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2006年12月5日
開発No.0618
下水処理場のテストプラントで、従来技術の約2倍で限界値に近い性能を実証
下水汚泥からメタンガスとリンを高い効率で回収
PDF リリース全文(PDFファイル:307KB)
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 三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、下水処理場で大量に発生する下水汚泥から、エネルギー源であるメタンと枯渇資源であるリンを同時回収する汚泥処理技術を開発し、メタンの回収率は従来技術に比べ※1約2倍、リンの回収率は汚泥含有量の90%以上という、ともに限界値※2に近い処理性能をテストプラント※3にて実証しました。
 本開発成果は、エコプロダクツ2006※4(12月14日〜16日、東京ビッグサイト)に出展する予定です。

※1: 下水汚泥の嫌気性消化法との比較において
※2: 汚泥に含まれる有機物、リンの値から想定される、回収メタンガスや回収リンの最大値
※3: 実規模の500分の1のスケールで実際の終沈汚泥を対象として連続処理
※4: (社)産業環境管理協会、日本経済新聞社主催の環境配慮製品・サービスの普及や販促に関する展示会
開発の背景
 下水汚泥は、排水処理や下水処理の各過程で沈殿等により取り除かれる泥状の物質です。わが国では年間約4億m3が発生し、焼却や埋立によって処理されていますが、水使用量の増加につれて処理場の負荷増大や最終処分場逼迫の一因となっています。

 一方、下水汚泥は乾燥重量の80%が有機物であるため、エネルギーとしての有効利用が期待されています。エネルギー回収型の主な処理法としては、微生物で汚泥を溶解しながらメタンに変換し、最終処分する汚泥の容積も減少できる嫌気性消化法が採用されています。しかし、現状では、下水汚泥のうち最終沈殿池から出る終沈汚泥※5の溶解率が低いため、メタン回収量も終沈汚泥に含まれる有機物量から想定される値に比べると少なく、溶解率の向上が課題でした。

 また、リンはあらゆる生物にとっての必須元素でありながら枯渇が懸念されています。近年、湖沼の富栄養化や赤潮の原因となる下水中のリンを汚泥に取り込んで除去する方法が普及し、大量のリンが含まれる下水汚泥からリンを回収する技術の検討が始まっています。

 当社は、汚泥からメタンとリンを同時回収する新たな技術の開発を2002年から進めてきました。今回、下水処理場のテストプラントで約1年間の実証試験を行った結果、開発した処理技術が汚泥溶解率、メタン回収率、リン回収率のいずれにおいても限界値に近い処理性能を有することを実証しました。

※5: 下水汚泥には、流入下水中の固形物を濃縮した初沈汚泥(最初沈殿池汚泥)、と下水処理の過程で新たに発生する固形物を濃縮した終沈汚泥(最終沈殿池汚泥)の2種が存在する

主な開発成果
1.発泡を活用したオゾン・アルカリ処理技術の高い処理性能を実証

開発した処理技術は、オゾンとアルカリの相乗効果によって終沈汚泥の溶解率を従来の約50%から70%程度に向上でき、オゾン処理時の発泡を利用することによって汚泥とオゾンの反応性をさらに高めることで溶解率を90%以上にすることができます。
実際の終沈汚泥を対象に、この処理技術を2005年10月から約1年間、実規模の500分の1のスケールの下水処理場テストプラントで連続処理した結果、汚泥溶解率が90%以上であることと、汚泥溶解率の向上にともなってメタンガス回収量が従来比1.95倍になることを実証しました。リン回収率についても90%以上という高い性能を得ています。

2.汚泥処理費用の削減に貢献

上記の結果にもとづき下水処理場に本処理技術を導入した際の経済性を評価したところ、平均的な規模の汚泥処理プロセス※6では、現状に比べ、汚泥処分費用の約30%削減が期待できます。

※6: 下水処理流量10万m3/日、初沈汚泥と終沈汚泥を混合処理、処理済の汚泥を産業廃棄物として引取処分するケースを想定

特許件数
 国内11件、海外2件出願。

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