メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2004年 7月号(No.96)
  • 渦潮電機株式会社
  • 製造業向けERP構築テンプレート「MELEBUS」導入事例
  • 世界で信頼される船舶電装企業へ
    SAP® R/3® によるIT基盤を確立

船舶電装を中心に陸上のコージェネシステム、プラントシステム、受配電システムも扱う渦潮電機株式会社。船舶電装ビジネスでは国内最大規模であるとともに、世界でも有数の企業です。渦潮電機では、国内・海外の事業展開において、将来、より競争力を高めるために、業務改革の実現とITインフラの確立が不可欠だと考えました。その解決策として、2002年11月、SAP® R/3® によるERP導入プロジェクトをスタート、2004年4月に本稼働を迎えました。
渦潮電機では、SAP R/3システムの導入を短期間・低コストで行うため、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)の、製造業向けERP構築テンプレート「MELEBUS」を用いました。本稼働から2カ月、渦潮電機は、各部門の密接な協力体制のもと、リアルタイム経営への一歩を踏み出すとともに、グローバル経営への端緒が切り開かれました。

画像:渦潮電機本社とうずしお丸

人物写真

代表取締役
副社長
小田 雅人

人物写真

経営本部 人事総務部
総務課 課長
溝口 良明

人物写真

経営本部 財務部
システム企画課 課長
阿部 幸弘

国内・海外で高いシェアをもつ
船舶電装のトップ企業として

 船舶電装ビジネスは、きめ細かなノウハウを要する事業です。船舶電装には、「船級」という規格に応じた仕様・品質が必要とされ、その基準も国ごとに異なります。設備工事を受注するには、各国の船級協会に認定されることが求められ、容易に参入できるわけではありません。
 渦潮電機は、船舶電装製品(舶用機器)の製造において、国内で40%、世界で15%の大きなシェアを有している先駆的な企業です。近年では欧州の大手メーカーと肩を並べ、欧州や中国をはじめとするアジア地域など、世界中に販路を拡げています。
 また工場などで用いられる受配電設備に関しても、先進的な技術を誇っており、海洋と陸上の二つの分野で、長引く不況の中でも好調な業績を維持しています。
 企業スローガンである「光律探求企業」は、電気の本質である光の真理を探究し、社会に貢献するという経営理念を表しています。また渦潮電機グループの技術・製品・サービスを総称するコーポレートブランドとして「BEMAC(ビーマック)」を提唱し、すでに世界中で高い認知度を誇っています。
 このように、世界中の船主より大きな信頼を集めている渦潮電機にあっても、より競争力を高めるために、揺るぎない経営基盤の確立と、経営体質の強化が不可欠でした。そこで注目したのがSAP R/3による全社的な情報システムの統合化でした。

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ERP構築テンプレート
「MELEBUS」を採用

コミュニケーションセンタと製品展示風景

 渦潮電機では、90年代より三菱のオフコンによる各部門の業務効率化に取り組んできました。今回のSAP R/3導入では、業務の統廃合により効率化・生産性の向上を図り、これまでのような部門ごとの情報システム化の流れを全社的に一本化、つまり部門最適から全体最適を行うとともに、リアルタイムな情報共有(管理)を実現することで「経営基盤の確立」「経営体質の強化」を図る。この2点を目的としました。
 SAP R/3システム導入前の課題について、代表取締役副社長の小田雅人氏は、「当社の海洋事業における船舶電装分野については、約3年先までの需要が予測できるという特徴があります。しかし従来の情報システムでは、そのメリットを活かし、先手を打つ経営判断を行うための現状把握が十分にできませんでした。また、製造や出荷をいかに迅速化できるか、財務諸表をいかに早期に作成できるかなど、多くの課題がありました」と語ります。
 SAP R/3導入プロジェクトは、2002年の11月にスタートしました。短期間かつ低コストでの導入を実現するため、MDISの製造業向けERP構築テンプレート「MELEBUS」を活用しました。
 プロジェクトチームは全部門から集められた30名以上の若手中心の担当者で構成され、基本的なシステム設計方針として、全社的なビジョンのもと、各部門で業務構想を行いました。3〜4年前から各部門で取り組んできた、コスト削減活動における業務分析が、ここで大いに役立ちました。
 業務構想の後、実際のシステム開発に要した期間は9カ月。約5カ月の本番移行作業の後、2004年4月に本稼働を迎えました。

説明図画像:サーバー機器ラック

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標準機能の活用により
各業務の効率化を追求

 渦潮電機のSAP R/3システムは、財務会計、管理会計、販売・受注管理、生産計画、在庫・購買管理、プロジェクト管理と、主な基幹業務を包括する各モジュールから構成されています。「MELEBUS」テンプレートの標準機能により、社内各業務の合理化とコストダウンを目指しています。
 また周辺システムとのインタフェースを豊富に用意し、幅広い業務を統合して効率化できるよう工夫されています。インタフェースが用意された周辺システムは、プロジェクト情報登録システム、注文書FAX送信システム、自動倉庫システムのほか、勤怠管理、人事・給与、財務などの各システムです。
 機能や帳票のアドオンは極力少なくし、導入コストの低減と導入期間の短縮化を追求するとともに、業務の標準化により部門間の情報連携をスムーズにし、迅速かつ効率的な経営に貢献できるシステムです。

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目標管理や業績管理の
システム化を実現

 システム本稼働から約2カ月経過したいま、業務面や管理・経営面から、さまざまな導入効果が芽生えつつあります。
 業務面では、各部門において業務分析を徹底した成果として、情報連携が密接になったことが挙げられます。従来は共通業務においても、部門ごとに独自の用語や基準・指数が存在し、業務連携がスムーズにいかないことがありました。今回、業務を標準化したことにより、効率的な部門間連携が可能になりました。
 管理・経営面では、全社および事業別の予算、原価、利益、業績など、目標管理や業績管理のシステム化を実現できました。業績目標や受注計画が達成されているかどうか、経費予算通りに収まっているかどうか、リアルタイムに現状を把握することができ、迅速な意思決定に役立てることが可能です。
 さらに業績管理指標やモニタリング指標などに基づく経営分析も行えるようになり、経営体質の強化に貢献しつつあります。
 システム作りに対する社員の積極的な姿勢について、小田副社長は、「現場の若手中心の担当者がプロジェクトチームに参加し、自分たちで考えて作ったERPシステムです。渦潮電機の将来に必ず貢献できるものと考えています」と、自信を込めて話します。

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ERPシステム導入の意義を
広く社員に

高いシェアを誇る船舶電装製品

船舶電装部品

 さまざまな導入効果が芽生えつつあると言っても、渦潮電機の情報システム統合化への試みは、まだ端緒が開かれたところです。
 現在、各部門の多くの社員において、新システムに慣れ、使いこなすことが最も重要な課題となっています。
 自他とも認める船舶電装業界のリーダー企業である渦潮電機にとって、従来、業務の効率化や迅速な意思決定が、切迫して求められる環境にはなかったと言えるでしょう。しかし今後、欧州の大手メーカーとの競争に打ち勝つためには、ハイテク業界と同様の先進的なITインフラ基盤の構築による、リアルタイム経営が求められているのです。
 経営本部 人事総務部 総務課課長の溝口良明氏は、「本稼働を迎えてから、各部門でとまどいがあったのは事実です。従来の仕事の進め方とは大きく異なる部分もありますから。しかしこれは当初の予測の範囲内とも言えます。現場における諸問題は、今後半年か一年のうちに、すべて解決していきます」と、笑顔で決意を語ります。
 また、渦潮電機のSAP R/3システムは、プロジェクトのすべての段階で順調に進んだわけではありません。構想段階での苦労も多かったようです。
 経営本部 財務部 システム企画課課長の阿部幸弘氏は、「各部門からの要望を調整するのは大変でした。従来存在した帳票が、新システムでは作成できない場合もあるわけです。旧システムや旧システムに基づいた業務にこだわっている社員に対して、新しいERPシステムの意義を説得することも必要でした」と、当時の苦労を振り返ります。
 渦潮電機の従来の情報システムは、現場の要望に即して開発されたものでした。しかし新しいSAP R/3システムを効果的に導入するためには、業務の標準化が求められ、現場のすべての社員の理解が欠かせません。

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グローバル市場への
本格的な参入のために

 渦潮電機は、2005年の4月稼働を目指し、ベトナムの首都ハノイ近郊に、初の海外製造拠点となる新工場を建設しています。また2004年の6月には、中国・大連市にソフトウェア設計会社を設立し、今後発展が予想される中国・東南アジアの造船市場に本格的に参入します。
 数年後には、海外との情報の一元管理も、重要なテーマとなるはずです。連結経営システムの導入に関しても、今後取り組むべき時が来るでしょう。
 さらに渦潮電機は、ERPで得られた資産を基盤にSCMを構築し、社内各部門はもとより、サプライヤーやディーラー、お客様を含めた、企業間での情報統合を目指していく考えです。SCMにより、いま一層の在庫削減やリードタイム短縮、ローコスト経営が実現できると期待されます。
 海外の大手企業にも負けない、強固な企業基盤の構築に向けて、渦潮電機のグローバル戦略は、新たなステップを踏み出そうとしています。

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説明図

システム構成

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  • 渦潮電機株式会社様の業務改革におけるERP導入に効果を上げた
  • 三菱SCM/ERPソリューション 
    即効構築テンプレート「MELEBUS」

三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)のERPテンプレート「MELEBUS」は、SAP® R/3® の動作に必要なパラメータを事前設定すると共に、サンプルマスタを用意することで、要件定義やパラメータ設定などのSAP R/3構築の各ステップを短縮することが可能です。SAP R/3システムを短期で導入することにより、仕様確定までの期間短縮や導入コスト抑制、システム機能の早期利用開始などの効果が期待できます。

システム概要

 MELEBUSは、主要な生産方式を実装している製造業向けシステム構築テンプレートです。MELEBUSシリーズには、200以上の業務シナリオを持つMELEBUS-mfg(加工型製造業向け)やSAP BMASU提供の機能を網羅したBMAS(自動車部品サプライヤ向け)、保守サービス業特有のシナリオに対応したField Service(保守サービス業向け)のテンプレートに加え、acct(会計業務向け)とMill Products(素材型製造業向け)などを揃えています。これらのテンプレートを活用することにより、短期間で高品質なSAP R/3システム構築が実現できます。

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主な特長

1.主要な6つの生産方式に対応
 MELEBUSシリーズの中核製品となるのが、加工型製造業向けの「MELEBUS-mfg」です。mfgの大きな特長のひとつは、製造業のあらゆる生産方式に対応しており、繰返生産や見込生産、半見込生産、受注生産など、合計6つの生産方式をサポートしています。

2.SCM、SRM、PLMへの拡張性
 SCMやSRM、PLMなど幅広い領域をカバーしていることもMELEBUSの特長です。基幹系から情報系まで、企業情報システムの統合を容易に実現することができ、mySAP Business Suiteの提供するソリューションのほとんどを、テンプレートがカバーしています(図参照)。たとえば、計画系のSAP® APOに対応することで需要計画や需給連鎖計画などが可能になり、複数の拠点や会社にまたがる計画立案を含むサプライチェーンの最適化を図ることができます。

3.導入方法論とドキュメントの提供
 製造業分野における数多くの導入経験に基づいた開発方法論とMELEBUSの持つ業務シナリオを体系的に整備したビジュアルなドキュメントにより、お客様のSAP R/3システム構築にかかる時間やコストを大幅に削減します。

4.豊富な導入実績と継続的なバージョンアップ
 1998年からSAP R/3に対応したテンプレートをベースに構築実績を積み重ねてきました。すでに40社以上のSAP R/3導入を手がけており、その約半数がテンプレートベースでの構築です。こうした経験はテンプレートそのものにフィードバックしており、毎年のようにバージョンアップを繰り返し、「MELEBUS」の名称でシリーズ化しています。

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「MELEBUS」シリーズ

「MELEBUS」シリーズ

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