メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • 巻頭特集

  • 経営基盤を強化するIT戦略
  • 2013年 4月号(No.185)
  • 組織力向上で求められるコミュニケーションのあり方と
    マネージャーが果たすべき役割

マネージメントの重要な役割の1つは、個人の力を結集して組織としての成果を高めることにあります。その推進にあたっては、部門やプロジェクトチームを率いるマネージャーとメンバー間のコミュニケーションが成否を大きく左右します。ところが現実には、現場担当者が直面している問題や悩みがマネージャーに伝わっていないといった状況に、多くの企業が直面しています。また、問題意識はあるものの、解決に向けた具体的な施策を見出せない企業も見受けられます。今回は、インパクト・コンサルティングがこれまで200社以上に及ぶ企業への支援で効果を実証してきた「インパクト・メソッド」の考え方や特徴を紹介しながら、組織力を高めるコミュニケーションのあり方やマネージャーが果たすべき役割について考えてみましょう。

コミュニケーション不全の原因は
仕事の進め方とマネージメントにある

 「コミュニケーションは、プロジェクトの成否を決める最大の要因の1つとして認識されている」(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第4版)――。プロジェクトに限らず、企業が推進するビジネスや業務では、常に組織としての成果が問われており、各部門での日常的なマネージメントでも、コミュニケーションが重要であることはいうまでもありません。
 例えば、多くの企業でコーチングやファシリテーションが導入されています。これは、組織力の向上に主眼を置いたコミュニケーションスキルとして有用性を認識されているためです。見方を変えると、個人の能力を引き出し、組織としての力を高めるためには、コミュニケーションの質を高める必要があると、経営トップやマネージャーが考えているということです。
 ところが、重要性は認識されているものの、現実には経営トップのビジョンが現場担当者にまで伝わっていない、部下が直面している問題や悩みをマネージャーが把握していないなど、社内全体でコミュニケーションが希薄になっているケースも少なくありません。こうした状況のままでは、結果として、トラブルの発生に伴う手戻りの増加やスケジュールの遅延などが発生します。これでは担当者の負荷が増大するだけでなく、顧客にも迷惑を及ぼすなど、企業経営にとって大きな損失にもつながります。
 では、“コミュニケーション不全”とも呼ぶべき状況が生まれる原因はどこにあるのでしょうか。ここで重要なのは、聞き方や話し方、書き方といった個人のスキルのみならず、仕事の進め方やマネージメントのあり方に目を向けること。今回のエキスパートインタビューにご登場いただいた倉益幸弘氏が代表取締役を務めるインパクト・コンサルティングでは、職場のコミュニケーション不全の原因を次の4つに整理しています。
@ 時間制約と業務量の増大
 製品のライフサイクル短縮、求められる技術の高度化といった要求が厳しさを増す一方で、増員も困難なため担当者の業務量が増大。さらに専門性の高い領域が細分化され、職場の壁や部門の壁を高めている。その結果コミュニケーションを大切にするという価値観、行動基準が個人、組織において曖昧になってきている。
A 過剰なIT活用
 一日に受け取るメールが数百件規模に及び、何往復にも及ぶやり取りに長時間を費やすものの、誤解が生じやすいというメールの弊害が顕在化。メールに加え、パソコンで進める仕事の割合が高まったことでコミュニケーションの頻度が低下し、担当者が孤立状態に陥っている。
B コミュニケーション・スタイル
 主に、過去の仕事を追求する、口頭による言語情報中心、進行役が固定的というミーティングの進め方。予実管理が中心のため、これから何をどう進めるかという検討に十分な時間が割かれることがない。
C 組織形態と役割の問題
 複数プロジェクトに参画するメンバー、プロジェクトリーダーを兼務するマネージャーという役割分担の増加に伴い、所属部門内でのコミュニケーションの優先度が低下。マネージャーも含めてお互いの仕事の中身を知らないので活発なコミュニケーションにならない。
 個人のコミュニケーションスキル向上は重要ですが、それだけでは限界があります。コミュニケーション不全という状況から脱却し、組織力の強化につなげるためには、仕事の進め方やマネージメントのあり方を革新することも必要になるということです。

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企業に求められる
本質論に立ち返ったマネージメントの推進

 インパクト・コンサルティングが、これまで200社以上に及ぶ企業への支援で効果を実証してきた「インパクト・メソッド」とは、より働きやすい職場を作り、チームワークを活かした団体戦に仕事のやり方を変え、個人と組織の成長を通じて、経営成果を高めるための“考え方と方法”です。大きな特徴は、生身の人間と人間が携わる仕事を前提にしていること。典型的な取り組みの1つが、同社が“アナログコミュニケーション”と名付ける、模造紙と付箋を多用し、手書きとビジュアルを重視したコミュニケーションです。
 また、インパクト・メソッドを特徴づけているのは、具体的な手法を取り入れる一方で、コミュニケーションやマネージメントの本質に着目した考え方がベースにあることです。例えば“仕事のコミュニケーション”と“マネージメント”は次のように定義されています。
仕事のコミュニケーション:
 仕事を明るく・スッキリ・スムーズに行うために、仕事に関連する人同士がフェイス トゥ フェイスで行うコミュニケーション

マネージメント:
 会社から預かった組織の成果に対して責任を持つための、マネージャーの《ものの見方》と《問題・課題解決行動》。
 
本質論ということでは、「成果には@組織によい変化が起こること(好変化)、A売上、利益など、ビジネスの良い結果(好結果)があり、職場に好変化が起こらないと、ビジネスの好結果は生まれない。マネージャーはまず職場に好変化を起こすところから始めなければならない」という提言も特徴的です。原点回帰に徹した革新活動が、多くの企業で効果を実証しています。
 インパクト・メソッドが革新すべき対象としているのは、コミュニケーション、目標に対する問題・課題解決、チームワークという3つ。ベースにあるのは、企業に求められているのが、本質論に立ち返ったマネージメントの推進だという考え方です。

※本記事の一部は、エキスパートインタビューにご登場いただいた倉益幸弘氏への取材と同氏提供の資料をベースに作成しました。

参考文献:
『アナログコミュニケーション経営』(倉益幸弘/インパクト・コンサルティング著)
『“元気”な開発チームマネジメント』(インパクト・コンサルティング/倉益幸弘/宗像宏/久保昭一著)
『開発チーム革新を成功に導くインパクト・メソッド』(インパクト・コンサルティング/倉益幸弘/宗像宏/久保昭一/山田勉著)

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説明図

革新(ガラッと変える)すべき対象は3つ
出典:株式会社インパクト・コンサルティング

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