メルトピア

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三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • デジタルカメラ活用テクニック

  • Vol.77
  • 2018年 1・2月号(No.233)
一列に並んでいるものを美しく撮る

撮影表現の引き出しを増やす

 「撮影が上手だな」と思わせる人と、そうでない人の違いは何でしょう。答えは簡単で、撮影が上手な人は、被写体の見せ方を知っている人です。もちろん撮影時にアイデアを凝らしたり、状況の変化に応じて臨機応変に対処したり、カメラマンに要求されることはいくつもあります。しかし、まずは撮影表現の引き出しをいくつも持っておくことが重要です。そこで今回は、同じような複数の被写体が、一列に並んでいる場合の撮影法を紹介します。撮影法と言っても難しいことではありません。ちょっとした知識があれば、誰でも写真1のような美しい写真を仕上げることができます。

中望遠レンズを使い
前後のボケで雰囲気を演出する

 今回必要なものは、一眼レフカメラと中望遠レンズです。中望遠レンズとは、標準レンズの約2 倍の焦点距離を持ったレンズで、例えば50mm が標準レンズとすると、100mm 程度の焦点距離が中望遠レンズになります。
写真2をご覧ください。これは一列に並ぶ地蔵を撮影したものです。すべての地蔵を説明的に紹介したいのであれば、これでも構いませんが、もう少しイメージを強調したい時には、写真3のように撮った方が良いでしょう。ピントが合っているのは右からふたつ目だけで、あとはボカしました。見ての通り、すべてクリアに見せるよりも地蔵の存在を強く意識させ、空間の広がりを感じさせる、雰囲気のある写真にすることができました。こういった効果を上手く演出できるのが中望遠レンズです。中望遠レンズはレンズの絞りを開けることで、中心となる被写体の前後を強くボカすことができるからです。また撮影する位置は、並ぶ被写体の正面からではなく、斜め横からの視点で、前後の幅を持たせるよう心がける必要があります。
この手法を使って仕上げた作品が写真3です。一列に並んだ複数の被写体が同じような形の場合、中心のひとつにだけピントが合っていれば、他のすべてを想像することができます。そしてそのほうが、被写体自体を魅力的に見せることにつながります。
今回の撮影では、一眼レフと中望遠レンズが必要だと書きましたが、最近ではスマートフォンでも、内部のコンピューター処理で、このようなボケの効果を作る機種もあります。いずれにせよ技術的に可能であっても、ちょっとした演出効果の知識がなければ使いこなせません。被写体の見せ方を工夫して、一度チャレンジしてみてください。

撮影・文:中原義夫(Bubio Studio)

  • 撮影例
  • 撮影例
  • 撮影例
  • 写真1: 中望遠レンズを使い、中心の器にだけピントを合わせ撮影。前後の器を適度にボカした作例。
    レンズ100mm(35mm 換算) 1/640秒 F2.8 ISO 1600
  • 写真2: すべての地蔵にピントを合わせた説明的な写真。写真としての面白さはない。レンズ85mm(35mm換算) 1/40 秒 F16 ISO 4000
  • 写真3: 手前や背景の地蔵をボカし、空間の広がりや情緒を表現した作例。
    レンズ85mm(35mm 換算)1/1000 秒 F1.8 ISO 200

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