三菱電機株式会社(執行役社長:野間口 有)は、独自のデジタル信号処理技術により、前方2本のスピーカーだけで映画館のように臨場感あふれる5.1チャンネル※1のサラウンド音響を再現する、音響技術「DIATONE Surround(ダイヤトーン サラウンド)」を開発しました。信号処理量が少ないため、テレビなどの家庭用映像機器に搭載するなど、ホームシアターの幅広い普及が期待できます。
今回の開発成果は、「CEATEC JAPAN 2005」(10月4日〜8日、千葉市「幕張メッセ」、主催:日本エレクトロニクスショー協会)で公開展示する予定です。
| ※1: | 前方に3つ、後方に2つの通常スピーカーと、低域強調用スピーカーの計6つのスピーカーを使用して、2チャンネルのステレオより臨場感のある音響環境が実現できる方式。ドルビー研究所で開発 |
開発の背景
DVDソフトやデジタル放送(衛星/地上波)など5.1チャンネルのコンテンツが普及するとともに、一般家庭での音響システムの需要拡大が期待されています。しかし、5.1チャンネルの音響効果を実現するためには、高価な6本のスピーカーと専用アンプが必要となります。近年、前方の2つのスピーカーだけで5.1チャンネルのサラウンド音響を擬似的に再現するバーチャル・サラウンド技術が開発されつつありますが、後方の音像定位(音の方向感や距離感)の再現に難があると同時に、信号処理に高性能で高価なDSP※2を要するという課題がありました。
今回当社は、信号処理の精度向上と信号処理の効率化により、2本のスピーカーで6本のスピーカーを使用した場合とほぼ変わりのない立体的で臨場感のあるサラウンド音響技術の開発に成功しました。
今回当社は、信号処理の精度向上と信号処理の効率化により、2本のスピーカーで6本のスピーカーを使用した場合とほぼ変わりのない立体的で臨場感のあるサラウンド音響技術の開発に成功しました。
※2:Digital Signal Processor(デジタル信号処理プロセッサー)
主な開発成果
| 1. | 「クロストークキャンセル機能」の精度向上により優れた音像定位を実現 5.1チャンネルのサラウンド音響を2本のスピーカーで再現するには、片側の耳にのみ届くべき音が反対側の耳にも届くクロストークを打ち消す必要があります。今回、クロストークの消去量を10dB(デシベル)以上向上※3させた「クロストークキャンセル機能」の開発により、仮想スピーカーの音像定位を改善し、特に後方の音像定位に優れた音場を実現しました。 ※3:当社の従来の開発機器との比較において |
| 2. | 方向感や距離感に影響しない音域の位相の処理を削減することで処理量の抑制と低コスト化を実現 2本のスピーカーで仮想的な音像を生成するには、5.1チャンネルの音をデジタルフィルターに通し、2本のスピーカー用の音として再構成します。この信号処理の量は膨大なため、高性能かつ高価格なDSPを必要とすることが通常です。今回、音を低域と高域に分割する方式の開発により、方向感や距離感にあまり影響しない高域の位相の処理量を削減し、必要な処理能力を8分の1※4に抑制することで、低コストなDSPでもバーチャル・サラウンドを実現可能にしました。 ※4:当社の従来の開発機器と比較において |
今後の展開
当社液晶テレビへの搭載を検討中です。
特許件数
国内2件、海外1件出願中

