メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2004年 8月号(No.97)
  • 三菱地所株式会社
  • スケジュール共有ソリューション「ProWebRabbit」導入事例
  • 全社員のスケジュール共有を実現し
    プロジェクト運営の効率をアップ

丸ビルのリニューアルで、一躍話題となった丸の内エリア。三菱地所株式会社は、その丸の内再開発をはじめ、国内のビル事業、住宅開発事業、設計監理事業、資産開発事業などデベロップメントを核に、近年は不動産の証券化などノンアセットビジネスも手がけています。また、現在の厳しい事業環境において自社の競争優位を確保するため、業務のIT化も積極的に展開、「情報力」「創造力」「行動力」をキーワードとした、さまざまな改革を行っています。その一環として、同社では今回三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)のスケジュール共有ソリューション「ProWebRabbit」を導入。社員のスケジュールが可視化され、組織を横断するような大規模プロジェクトも、より機動的な運営が可能となりました。

画像:『丸の内オアゾ(OAZO)』

「2004年9月14日、JR東京駅丸の内北口前にグランドオープンする『丸の内オアゾ(OAZO)』」

人物写真

企画管理本部
経営企画部 主事
中野 修司

人物写真

メック情報開発株式会社
システム運用部
井本 大輔

組織の再編が進むなか
業務効率の向上を図る

 三菱地所は、大手町・丸の内・有楽町エリアに31棟のビルを所有するほか、不動産の全般にわたって事業を行っています。また、設計監理を専門に行う株式会社三菱地所設計、“三菱ホーム”ブランドで知られる三菱地所ホーム株式会社をはじめ、海外ではロックフェラーグループ社を傘下に持つなど、同社を中心とするグループは国内約60社、海外約80社で構成される一大グループへと発展してきました。
 三菱地所では、同社の事業環境上、早くから社内の情報共有の重要性に着目し、MDISのビジネススケジューラ「R1 for Windows」を、部署ごとのスケジュール管理システムとして導入するなど、その利用環境を整えてきました。
 この「R1 for Windows」は簡易な操作性が好評で、スケジュール管理のシステムとしては一定の評価を得ていました。しかし、「R1 for Windows」を各部署のサーバにインストールしたことから、全社的なスケジュール共有への対応は難しく、さらなる業務効率の向上をはかるために、新たなソリューションが求められていました。
 企画管理本部 経営企画部 主事の中野修司氏はその背景を次のように語ります。
「近年、当社は、より機動的な業務展開を目指して、分社化を含めた組織再編を進めてきました。その結果、三菱地所とグループ企業をまたいで複数の部署を兼務する社員が増えてくるなど、部署ごとのスケジュール管理では業務効率の向上が期待できなくなっていました。また、平成15年4月には、モバイル環境から社内ネットへのアクセスが可能になったことで、スケジューラにもWeb連携の必要性が出てきたことなどが、リプレースの大きな契機になりました」

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全社員のスケジュール
を一元管理

 特にビル事業本部のように組織も扱う案件も大きいセクションでは、ひとつのプロジェクトに対して、さまざまな部署の人間が関連してくるので、スケジュール調整だけで一仕事でした。これらの課題を解決するために、三菱地所では新たなソリューションの導入を検討。その結果、最終的に選ばれたのがMDISのスケジュール共有ソリューション「ProWebRabbit」でした。
 中野氏は「ProWebRabbit」について「まず全社員のスケジュールを一元管理できる性能と信頼性があること。また、インターネットブラウザ上で稼働するWebシステムのため、外出先でもスケジュール共有が可能になる点や、『R1 for Windows』と操作方法に大きな違いがないこと、さらに『R1 for Windows』データの移行が可能であることなども、選定の決め手になりました」と評価します。
 本来「ProWebRabbit」はグループウェア製品で、マウスによる簡単な操作性とコストパフォーマンスの高さが特長です。また企業業務の最適化に向けたカスタマイズも可能で、大規模な組織にも柔軟に対応できるなど、さまざまな点で三菱地所のニーズを十分に満たすシステムとなっています。さらに、人事異動時の更新作業、データのバックアップなどの運用管理をシステムサイドが一括で行うため、各部署の負荷軽減にもつながり、同時にシステムを安定的に運用することも可能になりました。

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スムーズな情報共有で
業務効率がアップ

 導入の効果について中野氏は「導入後は複数の部署をまたいでスケジュール共有が可能になり、誰が何を行っているのか、ひと目で把握できるようになりました。いまでは『ProWebRabbit』が仕事で欠かせなくなっているほど、社員の間にも浸透しています」とメリットを語ります。
 システムの導入と運用を担当するメック情報開発株式会社システム運用部の井本大輔氏は「三菱地所の『ProWebRabbit』は、現在Webサーバ4台、データベースサーバ1台で構成されています。万一どちらかのサーバに障害が発生しても、残りのサーバが稼働するので安心してお使いいただけます」と、その安定性の高さを強調します。
 中野氏はシステムを活かす企業文化にも触れて「担当役員のスケジュールも可視化しているので、忙しい役員との打ち合わせもスムーズに調整することができます。また、当社では『ProWebRabbit』を利用して上司のスケジュールを押さえるということにも心理的な抵抗はありません。それは、スケジュールを共有することが、時間を有効利用する確実な手段という共通認識ができているからです。システムの有効性を高めるためには、ベースにそれを活かす企業文化も大切です。その前提がなければ、スケジューラを導入してもうまく使いこなすことは難しかったでしょう」と語ります。

画像:サーバルームとスケジューラシステムサーバ群

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固有の課題には
カスタマイズで対応

 導入当初は動作に時間がかかるという課題がありましたが、その点について中野氏は「『R1 for Windows』はクライアントサーバ型の仕組みでしたから、レスポンスは良好でした。その点『ProWebRabbit』はWebの仕組みなので、比べるとどうしても遅く感じられてしまったようです。しかし、その後、プログラムのチューニングと製品自体のマイナーバージョンアップをして解消されました。今は十分な速度が出ていると思います」と現状を満足そうに語ります。また、役職や部門ごとのアクセス権の設定については社内で十分な検討がなされており、標準機能で不足する部分はカスタマイズで対応しています。
 スケジュールを入れるとメールで自動通知する機能も、三菱地所独自の機能として追加されたもの。もともと「ProWebRabbit」にはスケジュールが更新されると画面がポップアップして通知するメッセンジャー機能が標準装備されていましたが、ユーザ各自での設定が不要な仕組みを希望されたため、メールを利用する方法にカスタマイズ。誰かがスケジュールを入れると、それに関係する人全員に、件名・打ち合わせをセットした人・日時場所がメールで通知されるようになり、スケジュールの共有がより確実になりました。

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いきいきとした
街づくりを目指して

 現在の不動産事業は、所有から利用へと、大きくシフトし、不動産と金融の境目がなくなってきています。また、変化の激しい時代に、プランニングコンセプトとマーケットのニーズを合致させるためには、できる限り意思決定のスピードを上げていくことが重要になっています。
 そうしたなかで三菱地所は、文化を意識しながら街をコーディネートしていくというプロデューサーの役割を強めています。今年9月6日には丸ビルがオープンから2周年を迎え、続く9月14日には、丸の内1丁目1街区にて共同開発中の「丸の内オアゾ(OAZO)」がグランドオープン。さらに、2008年からは丸の内再構築の第二ステージにも着手する予定です。今後も三菱地所は、各部署が一体化したプロジェクト運営を進めるなかで、新しい情報・価値・文化を創造し、発信する活発な街づくりを目指していきます。

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説明図

「ProWebRabbit」スケジューラ・システム構成

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