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ニュースリリース

テキスト版

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

2009年2月18日
開発No.0906

「混合破砕プラスチック」からRoHS指令対象物質を高速に除去

高速分析技術によるリサイクルプラスチックの大量回収

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 三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、使用済み家電製品のリサイクルで得られる「混合破砕プラスチック」から、RoHS指令※1対象物質を含有したプラスチックを高速に検知して除去するプラスチックリサイクル技術を開発しました。これまで開発してきた比重・静電選別技術と組み合わせることでRoHS指令に適合した高品質なプラスチック素材の回収量を、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)で約1.3倍向上できるため、プラスチックの自己循環リサイクル量を拡大して資源を有効活用し、CO2排出量を削減できます。

※1: RoHS指令:電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令。鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテルの6種類の有害物質の使用が制限されており、カドミウムは0.01wt%(均質材料ベースの含有率)未満、その他は0.1wt%未満の含有率にしなければならない

開発の背景

 当社はこれまで、地球の環境保全や資源の有効活用を目的とした、使用済み家電製品から回収されるプラスチックを自社製品に再利用する「自己循環リサイクル」において、手解体による回収・選別が困難な小さい部品や複合プラスチックを破砕して得られる「混合破砕プラスチック」を選別・回収する技術を開発※2、家電製品の主要3大プラスチック(PP:ポリプロピレン、PS、ABS)の自己循環リサイクル量の飛躍的な拡大に取り組んできました。
 一方、リサイクルプラスチックを家電製品に再利用するにはRoHS指令への対応が必須となります。これまでは比重選別の上限値を小さく設定※3することで基準濃度を満たしていましたが、この方法では回収量の向上は図れませんでした。従って、自己循環リサイクル量のさらなる拡大には、高速で自動にRoHS指令対象物質を選別する技術が必要でした。
※2: 比重選別技術:2004年12月7日発表、静電選別技術:2008年8月20日発表
※3: RoHS指令対象物質の臭素系難燃剤が含まれると比重が大きくなる

主な開発成果

1. RoHS指令対象物質高速検知技術により、従来法に比べ100倍以上高速に検知
混合破砕プラスチックに含有されるRoHS指令対象物質を調査した結果、臭素系難燃剤に起因する臭素濃度が0.03wt%※4を超える場合があることがわかりました。これは、選別の際に極少量ですが、数wt%以上の高濃度な臭素を含有した難燃仕様のプラスチック破砕片が混在するためです。
今回、臭素濃度を0.03wt%未満とする処理方式として、X線透過像方式を用い、臭素濃度が1wt%以上の破砕片を除去対象として高速に検知する技術を確立しました。この方法は、RoHS指令対象物質の分析で一般的に用いられる低濃度域の検出感度に優れた蛍光X線分析法に比べて検出処理速度を100倍以上に高速化できるため、量産レベルでの利用が可能となります。
※4: 臭素濃度が0.03wt%未満であれば、RoHS指令対象であるすべての臭素系難燃剤で化合物濃度は規制値の0.1wt%未満になる。
2. RoHS指令対象物質の「高速検知・除去装置」を開発
X線透過像方式を用いた高速検知技術に、エアガンによる除去機構を付加した高速検知・除去装置を開発しました。臭素系難燃剤を含む破砕片はX線の吸収率が大きく透過像が暗くなるため、その破砕片の位置を検知して、エアガンで選択的に除去します。平均臭素濃度を0.1wt%に調整した模擬混合プラスチックを用いた検証試験を行ったところ、除去後の混合プラスチックの臭素濃度は0.01wt%以下と、RoHS指令を十分に満たすレベルに低減できることを実証しました。

今後の展開

 2010年に家電製品リサイクルプラントの量産ラインに適用することで、自己循環リサイクルを推進し、資源の有効活用によるCO2排出量低減や地球環境保全を進めます。

お問い合わせ先
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 業務部 広報・宣伝グループ

FAX: (06)6497-7289

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