メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2007年 11月号(No.131)
  • 株式会社イーアールシー
  • 現場指向型生産管理システム「Factory-ONE 電脳工場」導入事例
  • 業務プロセスの「見える化」をキーワードに
    調達から製造、出荷に至るバリューチェーンを構築

「脱気装置」や「示差屈折計」などの精密分析機器において、世界トップシェアを誇る株式会社イーアールシー(ERC)は、将来の株式公開を目指して、上場基準の原価管理と生産プロセスを実現するために生産管理システムの刷新を図りました。その基盤として同社は、株式会社三菱電機ビジネスシステム(MB)が販売・サポートする現場指向型生産管理システム「Factory-ONE 電脳工場」を導入。生産管理パッケージをベースとして、受注から生産計画、発注、受入、生産、出荷、原価計算に至る業務プロセスの適正化を図ることにより、これまでの課題を浮き彫りにし、各部門が協力して解決することで、短期間で上場基準の生産管理システムの構築と活用に向けて取り組んでいます。

画像:脱気装置デガッサー「Series-300」

液体中の溶存気体を分離する脱気装置デガッサー「Series-300」

人物写真

今回のプロジェクトメンバー。後列左より砂本 氏、平田 氏、新保 氏、姫野 氏。前列左より、田中 氏、佐藤

株式上場に向けて
生産管理システムを全面刷新

 株式会社イーアールシー(ERC)は、液体に溶存している気体を分離する「脱気装置」や、液体の濃度を精密測定する「示差屈折計」などの精密分析機器において、世界のトップシェア(分析用脱気装置65%、示差屈折計50%)を誇る企業です。液体中の溶存気体を分離することで発泡防止、金属腐食の抑制、化学物質の酸化分解抑制などの様々な用途に大きな効果をあげています。
 また、脱気装置「DEGASSER(デガッサー®)」は液体の化学分析にも用いられます。ノーベル賞を受賞した小柴昌俊博士の「カミオカンデ」プロジェクトでも採用された実績があり、その技術力は高く評価されています。
 「当社は設立以来、『気液分離膜』とその応用機器の研究開発によって成長してきました。株式の上場に向けた取り組みのなかで、経営基盤をより強固なものにするには、受注から生産計画、発注、受入、生産、出荷に至る各プロセスの最適化を図るとともに原価管理の透明性を高める、新たな生産管理システムの導入が不可欠でした」と取締役として製造・生産管理・資材・購買を担当する砂本氏は語ります。

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使いやすさ、柔軟性の高さと
現場も納得の「適用設計」

 ERCでは、具体的な生産管理のパッケージ・ソリューションの比較検討を開始。対象となった約75社ものソリューションについて、導入コスト、原価計算の機能、外貨対応などのカスタマイズ性、画面の使いやすさなどを詳細に検討しました。生産管理部担当部長の田中氏は、「パッケージとしての機能だけにとどまらず、システムインテグレータの対応力を含めて検討しました。そのなかでも、各機能の画面操作の使いやすさと、我々が必要とするきめ細かな原価管理に対する柔軟性の高さ、そして会計業務ノウハウを熟知しているMBの熱意あるSE対応力を評価し、同社が提案した『電脳工場』の導入を決定しました」と語ります。
 特に運用設計もふまえたパッケージの「適用設計」を高く評価したと田中氏はいいます。
 「適用設計に精通したMBのSEとともに、現場のヒアリング等を通じて、現場の業務内容とあるべき姿のギャップを入念に分析しました。そのうえで、運用イメージを共有化しながら各現場との綿密な打合せを展開。その結果、最適な詳細業務フローを構築できました。この適用設計のアプローチと成果物が業務プロセスを『見える化』し、スムーズな稼働につながった原動力といえます」

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データ活用の仕組みを駆使して
原価計算の透明性を実現

 ERCが経営基盤の強化に取り組むなかで、生産管理システムで特に重視したのが、原価管理の透明性です。その実現において、「電脳工場」の情報公開性の高さがポイントになりました。データベース構造等のシステム仕様がユーザのリクエストに応じて情報開示されるため、パッケージ機能以外にもユーザ側で必要とする原価計算や各種データ分析を容易かつ柔軟に行うことができます。
 また、海外との取引が多い同社にとって外貨対応、為替レート変動への対応も不可欠でした。
 管理部の新保氏は、「MBはパッケージのカスタマイズに関する豊富なノウハウと『電脳工場』の開発元との一体になった連携によるきめ細かなサポート対応によって、柔軟な外貨対応を実現することができました。その結果、為替レート変動への対応も含めて大変便利になりました」と語ります。
 さらに、生産管理部の平田氏は、「資材発注のプロセスにおいても、発注点管理に必要な情報を担当者が的確に確認できる仕組みをカスタマイズしたことで、部品在庫の圧縮が早期に実現できる期待を持っています」と語ります。

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電脳工場の実績データを活用し
さらなる生産性向上を推進

 新しい業務プロセスの効果を慎重に評価するため、約4ヵ月間の並行稼働を行い2007年4月から「電脳工場」が全面的に稼働しています。プロジェクトは当初の目的を達し、今後はさらに付加価値を高めていく目標に向けて活動を進めています。その内容について、生産管理部の姫野氏は、次のように語ります。
 「『電脳工場』の導入にあたって、これまでは原価管理の透明性を高めつつ、基幹機能を軌道に乗せる開発・導入に取り組んできました。原価管理の精度向上を機軸とした当初の目的は達成され、これからは、より生産現場に近い手配と、調達リードタイムの短縮に取り組んでいきます。『電脳工場』は資材調達の分析に必要な実績データもEUC(End User Computing)機能で簡単に取り出すことができ、それらを活用することで基準情報の精度をさらに上げていきたいと思います」
 生産管理部の佐藤氏は、「今までは受発注にせよ、生産投入にせよ、業務の多くは熟練した担当者が経験によって身に付けてきたノウハウに依存している面がありました。これらをすべて『見える化』して、熟練者のノウハウや技能の継承としてシステムに組み込んでいくことで、常に高いレベルで業務を標準化することができるようになります」と語ります。
 ERCでは「電脳工場」を導入することで、業務プロセスの「見える化」を実現する基盤が確立できました。今後の取り組みについて砂本氏は、次のように語ります。
 「旧システムでは、必要十分なMRP(Material Requirements Planning:所要量計算)が行えませんでした。『電脳工場』の導入を機に、部品構成や調達リードタイム等の基準情報マスタを整備したことによって、正確な所要量計算が行えるようになり、より適切な資材や製造での手配が実現できました。今後は、『電脳工場』のデータを活用して、さらなる調達リードタイムの短縮と部品在庫の圧縮を推進していきたいと考えています」
 調達から製造、出荷に至るバリューチェーンを構築したERCは、これからもさらに付加価値の高い技術開発、商品開発へと取り組んでいきます。

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説明図

電脳工場 全体システム関連概要図

*DEGASSERは株式会社イーアールシーの登録商標です。
*Factory-ONEは株式会社エクスの登録商標です。
*Factory-ONE 電脳工場の開発元は株式会社エクスです。

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