メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

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  • エキスパートインタビュー

  • 経営基盤を強化するIT戦略
  • 2016年 12月号(No.222)
  • 綿密なユーザー調査と戦略の策定が
    コンテンツマーケティング
    成功のカギとなります

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株式会社日本SPセンター情報戦略室
コンテンツマーケティング推進チーム
三友 直樹 氏

コンテンツマーケティングでは、見込み客にとって有益な情報を継続的に発信しなければなりません。また、単なる情報提供に留まらず、最終的には売り上げ向上などの成果に結びつくことが求められます。このため、明確な目的意識を持って、計画的・戦略的に取り組むことが必要です。企業がコンテンツマーケティングに取り組むうえで、理解しておくべきポイントについて、多くの企業のコンテンツマーケティング活動をサポートしている、日本SPセンター情報戦略室コンテンツマーケティング推進チームの三友直樹氏に伺いました。

三友 直樹(みとも・なおき)氏プロフィール
1984年生まれ。2008年サンフランシスコ州立大学国際関係学部卒業。IT系ネットメディアの編集・記者を経て、2011年より経済誌記者としてシンガポールとインドで勤務。2013年に株式会社日本SPセンター入社。住宅や耐久消費財などの分野を中心に、企業向けコンテンツマーケティングの企画・運用に取り組んでいる。またコンテンツマーケティングに関するノウハウ・ニュースを発信するメディアサイト「コンテンツマーケティングラボ(http://contentmarketinglab.jp/ (新しいウインドウが開きます))」の運営や記事執筆も担当。2016年9月より同メディア編集長を務める。

見込み客の状態に合わせて
“適切”な情報を届ける

 コンテンツマーケティングの本質は、“適切な”人に“適切な”コンテンツを当てることだと三友氏は強調します。
 「この“適切な”という部分がとても重要です。見込み客には、様々な状態があります。商品をまだ認知していない、認知はしているが自分ごとになっていない人、自分ごとだと思っていても情報が足りずに購入に至らないなどです。コンテンツマーケティングでは、認知していない者には認知されるように、自分ごとでない人には自分ごとになるような、購入を迷っている人には最後の一押しをする、といったように見込み客の状態に合わせて、適切なコンテンツを渡して次の行動を促すことを目的としています」
 これに対して、テレビCMのようなマス広告は、すべての見込み客に同じ情報を一気に届けます。とにかくできるだけ多くの人に情報を届け、そのうちの一定の割合の人に効果があればよいという考えです。また、マス広告の多くはユーザーの生活に割り込む形で表示されるため、時には不快な思いをさせてしまうこともあります。コンテンツマーケティングでは、ユーザーの望む情報を提供するので、こうしたネガティブな反応は起こりにくくなります。
 ただし、コンテンツマーケティングは、マス広告を否定するものではないと三友氏は補足します。「商品やターゲットによってはマス広告の方が効果的な場合もあります。重要なのは、適切な人に適切な情報が届くことです」  

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表面的なことだけに縛られずに
戦略的に取り組む

 コンテンツマーケティングでは情報発信にブログがよく使われ、また優良なコンテンツは検索結果の上位に表示されることが多いことから、コンテンツマーケティングとはブログを使ってSEO(検索エンジン最適化)を行うことだと思われがちです。三友氏はメディアやSEOといった表面的なことにとらわれずに、きちんと戦略的にコンテンツマーケティングに取り組むことが重要だと指摘します。
 「最初からブログを書いて検索順位を上げようといったメディアありきの考えで取り組むのは危険です。例えばもし、ターゲット層が、ネットで情報収集をしない層であれば、せっかく作ったコンテンツが無駄になってしまいます。また、日本では、SEOのためにコンテンツマーケティングを始める企業が多いのですが、本当に重要なのは、検索経由で集客してから見込み客を育てて最終的な購買に結びつけることです。そのためには戦略的に取り組み、きちんとコンテンツやサイトを設定しなければなりません」
 コンテンツマーケティングの先進国である米国では、SEO効果よりも、最終的なビジネスゴールをどうやって達成するかの戦略への関心が高いとのことです。

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顧客について正しく理解できれば
コンテンツは自然に導き出せる

 マーケティングの基本は自社・競合・顧客の3つを分析することから始まります。コンテンツマーケティング戦略では、特に顧客の行動を細かく捉える必要があるそうです。
 「まずは、ユーザー調査をしっかり行うことが必要です。ユーザーへのインタビューなどにより、どのような人がどのような情報を欲して、どのような行動を経て購買に至るのか、というストーリーを洗い出します」(三友氏)
 調査では、購買を自分で決定するのか、誰かを説得しなければならないのか。情報収集はネットなのか紙媒体なのか、それとも最初から店頭に行くのかなど、購買前の細かな行動を調べていきます。そこから共通するパターンを洗い出して、ターゲットとなる見込み客のペルソナやカスタマージャーニーを作成します。
 「顧客の考えや行動がきちんと理解できれば、必要となるコンテンツが自然と導き出されます。例えば、機能説明だけではよく分からなかったという人が多ければ、ベネフィットを分かりやすく表現します。値段が高いと渋る相手を説得しなければならないというパターンが出てきたら、その説得に使えるようなコンテンツを出すといった具合です」(三友氏)
 コンテンツは一度作って終わりではありません。コンテンツの効果を測定・検証しながら、継続的に追加や改善を行っていく必要があります。ECサイトのように、コンテンツが売り上げに直結するため、効果測定が比較的容易なサイトもあれば、数値による計測が難しいブランディング目的のサイトもあります。いずれにしても狙う目的をコンテンツごとに細かく決めることが重要になります。

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IoTやウェラブルの活用で
“もっと適切な”情報提供が可能になる

 コンテンツマーケティングは、もともとマス広告では捉えにくい類の潜在的な見込み客を獲得するのに適しています。コンテンツによるSEOだけでなく、SNSなども駆使して、より深い潜在層に訴求する場合もあります。より深い潜在層の意識は、まだキーワードで検索するところまで達していませんので、検索で見つけてもらうことよりも、ソーシャルメディアでの接触や拡散を狙ったコンテンツ制作などが行われます。
 「検索の場合は、関心の高いキーワードが分析ツールを使ってある程度洗い出せますし、競合のコンテンツを参考にすることもできます。しかしコンテンツがファンの心に響いて拡散されるかどうかは定性的な問題なので、ツールによる分析だけでは対応できません」(三友氏)
 そこで、SNS上で拡散することを狙う場合には、ユーザー参加型のコンテンツ制作を行うなど、ターゲット層の心に響くコンテンツを継続的に作り続ける仕組みに注目が集まっています。
 今後のコンテンツマーケティングについて、三友氏は次のように予測します。
 「コンテンツマーケティングの本質は、適切なコンテンツを適切なタイミングで当てることですが、現状では、まだ完全なわけではありません。SNSや検索もパーフェクトにユーザーの状態を反映している訳ではありませんから、もっと適切にできる余地があると思います。今後、IoTやウェラブル端末、ビーコンによる高精度な位置情報を伴った伝達手段など、今より細かいユーザーの情報が得られれば、もっと適切なコンテンツの提供ができるはずです。テクノロジーの進化を待つ必要はありますが、まだまだ今後も発展していくと思います」

コンテンツストラテジー開発フロー

見込み客の状態に合わせて、最適なコンテンツは変わってくる。

コンテンツストラテジー開発フロー

出典:株式会社日本SPセンター

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