メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2016年 4月号(No.215)
  • 稲菱テクニカ株式会社
  • 工事管理(保全管理)システム導入事例
  • スクラッチ開発したシステムにより
    保全業務を標準化し、作業の効率化とともに
    ユーザーの意識改革を実現

三菱エレベーター・エスカレーターのメンテナンス部品の生産などを担う稲菱テクニカ株式会社。同社で機械装置の修理や施設保全などを行うサービス部では、業務のさらなる効率化に向けて株式会社三菱電機ビジネスシステム(MB)とともに工事管理(保全管理)システムを開発。2008年10月の稼働以降、順次システムを拡張し、保全の受付から部品購入、専門の修理業者手配、納品請求までの業務を標準化しました。現在は、これまでに蓄積したデータを活用した予防保全の実現に向けて、新たな取り組みを進めています。

三菱電機稲沢製作所の生産設備や機械装置、建物のメンテナンス業務を担う稲菱テクニカ株式会社サービス部

三菱電機稲沢製作所の生産設備や機械装置、建物のメンテナンス業務を担う稲菱テクニカ株式会社サービス部

人物写真

サービス部
次長
後藤 昭

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サービス部
設備企画課
課長
北川 雅晴

人物写真

サービス部
設備企画課
主事
蕪木 一博

人物写真

サービス部
設備企画課
大橋 幸代

さらなる効率化に向けて
保全管理業務のシステム化を決断

 1988年2月に三菱電機100%出資の会社として設立された稲菱テクニカは、三菱電機稲沢製作所を拠点に、三菱電機の特注エレベーター用意匠品の設計・製造、三菱電機のエレベーター機器開発業務の支援、保守部品の供給などを行っています。
 その中で、エレベーターやエスカレーターの生産設備や機械装置、稲沢製作所の建物のメンテナンス業務を担うのがサービス部です。取り扱う装置や設備は、研削盤、ボール盤、プレス機、溶接機、NC機械などから稲沢製作所の建物全般、窓ガラスや電球に至るまで多岐にわたり、稲沢製作所の生産活動を支えています。
 サービス部には、稲沢製作所の各部門から生産設備や機械装置の修理依頼や、建物の工事・修繕依頼が日々寄せられます。従来は、事務担当者が部品手配や工事の見積依頼などを行い、作業終了後に作業員の就業実績を入力して工数を集計するなど、多数の伝票処理に手を焼いていました。サービス部 設備企画課 主事の蕪木一博氏は次のように従来の課題を語ります。
 「修理という緊急を要する業務のため、現場の担当者が先行して修理用部品確保のために動き出し、修繕の目処を付け、その後に実施内容を記したメモを事務担当者へ渡すことがあります。その場合、事務担当者の確認作業はとても煩雑なものとなり、大きな負荷がかかっていました。また、作業完了後も、上長は一連の手続きが正しく実施されていることを確認しなければならず、システム化による業務効率向上が求められていました」

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業務に合わせてスクラッチ開発を選択し
工事単位で管理するシステムを構築

 システム化を検討する中でテーマとなったのが、パッケージソフトウェアかスクラッチ開発かの選択です。「パッケージに業務を合わせるという意見もありましたが、当社の業務は複雑でかなりのカスタマイズが必要になることは明らかでした。また、中長期的な取り組みとして経理部門と連携して事務作業を簡素化する方針を勘案すると、2002年に導入した当社基幹システムの構築パートナーであるMBとスクラッチ開発を行うことが最善であると判断しました」と蕪木氏は説明します。システム設計の段階からMBとともに保全業務を担当する現場の声を吸い上げながら仕様を決めていきました。
 導入プロジェクトは、2008年上期にスタートし、2008年10月に「工事管理システム」として、工事見積、受付、完了、作業実績工数管理、購買(見積依頼、発注、計上)管理、法令対応等、関連業務のシステム化が実現しました。サービス部が行う業務は、基本的に故障修理と建設工事の2種類です。修理の場合は機器の故障を解析したうえで、購買先に部品を発注し、整備作業を経て終了します。建設工事の場合は外部の業者に依頼するケースも多く、見積、発注を経て工事に着手し、作業が終わって完了となります。 第1期のシステム開発では、この基本的な業務の流れをすべてシステムに落とし込みました。改善点のひとつは、各工事に割り当てられた固有のオーダー番号の取り扱いを明確なものとし、現場作業者も巻き込みながら、すべてをその番号で管理するようにしたことです。サービス部 設備企画課の大橋幸代氏は「これまではオーダー固有の番号と工事に関連する情報の結びつきが弱く、伝票の照合作業等に手間がかかりました。今回は番号体系を細分化し、作業者が工事に携わった実績や部品の発注履歴等が詳細に把握できるようにしました」と振り返ります。
 システム化において、大きなポイントになったのが修理を担当する現場作業者への浸透・定着です。約40人のサービス部のスタッフ全員がシステムを使って情報を扱うことになります。紙ベースで購買依頼書や作業日報の作成を行ってきた現場作業者の中には、当初パソコンによる作業に抵抗感がある者もいました。そこで、システムの画面をシンプルで分かりやすい構成にするとともに、きめ細かなサポートを実施することで浸透・定着を図りました。
 「操作教育では、マニュアルの読み合わせ一辺倒でなく実際にパソコンの画面をモニターへ投影し、操作を具体的に示して覚えられるように心がけました。抵抗感のある作業者に対しては、間違えてもいい、最低限の情報入力でもいいということを訴えて、使ってもらうことを優先しました」(蕪木氏)

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作業状況の可視化を実現し
事務作業を効率化

 工事管理システムの導入により、保全受付(受注)、手配、納品請求までの業務はすべて標準化されました。現在は、工事を担当する作業者が工事の見積、受注、部品手配などの情報を入力し、また1日の終わりには作業実績を入力しています。システムへの入力を日々重ねることで、日報にはより詳細な内容まで入力するようになり、ノウハウが蓄積されています。その結果、後で作業内容を振り返ることが容易なものとなりました。類似作業が発生した際は履歴を参照して最適な部品の目星をつけ、かつ納期の目安を確認することも可能です。また、経験の浅い作業員がベテランの作業記録を参照して自分の業務に生かすようになるなど、ユーザーの意識改革を促す効果も生まれました。
 さらに、作業状況の可視化による効果も生まれています。
 「作業者が情報入力を忘れていても後からチェックできるため、抜けや漏れがなくなりました。また、基幹システムとの連携によって情報の流れがスムーズなものとなり、経理からの問い合わせ対応や調査で忙殺される場面も減少しました」(大橋氏)
 サービス部 設備企画課 課長の北川雅晴氏は「決められたフロー以外の申請は、しかるべき担当者のチェックが終わるまで承認が下りないなど、承認者の立場からも安心です」と語ります。システム内の作業実績管理機能は、作業者の勤怠把握の役割も果たし、また工数の集計漏れが起こる心配もなくなるなど、コンプライアンス的にも有効な仕組みとなりました。

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履歴データを活用した
予防保全も視野に

 稲菱テクニカでは、2013年9月の最新OS対応に合わせてシステムのリニューアルを行い、その後も継続的に機能強化を進めてきました。当初はサービス部の設備企画課が主導していたシステム改善も、現在では現場の作業者がプロジェクトに参画し、当事者意識を持って進める体制になっています。
 サービス部 次長の後藤昭氏は今後について、「機器カルテの導入によって数千台にものぼる生産設備や機械装置を個々に管理する環境が整いました。過去の現象、修理履歴、使った部品などがすべて分かります。故障するタイミングが予測できれば、前もって補修用品を準備することも可能です。今後はデータを予防保全の提案などに活用していきます」と語ります。
 さらに後藤氏は「今回構築した工事管理システムは、ユーザーの意識まで変えた画期的なものです。パートナーであるMBには、このノウハウを活かし三菱電機グループのさらなるボトムアップに貢献していただくことを期待しています」と語ります。
 稲菱テクニカは、「満足度の高いサービス」と「卓越した技術」を通して、これからも三菱電機稲沢製作所の生産業務を支援していきます。

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段階的に機能を拡張した工事管理(保全管理)システム

段階的に機能を拡張した工事管理(保全管理)システム

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