メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

  • カスタマーリポート

  • 導入事例
  • 2009年 1・2月号(No.143)
  • 兵庫県生花株式会社 梅田生花市場
  • 「花き卸売市場販売支援システム」導入事例
  • 花き流通業務に精通した先進のシステム構築で
    買参人・生産者への付加価値サービス向上を実現

県生花、梅田生花市場、大阪植物取引所の3つの市場を運営する兵庫県生花株式会社は、関西圏における「花」の流通を担うエキスパートです。このほかにも園芸資材の卸売りも手がける同社では、激変する市場環境の変化に対応し、より充実したサービスを提供するため、梅田生花市場において株式会社三菱電機ビジネスシステム(MB)の支援のもと、「花き卸売市場販売支援システム」を構築。分荷作業、検品作業などの大幅な作業改善、Web取引などの営業機能の拡充とともに、買参人・生産者への様々な付加価値サービス向上を実現しています。

画像:市場

切花の市場運営、受託販売を展開する梅田生花市場。フラワービジネスの中枢を担い、買参人・生産者への付加価値の高いサービスを提供している

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執行役員
矢敷 達雄

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事業推進部
部長
得津 久嗣

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事業推進部
課長
吉田 智

タイムリーな情報提供、取引へ
先進のシステム構築に着手

 2009年4月から施行される改正・卸売市場法による規制緩和に伴い、生花卸売業においても、市場の活性化に向けた様々な取り組みが進められています。県生花、梅田生花市場、大阪植物取引所の3市場を運営する兵庫県生花株式会社 事業推進部部長の得津久嗣氏は、「規制緩和による厳しい環境において、魅力ある市場としてフラワービジネスの重要な役割を果たすためには、買参人・生産者へのタイムリーな情報提供や買参人からの様々な注文方法に対応できる、利便性と即時性の高いサービスを提供することが必要です。そのためには、一連の社内業務をはじめ、買参人、生産者のニーズも踏まえた花き流通を統合的に改善するシステム構築が不可欠でした」と語ります。
 同社はシステムの構築にあたって、複数のベンダーからの提案を詳細に検討しました。得津氏は次のように語ります。
 「3市場を運営する当社が効率的な経営を推進するなかで、MBの提案は、オペレーションの統一やデータ統合を踏まえたものでした。さらに、Webシステムをはじめとした構築技術、信頼できるサポート実績を評価して、採用を決定しました」
 システム構築にあたり梅田生花市場では、各部門のヒアリング、業務実態の調査・分析を踏まえ、抜本的な対策要件を策定。また、全国の生花市場の視察に赴き、各市場の特長的な業務ノウハウを吸収し、システムの細部に至るまで最適化を図りました。

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負荷の高い分荷・検品作業を
IT化により大幅に改善

 「花き卸売市場販売支援システム」は、2008年1月より稼働を開始しました。同システムで導入された高機能型応札機やセリ品のイメージ写真を表示するサブモニタにより、買参人が買い付けをより快適にできるように改善しました。
 さらに、無線LAN対応ハンドラベラーを活用することによって、生花に関する専門的な商品知識を必要とせずに、ミスなく精度の高い分荷作業を実現しています。
 「分荷作業は従来、レーン単位に担当者を配置し、セリ販売されたデータを基に印字したラベルを商品に貼付し、搬出を行っていました。印字されたラベルから商品を探し出す作業は、商品知識が豊富な熟練した担当者でもミスをすることがあります。そこで、商品の箱に示されたバーコードをスキャンするだけで、ハンドラベラーによってタイムリーにセリ販売情報を問い合わせ、その場ですぐに販売情報を印字したラベルを出力し、貼付できるようにしました。その結果、誰でも分荷作業に従事できるようになり、しかもミスがほとんどなくなりました」と事業推進部 課長の吉田智氏は語ります。
 また同社では、検品作業にハンディーターミナル(HT)を利用しています。これにより、従来は伝票で行っていた未集荷品のトレース作業において、買参人が集荷した商品のバーコードをスキャンするだけで、未集荷品を瞬時に画面上で確認できるようになり、時間短縮を実現しました。
 「セリ販売後の買参人の待ち時間を短縮するなどサービス向上につながっています。検品ミスもほとんどなくなり、日次処理の締め時間が2時間近く短縮されました。また生産者に対しても、より迅速に市況報告を行えるようになりました」(吉田氏)

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様々な注文・問い合わせに対応する
充実した営業支援機能を実現

 生花卸における営業の管理業務は、入荷した商品のセリ前販売(前売)、Web上場品の単価設定、セリ後に生産者への市況速報の連絡、買参人からの購入履歴問い合わせへの応対など多岐にわたり、しかも複雑です。
 「これらの業務をより最適に効率化して営業力とサービス向上につなげるためには、営業の業務が1つのメニュー内で完結できるよう、必要とする機能を集約した仕組みが必要でした」(吉田氏)
 こうしたコンセプトで開発された多機能販売画面は、業務の流れと操作性が熟慮され、営業担当者が的確かつ効率的に業務を進めるための営業支援機能が盛り込まれています。
 「例えば、Web上場品の単価設定について、過去の単価を踏まえた自動設定を実現し、数多くの単価設定を行う営業の業務を大幅に省力化しました。このように日々のルーチンワークに取られていた時間を短縮することで、従来より求められていた買参人・生産者への提案型営業を組み立てる時間を作ることができるようになりました」と吉田氏は効果を語ります。

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梅田生花ネットにより買参人・
生産者の利便性を大幅に向上

 梅田生花市場では、買参人と生産者を支援するための総合情報サービスおよびWeb取引機能を提供する梅田生花ネット(USN)を構築し、運営を開始しました。
 USNでは買参人に対して、これまで郵送、FAXで行っていた市況情報・購入実績の通知をWebで提供することで即時性を高めました。さらに、過去の販売実績を買参人がWeb上で自由に検索、データ活用できるようにしています。Web販売では、D2・D3分の販売、翌日セリ分のWeb先行応札、購入数量に応じたロット単価の設定により買参人がWebで購入しやすい環境を整えています。
 「買参人への利便性を向上したことにより、以前は数%に過ぎなかったWeb販売の割合が20%に迫る勢いで伸びています」と執行役員の矢敷達雄氏は語ります。
 一方、生産者に対しては、市況情報、仕切情報(出荷実績)のWeb公開に加え、USNの簡易ホームページ作成機能により買参人への自己PRの場を提供しています。また、送り状入力フォームを提供することで、従来手書きで行っていた作業の負荷を軽減しました。
 「業務ノウハウとIT技術を駆使することで、データの一元化、ペーパーレス化を図り、お客様のビジネスに役立つ情報の迅速な提供と業務の作業負荷軽減を実現しました。その結果、顧客満足度の向上とともに、生花市場の活性化にもつながっています」(吉田氏)
 矢敷氏は今後の取り組みについて、次のように語ります。「今回のシステム構築により、フラワービジネスの基盤を確立することができました。MBには私どもの意見・要望をもとにWeb構築技術などの専門ノウハウを加え、業務フローの詳細な調査・分析からシステム構築、運用までサポートしていただきました。今後もMBをパートナーに、よりよいサービスを提供していきます」
 梅田生花市場は、生産者と買参人をつなぐ架け橋として市場の活性化を進め、“花”のある生活を応援していきます。

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説明図

システム構成イメージ

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