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ニュースリリース

テキスト版

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

2008年2月14日
開発No.0805

患者の位置決めを自動化し、治療準備時間を短縮

「粒子線治療装置向け患者自動位置決め技術」を開発

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 三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、がん病巣に集中的に粒子線を照射できる粒子線治療装置において、治療台上の患者の治療位置を治療計画に合わせて正確に位置決めするための補正量計算と操作を自動化する技術を開発しました。

 従来の手動補正に比べて、位置決め時間を短縮し、治療準備時間の短縮、操作者の負担軽減、複数回行う治療の安定性向上につながることが期待されます。

開発の背景

 粒子線治療は、従来のX線やγ線による治療に比べ、がん病巣に集中的に粒子線を照射できるため、患者にとって負担が少なく高齢者にも優しい治療方法として、普及が期待されています。現在、国内で稼働中または設計・建設中の粒子線治療専用施設9施設のうち、7施設を当社製治療装置が占めています。

この粒子線治療においては、粒子線を患部に正確に照射しなければなりません。そのためには、粒子線を照射する前に、患者の位置を治療計画に合わせて、正確に位置決めする必要があります。

従来、患者の位置決めは、医師または技師がX線TV画像を見ながら、治療計画の体位と位置に合うよう、治療台の並進・回転移動量を手動で補正しています。補正は複数回の治療で照射位置がばらつかないよう、違いが基準値以下になるまで入念に行われるため、治療準備時間の大半が位置決め補正作業で占められています。より多くの患者が治療を受けることができるようにするためには、位置決めの効率化が求められていました。

主な開発成果

1. 患者位置決め操作の自動化技術を開発
新規に開発した位置決め計算アルゴリズムと、高速計算アーキテクチャーの導入により、患者位置決め補正量の計算を自動で行い、これまで医師または技師がX線TV画像を見ながら時間をかけて手動で補正していた位置決め操作を自動化することに成功しました。
2. 異なる医療用画像データ間の照合技術を開発
従来は、治療計画時に正面方向と横方向から撮影した2枚のX線TV画像を、治療時に撮影したX線TV画像と目視で比較するため、操作者には3次元的な解剖学的知見と経験が必要でした。今回、治療時のX線TV画像(2次元画像)を、治療計画作成の基となる3次元のX線CTデータと比較するという、異なる医療用画像データ間の照合技術を開発しました。この技術は3次元のX線CTデータから多数の擬似X線画像を作成して、治療時のX線TV画像と自動で照合します。

この患者位置決め技術により、位置決め時間を短縮でき、治療準備時間の短縮、患者のX線被ばく量の低減、操作者の作業負担の軽減が期待されます。また、複数回の治療でも照射位置のばらつきが少なくなり安定性が向上するので、患部に粒子線をさらに精度よく集中照射する効果も期待されます。

今後の展開

 臨床データを適用して、実用性を検証します。この技術を応用した装置の市場投入は2011年頃を想定しています。

特許

 国内2件出願済、1件出願予定。海外1件出願予定。

お問い合わせ先
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 業務部 広報・宣伝グループ

FAX: (06)6497-7289

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