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下水汚泥は、排水処理や下水処理の各過程で沈殿等により取り除かれる泥状の物質です。わが国では年間約4億m3が発生し、焼却や埋立によって処理されていますが、水使用量の増加につれて処理場の負荷増大や最終処分場逼迫の一因となっています。
一方、下水汚泥は乾燥重量の80%が有機物であるため、エネルギーとしての有効利用が期待されています。エネルギー回収型の主な処理法としては、微生物で汚泥を溶解しながらメタンに変換し、最終処分する汚泥の容積も減少できる嫌気性消化法が採用されています。しかし、現状では、下水汚泥のうち最終沈殿池から出る終沈汚泥※5の溶解率が低いため、メタン回収量も終沈汚泥に含まれる有機物量から想定される値に比べると少なく、溶解率の向上が課題でした。
また、リンはあらゆる生物にとっての必須元素でありながら枯渇が懸念されています。近年、湖沼の富栄養化や赤潮の原因となる下水中のリンを汚泥に取り込んで除去する方法が普及し、大量のリンが含まれる下水汚泥からリンを回収する技術の検討が始まっています。
当社は、汚泥からメタンとリンを同時回収する新たな技術の開発を2002年から進めてきました。今回、下水処理場のテストプラントで約1年間の実証試験を行った結果、開発した処理技術が汚泥溶解率、メタン回収率、リン回収率のいずれにおいても限界値に近い処理性能を有することを実証しました。
| ※5: |
下水汚泥には、流入下水中の固形物を濃縮した初沈汚泥(最初沈殿池汚泥)、と下水処理の過程で新たに発生する固形物を濃縮した終沈汚泥(最終沈殿池汚泥)の2種が存在する |
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