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ニュースリリース

テキスト版

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

2006年1月24日
開発No.0602

次世代パワー半導体デバイスの技術開発で大きく前進

シリコンカーバイド(SiC)インバーターで3.7kW定格モーターの駆動に成功

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 三菱電機株式会社(執行役社長:野間口 有)は、次世代パワー半導体材料として期待されているSiC(シリコンカーバイド)によるMOSFET※1を用いて試作したインバーターで、産業用途などで広く使用されている3.7kW(キロワット)定格の高出力モーターの駆動に世界で初めて成功しました。

※1 Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属/酸化膜/半導体電界効果トランジスター

開発の背景

 SiCは絶縁破壊電界強度がSi(シリコン)に比べて約10倍と高く、高耐圧の次世代パワー半導体材料として期待され、なかでもSiC-MOSFETの、低損失性と優れた制御性を活かしたインバーターの実現が切望されています。

 当社は既に、耐圧1200V(ボルト)、電流1A(アンペア)級でオン抵抗率※212.9mΩcm2(ミリオーム平方センチメートル)のSiC-MOSFETを試作(2004年12月発表)しており、今回、SiC-MOSFETの低抵抗化技術などにより、耐圧の1200Vを維持しつつ、電流を10A級としたSiC-MOSFETとSiC-SBD※3を開発しました。さらに、それらを用いて試作したSiCインバーターにより、3.7kW定格の高出力モーターの駆動に成功するとともに、Siデバイスを用いたインバーターに比べて損失を54%低減できることを実証しました。

※2 MOSFETが導通状態(オン状態)のときの抵抗値の指標で、小さいほど電力損失を小さくすることができる

※3 Schottky Barrier Diode:ショットキー障壁ダイオード

主な開発成果

  1. 1.1200Vで10A級のSiC-MOSFETを開発し、パワーモジュール化
    SiC-MOSFETの構成単位であるセルサイズの最適化などにより、オン抵抗率を10mΩcm2と、従来の12.9mΩcm2に比べて22%低減しました。
    また、構造やドーピング濃度などの工夫によって高電圧使用時の特性を安定させ、耐圧1200V、電流10A級のSiC-MOSFETを開発し、SiC-SBDと組み合わせたパワーモジュールの試作に成功しました。
     

  2. 2.3.7kW定格モーターのインバーター駆動に成功
    Siデバイスで培ってきた特性評価技術、パワーデバイス駆動技術およびインバーター制御技術をSiC-MOSFETモジュールに適用することで、3.7kW/400V定格モーターのインバーター駆動に成功しました。
     

  3. 3.インバーター損失の大幅な低減を実証
    SiC-MOSFETインバーターは、現在広く使われているSiパワーデバイス(IGBT※4)を用いたインバーターと比べて電力損失が54%低減されていることを実証しました。

    ※4 Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスター

今後の展開

 SiC-MOSFETのさらなる性能向上と応用技術の開発を進め、早期の製品化を目指します。

特許件数

国内12件  海外2件

お問い合わせ先
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 業務部 広報・宣伝グループ

FAX: (06)6497-7289

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