メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2004年 2月号(No.91)
  • 株式会社マキヤ
  • データウェアハウスサーバ「DIAPRISM」導入事例
  • DWHにより商品計画を精度アップ
    1品で数%の粗利改善、現場意識にも変化

ホームセンターの株式会社マキヤでは、2002年10月に、三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社(MDIT)のデータウェアハウスサーバ「DIAPRISM(ダイアプリズム)」を利用した「販売戦略システム」を導入。精度の高い商品計画の立案を目指して運用をスタートしました。導入初期の試験運用段階では、毎週20品目について商品計画を試行した結果、各々数%の粗利改善を達成。これにより、数値上だけでなく現場に大きな意識変革を起こしました。

画像:『ESPOT』店舗外観画像:店内イメージ

主力業態の『ESPOT』は、HC商品に加えて食品なども販売するスーパーセンタータイプの新業態。 他に、HCの『マキヤ』、家電量販の『ヤベデンキ』などを展開。POSデータはMDになくてはならない武器に(写真右)

人物写真

ノンフード商品部
部長 
桑原 学

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経営管理部
EDPデプトマネージャー 
近藤 利昭

「ESPOT」のモダンな家具売場と食品売場

 静岡県を地盤に、ホームセンター(HC)や家電量販など専門店(SS)の展開を手がけるマキヤでは、今年10月から、データウェアハウス(DWH)の運用を強化拡充しています。同社ではその応用範囲を従来から行っていた売上データの分析に加えて、在庫管理(理論在庫)にまで広げ、さらに、バイヤーや店長など現場スタッフが直接DWHによる分析を行えるようにしました。試験導入から1年が経過し、商品部を中心に行っていたDWH活用が順調に成果をあげていることから、本格的な運用に踏み切りました。
 マキヤがDWHを導入したのは2002年10月。中長期的な計画として、「情報システムの有効活用による在庫効率の追求、きめ細かい品揃え、タイムリーな季節品の展開」をかかげており、その一貫としての導入でした。経営管理部 EDPデプトマネージャーの近藤利昭氏は「従来から、マーチャンダイジング(MD)に使えるデータがほしいという要望が現場からあがっていたこともあり、導入に踏み切りました」とその経緯を語ります。またシステムは、費用対効果などでもっとも優れたMDITのデータウェアハウスサーバ「DIAPRISM」を採用した流通業向け「販売戦略システム」に決定しました。

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時間があるときだけの
商品計画が毎週アップ

 「販売戦略システム」は、毎日上がってくるPOSデータを自動更新し、大分類、中分類、小分類ごと、あるいは店舗ごとなどに分類し、それぞれ売上げ、仕入れ、粗利などの詳細な分析データを簡単操作で閲覧できます。たとえば、大分類での昨日の売上げを全店ベースあるいは地域別、店舗別というようにドリルダウン手法によって、見たい情報を次々に掘り下げていくことができます。データを手作業でよりわける手間がいらず、異なる指定によるクロス集計を多角的に閲覧できる仕組みとなっています。
 このシステムの導入による最大の目的は「商品計画の精度アップ」でした。ノンフード商品部部長の桑原学氏は「すでにあるPOSデータを手間と時間を惜しまず、手作業で集計していけば詳細なデータを得られることは確かですが、そんな時間はありません。古いデータを使って商品計画をたて、現状とのズレは現場で方向修正するしかありませんでした」と当時を語ります。
 従来は、時間があるときにだけパートなどを総動員してデータを手作業で集計していました。データは常に古く、また、作業の都合から中分類までの集計結果しか得られず、精度の高い商品計画を立案するにはあまりにも情報不足でした。
 分析システムを導入した現在では、日曜日までのPOSデータを月曜日に閲覧し、商品計画を立案して火・水曜日に商談、商品補充、移動などを行い、その計画の是非が日曜日にはPOSデータの集計結果として上がってきます。1週間単位で商品計画とその効果の検証を繰り返すサイクルが定着してきました。

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試験運用段階で
大きな粗利改善効果

 導入当初、新しいシステムに慣れるためにバイヤーと店長各3名を選抜し、本部スタッフを合わせた計10名でプロジェクトチームを結成。毎月2回招集し、商品計画の立案とその効果の検証をどのように進めていくかの議論を重ねました。
 プロジェクトの検討結果をもとに、2003年4月からは全店ベースで試験運用をスタート。HCのバイヤー20人に対して、各自が1品ずつ「重点商品」を決め、販売目標を立て、店に売り方を指示し、それぞれを競い合わせるようにしました。
 2週間単位で「重点商品」を変え、分析データをもとにした商品計画の立案とその効果検証のプロセスを繰り返した結果、徐々に効果が現れました。当時は、単品ベースでの集計結果が出なかったため大分類で効果検証をしていましたが、それでも、たった1品について売り方を変えただけで、大分類全体で数%の粗利改善を達成することができました。
 桑原氏は「精度の高い商品計画の必要性を説明しても、現場はなかなか信用してくれません。商品が品切れになってチャンスロスが発生している可能性を指摘しても、うろ覚えの感覚をもとに『昨年はそんなことはなかった』という反応でした。それが、データとしてはっきり出てくることで、説得力を持てます」と話します。
 経験に頼りデータを見るクセのなかった現場が、目に見えて変わってきました。最近は本部から毎週月曜日に送られてくる分析データに一喜一憂するようになってきました。

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現場の士気に変化が現れた

 具体的な成果としては、これまでPOSデータの分析に3〜4時間かかっていた作業が5分もかからずにできるようになり、大幅な人件費の削減になりました。また、商品計画の精度アップによって、ロス管理が徹底され、粗利改善の効果が見込まれます。具体的な数値は明らかではありませんが、昨年の年末に行った試算では、季節限定商品である正月のしめ飾りやクリスマス商品などのロス管理をしただけで1店舗当たり300万円〜400万円程度のチャンスロス防止になっている計算です。
 しかし、そうした数値上に現れる効果よりも、大きいのはむしろ現場の意識改革だと桑原氏は言います。
 従来は、一生懸命に売り方を考えて、商品計画をたてても、それが実際に売れているのかどうなのかわからず、モチベーションが持続しませんでした。ところがいまでは、努力の結果が毎週、正確なデータによって示されることで「自分たちの努力次第でこんなに違うのか」と現場の士気があがってきます。それが狙いでした。
 毎月2回開催している店長会議では、各店の店長がそれぞれの販売計画の成果を発表。桑原氏は「それぞれの店長が『商品の積み方をこのように変えたらこれだけ売れました』というように、具体的なデータを踏まえた発表を行うと、それを聞いている他の店長も『うちでもやってみよう』となります。        これがあいまいだと、発表する店長も自信がないし、聞いている他の店長も、自店でやってみようという決断ができないんです」と語ります。
 それまでは、仕入れにしても資材にしても本部からの指示通り機械的に処理していたのが、店長ら現場スタッフが自分たちの考えを入れて発注を出してくるように意識も変わっていると言います。
 マキヤでは、今後はさらに当面の目標である在庫管理の徹底にまで応用し、さらに、商品計画の立案だけでなく、店舗での販売計画にも役立てていく予定です。

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説明図

DWH構成イメージ

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