メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2008年 4月号(No.135)
  • ぺんてる株式会社
  • 三菱ERPソリューション「MELEBUS-mfg」導入事例
  • 業務改革とERP導入の推進で
    全体最適を実現する統合経営基盤を整備

“ぺんてるくれよん”などで知られる文具事務用品販売を中核に、現在はタッチパネルやデジタイザーなどの電子機器、産業用ロボットや精密金型、化粧品部品、医療機器といったOEM製品の製造・販売など、幅広い事業を手がけるぺんてる株式会社。同社は経営改革の一環として、市場の変化への迅速な対応や在庫削減を実現することを目的にERPの導入を決断。業務改革のコンサルティング段階から三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)のワンストップサービスの提供を受け、文具業界では国内で初めて生産から販売、物流まで一貫した統合経営基盤を構築しました。ぺんてるは、業務改革とERP導入を踏まえ、グローバル経営基盤の強化に向けて着実に取り組んでいます。

画像:ぺんてるの筆記具

誰でも使いやすいぺんてるの筆記具。写真上から、「多色ボールペン ローリーC3」、「ノック式蛍光ペン ハンディライン・エス」、「極細ゲルインキボールペン スリッチ」、「サインペン」

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取締役 経理部長
浜田 允孝

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プロジェクトリーダー
(前・情報システム部 副部長)
町田 博司

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情報システム部 副部長
山浦 政彦

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情報システム部 次長
石井 文夫

市場の変化に迅速に対応するため
業務改革とERP導入を決断

 ぺんてるでは、リアルタイムでの在庫状況確認といった小売店からの要請に応えるため、米国のぺんてるオブアメリカやヨーロッパの各拠点で、先行して ERPを導入。国内本社でも、その必要性や重要性に対する認識が高まったことで、2004年に製造・販売・物流に関わる全社横断的なワーキングチームを発足し、業務改革およびERP導入に向けた検討作業に着手しました。
 同社は、ERP導入を経営改革の一環と位置付けたうえで、社長自らの指示のもと、業務改革の推進と既存の基幹系システムの全面刷新という基本方針を定めました。取締役 経理部長の浜田允孝氏は、ERP導入の基本的な考え方ついて、次のように語ります。
 「先行した欧米での取り組みを通じて、経営層の中でERP導入が市場環境の変化への迅速な対応や納品リードタイムの短縮といった顧客サービスの向上に有効な手段だという認識が高まりました。ただし、これらの効果は全社的な導入によって初めて生み出されるもので、例えば経理部門単独の部分最適では実現しません。一方で、既存のメインフレームを中心としたシステムを個別に改良するのは、コストや時間の面で負荷が高すぎます。導入に伴うリスクは高くても、短期間で新システムへ移行し、全社的な効果を創出することが重要だと考えました」
 また、個別業務の効率化という観点からも、ERP導入の必要性は高まっていました。代表的な例が生産業務です。生産業務系のリーダーを務めた情報システム部次長の石井文夫氏は、既存システムで顕在化していた課題について強調します。
 「生産部門では以前から、営業部門に対する納期回答の短縮、月次生産から週次生産への移行が大きな課題となっていました。ところが、従来の生産管理システムでは、こうした対策にも機能面で限界があり、根本的な解決になりません。この状況を打破するには、全体最適の観点で販売部門と生産部門をリアルタイムで連携する統合的な情報基盤が不可欠でした」

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事業や業務に踏み込んだ
的確なITコンサルを重視

 ぺんてるでは、2005年1月に自社の基本方針を明確化し、複数ベンダーに計画フェーズの提案を依頼。当時情報システム部副部長を務めていた町田博司氏は、各ベンダーの提案・コンサルティング対応について次のように語ります。
 「社内での要件定義を通じて、新たな基幹系システムについての要求事項は明確になっており、パートナーの選定にあたっては、ERPの構築力とコンサルタントとしての対応力を重視しました。MDISはITのノウハウだけではなく、当社の事業や業務に関わる専門的な質問に対しても的確な回答を示してくれました」
 また、情報システム部副部長の山浦政彦氏は、MDISの製造業向けSAP ERP導入テンプレートである「MELEBUS-mfg」の豊富な導入実績も評価のポイントになったと話します。
 「SAP ERPのグローバルでの評価に加え、『MELEBUS-mfg』は豊富な業務シナリオを持っており、当社の要件定義をするのに適していると判断しました。また、MDISの提案は、部門最適ではなく全体最適を実現するために、既存の基幹系システムを全面刷新するものでした。情報システム部ではその方針も高く評価しました」
 ぺんてるは、MDISと製造業の業務コンサルティングに実績のあるワクコンサルティング株式会社との緊密な連携による支援のもと、業務改革の推進とこれを確実に実行できるERPの導入に着手しました。

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ERP導入を機に
業務改革による組織改革も実現

 ぺんてるでは、2005年3月から現状調査・分析、業務改革基本構想の立案などに着手しました。具体的には、例えば生産業務では、現状の在庫やリードタイムなどのデータ収集・分析、週次生産への移行に向けた作業の優先順位付けを進めていきました。構築フェーズでは週次生産を前提にした業務プロセスの最適化という観点から、需給管理課と生産管理課を新設しました。
 また、全社横断的な構想として、全社在庫の削減や市場変化に対応できる事業戦略・体制の確立、グローバル経営のインフラ整備などの改革テーマを定め、 2005年6月にはマスタープランを策定。同年10月に社長直轄のERP導入プロジェクト「P-Project」が正式にスタートしました。

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“見える化”による効果を創出し
グローバル経営基盤の強化を目指す

 P-Projectの範囲は、生産、調達、在庫管理、販売、会計という幅広い業務領域を対象にしたSAP ERP導入と、情報分析系(SAP BI)や需給管理、経費精算などの周辺システムまで及びます。一部の既存システムはSAP ERPとのデータ連携を図る仕組みを構築するという方針で作業を進めていきました。
 「システム化の対象が広範囲に及んだため、SAP ERPのマスター移行後のテスト作業を周辺システムと合わせて十分実施することで、大きな混乱もなく稼働することができました。
 また今回、業務改革の計画フェーズ段階で、ERP導入による最適化のために組織改革まで踏み込んだ事前対策を策定したことも非常に有効でした」と石井氏は語ります。こうした作業を経て、新たな経営基盤は2007年7月に本稼働を開始しました。
 SAP ERPの導入により在庫や原価など、様々な情報の“見える化”を実現。山浦氏によれば、「情報システム部に依頼するのではなく、担当者が自らの業務に必要なデータを収集し、管理資料を作成するスタイルに変わり、データを使いこなす社員も増えています」など業務への定着が進んでいるほか、今後想定できる効果も具体的に見え始めています。
 「購買の調達リードタイム短縮によって実現する在庫削減量を、より高い精度で把握可能になります。数字に基づき理論的に動けることで、従来から取り組んできたリードタイム短縮活動をより着実に推進することができます」(石井氏)
 さらに今後期待されているのが、“見える化”による全社的な効果です。
 「計画フェーズで設定した、利益率や即納率などの数値目標達成に向けた活動にこれから注力していきます。また、経営管理ツールとして活用し、仮に問題が発生しても迅速な対応が取れる経営に移行していくことも重要になります。こうした取り組みを可能にする基盤を整備できたことに大きな意義があります」(浜田氏)
 ぺんてるでは、業務改革とERP導入を図ることで、市場の変化への迅速な対応や在庫の削減を実現する全社横断の統合経営基盤を整備しました。今後はアジア拠点への展開など、SAP ERPを中核にグローバル経営基盤の強化を推進していきます。

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説明図

ぺんてるのERP導入プロジェクト「P-Project」

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