メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • 巻頭特集

  • 経営基盤を強化するIT戦略
  • 2017年 4月号(No.225)
  • BtoB分野における
    デジタルマーケティングの
    潮流と活用のポイント

BtoB(企業間取引)における、デジタルマーケティングの活用が活発になってきました。従来、メールやWeb、SNSなどのデジタルメディアを使ったマーケティング手法は、主にコンシューマー向けに用いられてきました。しかし最近では、顧客企業が調達・購買プロセスでデジタルメディアを使うことが増えています。さらに、デジタルマーケティング用のツールも進化し、データを元にした顧客の行動分析から、より効果的に営業活動を支援できるようになりました。今回はBtoB市場におけるデジタルマーケティング活用のポイントについて解説します。

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BtoB分野でもデジタル
マーケティングが不可欠な時代に

 デジタルマーケティングとは、メールやWebサイト、ブログ、SNSといったデジタルメディアを接点として、製品やサービスのプロモーションを行うことを指します。特にコンシューマー向け(BtoC)においては、デジタルマーケティングが欠かせないものとなっています。デジタルマーケティングの登場以前は、BtoC企業が直接消費者とコミュニケーションできるチャネルはごく限られていました。デジタルマーケティングによって、企業は消費者にダイレクトにメッセージを届けることができるだけでなく、Webサイトへのアクセス状況やネット上の書き込みを分析することで、潜在的な消費者の意見やニーズを把握することも可能になりました。
一方、BtoB分野では営業担当が顧客と直接やりとりする、いわば"オフライン"のマーケティングプロセスが古くから定着していることもあり、デジタルマーケティングの導入に積極的な企業はそれほど多くありませんでした。しかし、近年ではBtoB分野でもデジタルマーケティングの活用に取り組む企業が急速に増えています。
 その背景としては、まず顧客企業の変化が挙げられます。社会全体にネットワークが普及した今、顧客企業の多くは、購入する製品やサービスの情報をネットワークで収集するようになっています。展示会や営業担当による説明など、従来のオフラインチャネルも、依然として重要な情報源ではありますが、やはりオフィスに居ながらにして情報収集ができるネットワークには絶対的な利便性の高さがあります。販売する側にとっては、オンラインでのプロモーションが不十分だと、早い段階で顧客の検討対象から外れてしまうリスクが出てきました。
 もうひとつの理由としては、デジタルマーケティング技術の進化が挙げられます。最新のデジタルマーケティング技術を利用すれば、企業は顧客に対して情報を提供するだけでなく、アクセスデータなどの解析を通じて、顧客の興味の対象や購買意欲などの情報を得ることができます。この情報を活用することで、新規顧客の獲得や既存顧客の掘り起こし、つなぎ止めなど、様々な効果が期待できます。
 デジタルマーケティングのこうした特徴がBtoB企業にも評価され、急速に導入が進んできました。

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顧客の行動履歴を分析することで
効果的な営業活動が可能に

 デジタルマーケティングでは、どのような方法で顧客の興味の対象や購買意欲を把握するのでしょうか。比較的シンプルな例を取り上げてみましょう。
 例えば、自社のWebサイトにアクセスした人が、どの情報をどのような順番で見ているか、どんなリンクをクリックしたか、滞在時間はどのくらいか、といったデータを計測することで、顧客の興味が把握できます。さらにユーザーのブラウザにクッキーを設定しておくことで、Webサイト側は同じユーザーが繰り返し訪れていることが分かり、見込み客の購買意欲の変化を捉えられます。また、BtoBの顧客の多くは自社ドメインを所有していますから、アクセス元のIPアドレスを基に、どの企業の人が自社製品に興味を持っているかも分かります。
 アクセスしているユーザーが具体的に特定できれば、さらに有用なマーケティング情報となります。よく使われるのは、展示会で集めた名簿や、すでに社内にある顧客リストを使ってDMやEメールによるメールマガジンを送る手法です。その際、各メールに掲載する自社サイトのリンクをユーザーごとに固有のものとすることで、メールに反応して自社サイトにアクセスしてきた人を特定できます。
 また、既存顧客に対しては、消耗品の販売やユーザーサポート機能のある会員専用サイトを使うことで、継続的にユーザーの状況を把握し、関係維持に役立てられます。
 デジタルマーケティングで収集できる顧客の情報は、営業担当者にとって大きな支援となります。顧客の興味や事情が全く分からずに訪問する場合と比較すると、提案できる内容に大きな違いがでてくるでしょう。

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MAツールでポイントとなる
シナリオやコンテンツのノウハウ

 デジタルマーケティングに必要な処理を行うツールのひとつに、「マーケティングオートメーションツール」(MAツール)があります。製品によっても異なりますが、MAツールの機能としては、リストに基づくメールの発送、Webコンテンツの管理、ユーザーごとのアクセス状況の集計と分析や、設定した条件に合う顧客リストの抽出といった機能があります。
 ただし、単にMAツールを導入すれば、すぐにデジタルマーケティングが可能になるわけではありません。デジタルマーケティングの成否はコンテンツやシナリオによって大きく左右されるからです。
 まず、Webサイトであれば、顧客にとって魅力的なコンテンツが必要です。自社の製品やサービスに関する詳しい説明はもちろん、ユーザー事例やノウハウ集、最新の業界動向など、デジタルマーケティングに注力している企業では様々なコンテンツを用意しています。
 シナリオとは、顧客が製品に興味を持ってから購入に至るまでのプロセスを想定したものです。BtoB企業の場合は、最終的にマーケティングで得られた有望な見込み客を営業部門にバトンタッチすることになります。ですから、どのようなプロセスで見込み客を発見、育成し、どんな状態になったら営業に渡すかというシナリオを作成します。これには、専門的なノウハウが求められますので、初めて取り組む場合には、デジタルマーケティングの専門家によるアドバイスを受けた方がよいでしょう。
 コンテンツやシナリオは、アクセス分析や営業にバトンタッチした後の成約率などを元に、常に見直しを行なっていく必要があります。定量的な評価に基づいて、素早く改善を進めていける点も、デジタルマーケティングの特徴のひとつです。より精度の高いマーケティングには、営業部門からのフィードバックや、社内の顧客リストの活用も欠かせません。
 自社製品のマーケティングにおいて、どんなコンテンツやシナリオが最適かは、企業によって異なります。自社に最適なデジタルマーケティングの手法を確立できれば、これからのBtoB企業にとって大きな強みになるでしょう。

   

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BtoBにおけるWeb活用の変化

BtoB企業においても、単なる情報提供のためのWeb活用から、戦略的なデジタルマーケティング活用へと変化してきている。
■BtoBにおけるWeb活用の変化
出典:NRIネットコム株式会社

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