メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2014年 7月号(No.198)
  • 株式会社NHKエンタープライズ
  • ハイビジョン映像向け電子透かし導入事例
  • Web試写・提供システムの導入により
    利便性を大幅に向上するとともに
    電子透かしを埋め込み適正利用を推進

人物写真

ライツアーカイブスセンター
素材提供事業 部長
堤 俊行

画像:株式会社NHKエンタープライズ

電子透かしの埋め込み作業

番組81万、ニュース573万の
NHKアーカイブスを活用

 株式会社NHKエンタープライズ(nep)は、NHKグループの総合コンテンツ企業として、日本放送協会(NHK)で放送する番組の制作や、番組の二次展開や版権管理、国際展開などを行っています。
 NHKが有する番組アーカイブスの活用と管理も、同社の重要な事業で、その一つにNHKアーカイブスから映像などの素材を切り出して外部事業者にライセンス提供する「素材提供事業」があります。この素材提供事業においてnepは、提供した映像素材のライセンス内容以外の使用を防ぐことを目的に、「Web試写・提供システム」で提供する映像素材についてMDISの「ハイビジョン映像向け電子透かし」を導入し、2013年5月から電子透かしを付与した提供を開始しました。同社はクリップ化した映像素材に電子透かしを埋め込み、提携している外部フッテージ事業者のWebサイトで提供する“オンライン提供”と、事業者の個別の希望をメールで受け付けて、担当者がNHKアーカイブスを検索し、提供できる素材を選び出し試写をしたうえで提供する“オフライン提供”の、二つのルートで提供しています。
 オフライン提供の場合、試写はこれまで来社してもらうことが基本でしたが、利用者の利便性を考慮して、Web上で試写と提供ができる“Web試写・提供システム”を導入しました。Web試写・提供システムでも、NHKアーカイブスに保管されている81万本の番組映像と、573万項目以上のニュース映像が対象となっています。素材の利用者は、国内民間放送事業者が中心となっていますが、その他にもCM、企業研修や展示上映などの用途で一般企業や自治体などが利用。ライツアーカイブスセンター 素材提供事業部長の堤俊行氏は「実に様々な利用のご希望があります。昨年は東京オリンピック招致に関連した1964年の東京オリンピックや、国民的ブームになった連続テレビ小説『あまちゃん』の素材提供依頼がありました」と語ります。

▲ ページトップに戻る

変換や加工に対する耐性が高く
映像の著作権を保護

 Web試写・提供システムは、使いやすさに重点を置いて開発されました。利用希望者は自席のパソコンで試写画面のカットポイント「IN/OUT」点を指定し、権利クリアランスをすることで希望する映像ファイルを入手できます。このシステムでは素材を提供するまでの期間が短縮されるなど利用者の利便性が向上したほか、著作権を保護する仕組みも組み込まれています。
 「従来はメディアに映像を保存してクライアントに渡し、利用後に返却していただいていました。しかし、ファイルで提供した映像は簡単に複製できるため、提供した映像がライセンス範囲外で利用されることも考えられます。その問題を解決する手段として、電子透かしを採用して、抑止力を働かせることにしました」(堤氏)
 電子透かしは、映像そのものに人間が認識できない程度のわずかな変化を加えて情報を埋め込むものです。圧縮して解像度を変えたり、一部を切り出したりしても電子透かしを検出できるため、不正利用を抑止できます。nepでは、Web試写・提供システムについては電子透かしを付与していることを伝えたうえで素材を提供しています。当初は画面の隅に表示される半透明の放送局名のマークと誤解されることもありましたが、著作権保護のための利用目的は徐々に浸透。電子透かしを付与したことによる画質に関する不満の声もありません。堤氏は「今後、電子透かしの認知が進むことで、さらに抑止効果が高まると期待できます」と語ります。

▲ ページトップに戻る

4K、8Kと映像の高度化に向け
電子透かしの活用がテーマに

 様々な事業を展開するnepは、インターネット配信事業者などに提供するドラマやドキュメンタリー、アニメなどの番組コンテンツに関しても電子透かしを埋め込むことを検討しています。さらに、堤氏は「映像がファイルでやり取りされる時代、電子透かしによって、そのコンテンツの由来を判明できる状態にすることでコンテンツの保護につなげることは必須になるだろう」と展望します。
 4K、8Kと映像の高度化が予想されるなか、大切な映像を守るために電子透かしの活用はますます重要なテーマになりそうです。

▲ ページトップに戻る

▲ ページトップに戻る