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ニュースリリース

テキスト版

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

2009年8月6日
開発No.0912

砂塵やほこり、油汚れなどのさまざまな汚れを防止

プラスチックにも適用できる「ハイブリッドナノコーティング」を世界で初めて開発

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 三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、防汚コーティングにおいて、砂塵やほこり、油汚れなどのさまざまな汚れを防止でき、さらに金属からプラスチックまで適用できる「ハイブリッドナノコーティング」を世界で初めて※1開発しました。

※1: 2009年8月6日現在。当社調べ。電気機器用途において

開発の背景

 汚れは家庭用電気製品から産業用機器に至るまであらゆるものに付着し、見た目のきれいさを損なうだけでなく、メンテナンスを怠れば雑菌の繁殖や性能低下の原因となるなど、さまざまな影響を及ぼします。また、汚れには砂塵やほこりなどの親水性汚れと、すすや油煙などの疎水性汚れがあり、静電気が発生すると、汚れの付着を助長します。
 防汚コーティングは、砂塵やほこりをはじく疎水性のフッ素樹脂コーティングや、油汚れをはじき帯電防止効果もある親水性コーティングなどが広く実用化されていますが、いずれもどちらか一方の性質の汚れにしか効果がありません。また、素材として広く用いられるプラスチックは熱に弱く、もともと疎水性なので、加熱を要するフッ素樹脂コーティングや揮発性有機化合物※2(有機溶剤)を用いないコーティング(水系コーティング)を施すことが困難であるなど、防汚効果と適用できる製品に限りがありました。
 当社はこれまで、性質の相反する親水性汚れと疎水性汚れの双方に効果のあるコーティング材の開発に取り組み、成果の一部を2008年10月に発売した当社ルームエアコンの一部(「霧ケ峰」ZWシリーズの室内機用アルミニウム製熱交換器)に適用しています。
 今回、金属からプラスチックまで、ほとんどの素材に適用できる防汚コーティングを開発しました。これにより、適用製品においては、お手入れ(掃除)の頻度を減らしながらも、省エネ性能や能力の保持に貢献します。今後は、汚れ対策を必要とする製品へ順次適用を広げます。
※2: 常温で蒸発、気化する有機化合物の総称。太陽の紫外線により有害な光化学オキシダントや浮遊性粒子を生成して環境に悪影響を及ぼすので、使用が規制されている。VOC(Volatile Organic Compounds)

主な開発成果

1. 疎水性汚れと親水性汚れの双方を防止する、無色透明な「ハイブリッドナノコーティング」
親水性材料の薄膜に、疎水性のフッ素樹脂の微粒子を汚れの粒子よりも小さな間隔で分散させることにより、親水性、疎水性のどちらの汚れが付着してもコーティングの親水性部分と疎水性部分の両方に触れて不安定な状態となるため、気流や水分、振動などを受けて汚れがはがれやすくなります。また、表面の親水性物質が静電気を除去するので、帯電による汚れの付着も抑制されます。これにより、清浄性が維持されるとともに、汚れの付着による性能低下も抑制でき、メンテナンスが簡略になります。しかもコーティング膜は無色透明なため意匠性を損なうこともありません。
2. 揮発性有機化合物を用いない水系コーティングで、金属からプラスチックまで適用可能
当社が昨年、エアコンの熱交換器に適用したコーティングは、親水性の材料をベースとしていることから、疎水性のプラスチックへの適用は困難でした。今回、プラスチックの表面でも密着性が得られるようにする密着性強化技術を開発したことで、揮発性有機化合物を用いない水系コーティングでありながら、金属からプラスチックまで適用できる防汚コーティングを世界で初めて実現しました。これにより、一般的に使用されているプラスチック素材に比べ、汚れの付着量は10分の1に低減できます。なお、コーティングの効果は10年間持続※3することを検証済です。
※3: 当社基準での10年間のエアコン使用環境を模擬した試験において

今後の展開

 今秋発売予定のルームエアコンの新製品に適用するのをはじめ、空調機器や冷熱機器、さらに産業用機器などの製品に順次適用する予定です。

特許

 国内15件、海外5件 出願中。

お問い合わせ先
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 業務部 広報・宣伝グループ

FAX: (06)6497-7289

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