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ニュースリリース

テキスト版

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

2009年7月15日
開発No.0911

次世代セル生産を実現するロボット知能化技術を開発

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 三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏、以下「三菱電機」)と国立大学法人京都大学(総長:松本 紘、以下「京都大学」)は、生産機種切り替えの迅速化と長時間連続操業が可能な次世代セル生産を実現するロボット知能化技術を開発しました。

実証用セル生産システムの外観

実証用セル生産システムの外観

開発の背景

 近年、必要な物を必要な時に必要な数だけ製造するジャストインタイム生産や多品種少量生産に適したセル生産方式が有効な生産手段のひとつとなっています。今後は、熟練工の退職や少子高齢化による就業人口の減少傾向への対策として、これまでの人によるセル生産から、ロボットがこれを行う次世代セル生産が期待されています。
 しかし、セル生産方式のロボットは作業手順や部品の変更が少ないライン生産方式のロボットと異なり、生産品目に応じて多種多様な部品を取り扱うため、部品を整列した専用パレットや部品供給装置を極力使用しないことや、段取り換え時間の短縮が課題となっています。また、非常に時間がかかるロボットへの教示作業の効率化、初期教示を行った後の動作速度向上に加え、挿入ミスをはじめとするエラーの回避を熟練工の介入なしに達成できることも求められています。
 今回、三菱電機と京都大学は、2006年から進めてきた産学連携活動を通じて上記課題を克服するロボット知能化技術を開発し、小型電機製品を組み立てるセル生産ロボットシステムで有効性を実証しました。

主な開発成果


1. 生産機種切り替えを迅速化する3次元ビジョンセンサー、教示支援技術、自律的動作習熟技術
部品の2次元画像と3次元の形状情報を高速に認識処理する3次元ビジョンセンサーにより、部品のばら置き供給を可能としました。また、ロボットの手先の位置調整に加え、手先にかかる反力も把握して直感的な表示ができるヒューマンマシンインタフェースの開発により、効率的な教示作業が行えます。教示後は学習理論を用いてロボットが自律的に動作習熟を行うことで作業時間を短縮※1できます。これら3つの技術により、生産機種切り替えの迅速化を実現しました。
※1: 動作習熟の前後で、作業時間を最大約56%に縮められることを確認
2. 安定した長時間連続操業を実現するエラー回避技術とエラーリカバリー技術
エラーとなる作業要因を事前に分析して、不安定作業をあらかじめ取り除くことができるエラー回避技術と、動作中のエラーをロボットに取り付けられたセンサー情報を用いて検知し、エラーからリカバリーする技術を開発しました。これにより、安定した長時間連続操業を実現します。
3. 小型電機製品を組み立てるセル生産システムで有効性を実証
開発したロボット知能化技術を適用した小型電機製品組み立ての実証用セル生産システムを構築し、実証実験を行いました。従来、小型電機製品の組み立ては、部品を順番に組み立てるために複数の専用工程に分かれていましたが、今回、複数の工程を単一のセル生産ロボットシステムで実現し、その有効性を実証しました。

今後の展開

 今後は、三菱電機の生産設備で検証を進めるとともに、セル生産用ロボットの実用化を目指します。また、開発した技術はロボットに限らず、医療機器、AV機器、FA加工機など他の事業分野にも展開していく予定です。
※: 本研究の一部は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の委託を受けて実施しています。

特許

 国内10件、海外3件 出願済 (三菱電機単独出願)
 国内 1件 出願済 (三菱電機・京都大学共同出願)
お問い合わせ先
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 業務部 広報・宣伝グループ

FAX: (06)6497-7289

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