三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、セル生産方式で用いるロボット向けに、部品の位置や傾きを高速・高精度に計測する小型3次元ビジョンセンサーと3次元物体認識技術を開発しました。専用の部品供給装置等を用いずに部品を扱えるので、セル生産方式へのロボット導入が容易になります。
開発の背景
従来、産業用ロボットは同じ製品を大量に製造するライン生産方式に多く使用されてきましたが、必要な物を必要な時に必要なだけ製造するジャストインタイム生産や多品種少量生産に適したセル生産方式においてもロボットの活用が望まれています。
セル生産方式のロボットは、作業手順や部品の変更が少ないライン生産方式のロボットと異なり、生産品目に応じて多種多様な部品を取り扱うため、部品を整列した専用パレットや部品供給装置を極力用いずに使用でき、段取り換えも短時間でできることが望まれます。例えば、ネジの供給装置を使わずにバラ積みされたネジを取れるところから順に摘むには、ネジの位置のみならず向きまでも認識して、ロボットに指示する高性能な3次元認識装置が必要です。ところが従来の3次元認識装置は高精度になるほど大型になる傾向があったため、柔軟性の高いセル生産方式を実現するには、小型ロボットの動作にも支障を与えない程度に小型で軽量な装置が求められていました。
当社は今回、セル生産方式に適した小型産業用ロボットにも取り付け可能な3次元ビジョンセンサーと、多種多様な部品を高速に認識する物体認識技術を開発しました。
主な開発成果
| 1. | 小型ロボットにも取り付け可能な小型3次元ビジョンセンサーを開発 次元計測用のパターンを照射するレーザー投光部と、それを撮影するカメラ部をコンパクトにまとめる技術を開発し、約800gと軽量で、可搬質量が3kg程度の小型産業用ロボットにも取り付け可能な小型3次元ビジョンセンサーを開発しました。 また、カメラ周辺部の複数のLED光源を順次点灯させて撮影した画像も解析することにより、輪郭部分の物理的な段差の有無が検出可能で、光沢のある金属部品も安定的に扱えるアクティブ投光タイプのマルチフラッシュカメラも同時に開発しました。 |
| 2. | 高速・高精度な3次元物体認識技術を開発 開発した3次元ビジョンセンサーは2次元画像情報と3次元距離情報を同時に取得し、これらを効果的に組み合わせることによってコネクタや長ネジなどの位置と姿勢を高速かつ高精度に認識します。30cmの距離で認識した際の平均距離誤差は±0.6mm、認識処理時間0.15秒を実現しています。これにより、長ネジのような小さな対象物でもバラバラに山積みしているものの中から一番取りやすい最適なものを選別して取り出す作業などが高速で行えます。 |
| 3. | 新計測アルゴリズムにより、容易な現場調整作業を実現 従来の3次元ビジョンセンサーのレンズ交換や焦点合わせは高度な調整が必要なため、現場での作業が困難でした。今回開発した新計測アルゴリズムでは、高精度距離測定を簡便に行えるとともに、現場調整作業も簡便に行えるため、迅速な調整や段取り換えが可能となりました。 |
今後の展開
今後の製品化に向けて、認識対象の拡充を図るとともに、お客様の各種ご要望にこたえられるよう、3次元ビジョンセンサー及び3次元物体認識技術の開発を進めていきます。
特許
国内6件、海外2件 出願済

