分析の質を向上させていく計画です。
 「空調や照明といった設備機器自体の省エネ技術は進化していますが、運用に関わる要素が大きいことも確かです。今回のシステムをベースにそのサポート対応力を高め、お客様との信頼関係をこれまで以上に高めていきます」(藤原氏)
 三菱電機ビルテクノサービスは、これからもより快適なビルの空間環境づくりを通じ、豊かな人間社会の実現に貢献していきます。

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システム構成イメージ

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