メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2005年 12月号(No.112)
  • プラス株式会社
  • FAXOCRシステム「MELFOS」/CTIサーバ「DIACALL」導入事例
  • FAXOCRで受注データをすばやく入力
    CTIとの有機的な連携で作業効率が大きく向上

オフィスを見渡すだけで、必ず一つは見つかるのが「PLUS」のロゴが入った製品です。文房具・オフィス家具メーカーの商標であり、オフィス環境のトータルサプライヤーであるプラス株式会社は、オフィス用品のデリバリーサービス「アスクル」で、わが国における通販ビジネスの一大モデルを築いたパイオニアです。このアスクルで培ったノウハウを活かして、その後文教市場向けの“翌日お届け”ビジネス「SKLEX(スクレックス)」を新たに展開。その大動脈である受注システムに、2004年9月から三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)のFAXOCRシステム「MELFOS(メルフォス)」とCTI サーバ「DIACALL(ダイアコール)」を導入して、受注〜発送のワークフローを効率化しています。

FAXOCR:FAX Optical Character Reader
CTI:Computer Telephony Integration

画像:「SKLEXカタログ」

学校、幼稚園で必要な用品・消耗品が1万2,000点掲載されている「SKLEXカタログ」最新版。スタンダード版(左)と幼稚園、保育園向け(右)の2種類ある

人物写真

教育環境事業本部
事業推進部 CS課 課長
三谷弘之

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教育環境事業本部 事業推進部
CS課 OP担当マネージャー
加藤万里子

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教育環境事業本部 事業推進部
谷島 力

アスクルのノウハウを文教市場に振り向け、
新たなビジネス分野を開拓

 1993年3月にプラス株式会社の一事業としてスタートしたアスクルは、ユーザが望むオフィス用品を翌日にお届けすることで、流通革命を起こしました。その後、アスクルは分社独立しましたが、プラスでは、それまでに培ったアスクルでのノウハウとビジネスモデルを、学校向け教材にも応用していこうと考えました。それが学校、幼稚園で必要な用品・消耗品を早く・安く・便利に提供し、教職員の方々を徹底支援するデリバリーサービス、「SKLEX(スクレックス)」です。
 SKLEXの販売活動の中心となるのは、カタログです。1万2,000点に及ぶ商品を網羅した「SKLEXカタログ」は毎年1回、8月末に新版が発行され、学校の先生方はこのカタログから必要なものを選び出します。この注文方法でもっとも大きな割合を占めているのが、FAXによる注文です。
 この注文の伸びに伴い、併せて増大する受注オペレータや物流スタッフのコストをどう抑えていくかが、ここ数年来の課題となっていました。検討の結果、SKLEXの売り上げが20億円を超えた時点で、FAXOCRシステムの導入が決定されました。

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高い認識率とオペレーションに合致したことにより
「MELFOS」を採用

 FAXOCRの導入にあたって着目したポイントは、読み取り精度です。翌日配達の基本を守るには、注文から商品発送まで1秒のロスも許されません。その意味でも受注情報を高速かつ高精度に読み取ることができるシステムが求められていました。プラスでは各社のFAXOCR製品を入念に検討した結果、最も高い認識率のMDISのFAXOCRシステム「MELFOS」の導入を決定しました。
 「読み取り精度もさることながら、『MELFOS』は当社のオペレーションに合っていたことも大きかったといえます。SKLEXの受注FAXでは、お客様が注記で書いてこられる文字情報がとても多いのです。その点、「MELFOS」では元のFAX画面と入力画面を並べて見られるので、入力イメージが一目で把握できる利点がありますし、操作性がとても優れています。また、カスタマイズも容易です」と教育環境事業本部 事業推進部CS課課長三谷弘之氏は語ります。
 システムの構築にあたっては、「現場が使いやすいこと」というコンセプトにこだわりました。そのために、2004年6月のシステム導入から本稼働開始の 9月まで、基本ルールを固めたうえで、あとは現場のオペレータ参加で問題点を検討しながら細かいルールを詰めていきました。このおかげで、本稼働への移行は、非常にスムーズにいきました。
 この導入プロセスは、後々大きなメリットをもたらしました。まず、ルール策定に現場参加で時間をかけたため、メンバー全員がルールを熟知しています。この結果、病気などで欠員が出た場合でも、少ない人数でリカバリが可能になりました。また、他の人の業務と自分のつながりが理解できているので、フレキシブルに仕事が進められ、しかも作業効率が大きく向上しました。

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「MELFOS」と「DIACALL」の
連携による相乗効果で、さらに効率化

画像:作業風景

FAXOCR「MELFOS」とCTIサーバ「DIACALL」が有機的に連携して、効率アップの相乗効果を生んでいる

 稼働から2年目を迎えた現在、三谷氏は導入効果を次のように語ります。
 「やはりFAXOCRで受注FAXを迅速に処理することで、出荷をさらに早められることにつきます。2年目に入ったばかりですが、ずいぶん前からこのシステムを使っていたようになじんでいます。このシステムでは、紙とデータのそれぞれ“いいとこどり”をしています。例えば、受注したオーダーのFAXは画像データとして3ヵ月間保存されますが、注文時に商品の改番・廃番などがあれば、付箋紙のようにデータ画像を貼り付ける、まるで紙でのような利用をしています。こうすれば視覚的に目立ちますし、商品の変更理由がオーダーシートに残るため、生産中止で商品変更したのか、たまたま品切れだったのか、後で他の担当が見ても一目瞭然です。データとしての優れた点は検索が高速かつ容易になったことです」
 さらに、このシステムではFAXOCR「MELFOS」とCTIサーバ「DIACALL」が連携して機能するという特長があります。FAXOCRでの受注とそれに付随する電話での問い合わせ応対という2つの作業フローが有機的に連携して、効率アップの相乗効果を生んでいます。教育環境事業本部事業推進部 CS課 OP担当マネージャーの加藤万里子氏は次のように語ります。
 「お客様からは、『FAXは届いてますか』『送信控えをなくしてしまったのだが、何を注文したのか教えて』『誰が何を注文したのか』といったお問い合せが非常に多いのです。システム導入以前は、このような電話のたびにFAX出力紙のある部署まで探しに行かなくてはなりませんでした。それが今では電話が来ると、CTI機能により電話番号から注文FAXを特定し、入力データが画面上に呼び出されるので、即答できるばかりか部署間の移動や紙束をめくる手間がなくなり、時間を有効に使えるようになりました」
 また、教育環境事業本部 事業推進部の谷島力氏も、「紙をまったく出力せずに完結できるので、環境面においても優れています。以前は1日で約2,000枚の出力紙を使っていましたので、書類の検索や整理、保管が大変でした」と現場の省力化、省コスト化を実感しています。
 将来的には、現在1種類のみのFAXオーダーシートをユーザに応じて種類を増やすことも構想にあるそうです。
 「今後はさらに教材系の商品も増やすとともに、ユーザの使い勝手をさらに見直し、学校用品ならSKLEXがデファクトスタンダードと言われるようになりたいです。そして、今まで以上にユーザ、ディーラー、メーカーがメリットを享受できるWIN-WINの関係を築いていきたいと思います」と三谷氏は意気込みを語ります。
 SKLEXは、これからも文教ビジネスに新風を吹き込んでいくことでしょう。

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説明図

システム構成図

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