メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

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  • エキスパートインタビュー

  • 経営基盤を強化するIT戦略
  • 2013年 11月号(No.191)
  • 営業マネジャーに求められる“曖昧さ”を排除したマネジメントと
    継続的な人材育成の推進

人物写真

ソフトブレーン・サービス株式会社
代表取締役社長
野部 剛 氏

営業力強化の必要性を認識していても、現状の課題認識や具体的な施策が漠然とし、組織的な取り組みに着手できない企業が少なくありません。具体的な取り組みにつなげるためには、何が必要なのでしょうか。今回は「プロセスマネジメント」「ソリューション営業」「マーケティング」という3つの柱を融合したコンサルティングで2,000社以上の企業を支援してきたソフトブレーン・サービスで代表取締役社長を務める野部氏に、組織的な営業力の強化に向け営業マネジャーが果たすべき役割や必要な考え方、IT活用のポイントなどを伺いました。

野部 剛(のべ・たけし)氏プロフィール
早稲田大学第一文学部英文学専修卒業。野村証券株式会社に入社し、リテール営業でトップ営業マンとして活躍。その後ベンチャーキャピタル、コンサルティング企業で、事業戦略や新規事業開発、組織人事戦略、IT戦略など幅広い領域の業務に従事し、2005年にソフトブレーン・サービスに入社。執行役、取締役を経て2010年より現職。一般財団法人プロセスマネジメント財団代表理事。著書に『成果にこだわる営業マネージャーは「目標」から逆算する』(同文館出版)、『90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術』(東洋経済新報社)、『これだけ!Hou Ren Sou報連相』(すばる舎リンケージ)。

数字に強い営業部門への変革が
組織力強化への第一歩

 「営業部門では、数値を把握しないまま、感覚的な議論をする傾向が強いことが、非常に根深い問題です。例えば日本は少子高齢化に伴い人口が減少していくことは知っていても、2048年には9,913万人と1億人を割り込み、2060年には8,674万人(約30%減)になると推計されていることを把握していなければ市場規模の縮小に対する危機感も乏しくなります。結果として、新規顧客の獲得が重要だという掛け声だけで、既存顧客への対応に追われるという状況が繰り返されている企業も多いのではないでしょうか」
 野部氏がまず強調するのは、“数字に強い”営業部門を目指すべきだということです。数字が頭に入っていなければ、組織や個人の目標達成という意欲が低下してしまい、組織としての成果を高めることが困難になります。また、野部氏によれば、数字に限らず、仕事のやり方やマネジメントにおける“曖昧さ”が、多くの企業に共通する営業活動の大きな課題だといいます。ソフトブレーン・サービスが提唱する“プロセスマネジメント”は、この課題を解決する手法であり、ベースにはマネジメントの本質論に立ち返った考え方があります。
 例えばITは本来、マネジメントを支えるツールと位置付けられており、これまでも多くの専門家が、導入自体を目的化するべきではないと指摘してきました。ところがソフトブレーン・サービスで最近急増しているタブレット活用に関する相談では、“ITありき”の発想が少なくないといいます。
 「営業マネジャーがどのような情報を見たいのか、部下にどのタイミングで、どのような報告を求めているのかという“報連相”のルールを決めずに配布しているケースが散見されます。重要なことは、現状のプロセスがどうなっているのか、自社の製品やサービスの強みはどこにあり、どのターゲットに売るのが適切なのかというマーケティングの議論からはじめ、報連相も含めたマネジメント手法を明確にすることです。単に競合他社が導入している、紙を減らせると考えるのではなく、プロセス全体のつながりやコミュニケーションのあり方を理解したうえで導入しなければ効果につながりません」
 マネジメントの本質論に立ち返った営業活動は、ソリューションを重視するIT企業にも求められます。野部氏は、多くのIT企業に共通する課題に“御用聞き営業”があると苦言を呈し、従来の意識を変革すべきだと強調します。
 「IT企業の多くの営業担当者が、“ニーズを教えてください”、“わかりました”、“これでいいですね”という御用聞き営業を繰り返しています。つまり、As Is(現状)を提示するだけで、お客様が本当に求めているTo Be(あるべき姿)を描くことができません。この現状認識と意識改革がなければ、いつまで経ってもソリューションを提供することができないのではないでしょうか」

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重視すべきはITツールの機能よりも
営業マネジャーの課題認識と解決能力

 ビジネスや業務の基本が、個人の力を結集し、組織としての成果を高めることであることから、組織的な営業力の強化ではマネジャーの役割がカギを握ります。野部氏は「営業活動に関わる様々な問題がマネジャーに集約されることは明らか」と指摘したうえで、特に問題や課題を発見し、解決策を講じる能力が重要だと語ります。
 「SFA(Sales Force Automation)ツールを利用すれば、例えば案件全体のプロセスごとの前進率が、“課題不明確”から“課題明確化”で74%に落ちるといった状況を把握できます。ここで重要なのは、こうしたツールの機能に着目する前に、把握した数字のどこに問題があり、次にどのような対策を講じるべきかを考えられる能力です。課題が明確になったのになぜ提案しないのか、なぜ内示に対して受注の件数が下がっているのかなど問題点を明確にし、数字を引き上げる解決策を考えて実行するマネジャーの能力です」
 こうした能力も含め、営業マネジャーに必要な能力がプロセスマネジメント力、ソリューション営業力、マーケティング力という3つの能力です。マネジャー自らが能力を高めながら、部下を育成していくことが組織目標の達成や成果の最大化には不可欠となります。
 「人材育成では、量だけではなく“質”、具体的には心構えや考え方である“マインド”、コミュニケーションの“スキル”、商品知識やノウハウなどの“ナレッジ”を高める取り組みが必要です。また、“知らない”から“わかる”、“できる” というステップを踏み、習慣化されるまで繰り返すことが、成果を出すためには不可欠です。メンバー全員が理解して行動する仕組みを上手く回していく継続的な取り組みがプロセスマネジメントだということです」

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画面例

SFAツールを活用したプロセスマネジメントの画面例
出典:ソフトブレーン・サービス株式会社

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