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ニュースリリース

テキスト版

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

2009年11月10日
社会No.0911

鉄道車両で発生した回生エネルギーを車両と地上設備で最適に貯蔵し有効活用

蓄電池を応用した鉄道事業者向け電力貯蔵システムとシミュレーション技術を開発

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 三菱電機株式会社(執行役社長:下村節宏)は、鉄道車両が減速する際の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として最適に貯蔵し有効活用する電力貯蔵システムと、鉄道車両内と地上設備の電力貯蔵デバイスの設計を最適化できるシミュレーション技術を開発しました。

開発の背景

 鉄道システムは、エネルギー効率が良く、環境への負荷が少ない輸送システムですが、昨今さらなる省エネルギー化やエネルギーの有効利用等への要求が高まっており、電力貯蔵デバイスに蓄電池を応用した電力貯蔵システムの開発が進んでいます。

 パワーエレクトロニクス技術を使用した鉄道システム向け電力回生ブレーキや電力制御技術を保有し、車両用推進制御装置や鉄道車両への電力供給設備などで、国内業界トップの納入実績を持つ当社は今回、豊富な実績と経験を活かして、電化区間では蓄電池を利用して車両と地上の電力貯蔵デバイスに回生電力を貯蔵し、その設備を最適に配置するシミュレーション技術を開発し、あわせて、貯蔵した電力を非電化区間での走行に利用する技術を開発しました。これらにより、回生電力を有効に使用して省エネルギーに貢献しながら、利便性向上や非常時の乗客の安全確保が可能になります。

主な開発成果

1. 最適な電力貯蔵システムの配置を実現するシミュレーション技術
回生エネルギーを有効利用するために、車両と地上それぞれの電力貯蔵デバイスに最適な蓄電池の容量配分や設備の最適配置を検討する際、車上・地上システムを統合的にシミュレーションできる技術を開発しました。このシミュレーターは路線や車両性能、運転条件等さまざまな条件に対応して、最も効率的な電力貯蔵システムの設計・検討が可能で、鉄道事業者の導入コストを最小限に抑えつつ、エネルギー効率の向上に貢献します。
2. 回生エネルギーを利用した電力貯蔵システム
車両のブレーキ時に発生する回生エネルギーの一部を車両に搭載した電力貯蔵デバイス(蓄電池)と地上設備の蓄電池に電力を貯蔵して、発生した回生エネルギーを無駄なく有効利用できます。従来電力を使う先が無い場合、回生ブレーキから機械ブレーキに切替えると、車両に衝動が発生することがありましたが、それを抑制し車両乗客の乗り心地向上も図れます。 このシステムは2009年4月〜6月に小田急電鉄株式会社にて実車両を使用した走行試験を実施し、その性能を確認しました。
3. 蓄電池を応用した車両推進制御システム
電化区間と非電化区間が混在する路線を走行する車両に電力貯蔵デバイス(蓄電池)を搭載すると、電化区間走行中に回生エネルギーを蓄電池へ充電して、架線と蓄電池の電力配分を最適に調整しながら走行する架線ハイブリッド制御を行い、非電化区間となった場合は蓄電池の電力を使用してそのまま直通運転することができます。回生エネルギーを有効利用できるとともに従来非電化区間で使用していたディーゼル機関よりも環境の負荷軽減が期待されます。
この蓄電池駆動電車システムは、東日本旅客鉄道株式会社の「NE(New Energy)Train」に搭載され、2009年10月より走行試験を行っています。

今後の展開

 鉄道事業者のフィールドでの試験に協力し、早期の実用化を進めます。

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