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ニュースリリース

テキスト版

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

2010年1月20日
開発1001

定格1200A/1700Vのパワーモジュール3個で鉄道車両用モーターを300kW駆動

SiCダイオード搭載の大容量パワーモジュールを開発

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三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、次世代パワー半導体材料として期待されているSiC※1(炭化ケイ素)のダイオードをSi(ケイ素)のIGBT※2と組み合わせた定格1200A/1700Vの大容量パワーモジュールを開発し、これを用いたインバーターで鉄道車両用モーターの300kW駆動を実証しました。

  • ※1:SiC(Silicon Carbide):炭素とケイ素が1:1の化合物
  • ※2:IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor):絶縁ゲート型バイポーラトランジスター

開発の背景

インバーターの電力損失は、インバーターを構成する半導体(トランジスターとダイオード)による損失が大部分を占めます。当社はこれまで、インバーターに広く用いられているSiトランジスターのゲートをトレンチ構造としたIGBTやトレンチ構造にキャリア蓄積層を設けたCSTBT™※3により、損失の低減を進めてきました。

近年、SiCを用いたトランジスターやダイオードの低電力損失と優れたスイッチング性能を生かしたインバーターが注目されています。SiCはインバーターの電力変換効率を向上させ、二酸化炭素(CO2)排出量削減効果をもたらすとともに、インバーターのサイズや重量も低減可能なことから実用化が切望されています。

当社は、1990年代初頭からSiCデバイスの開発を始め、デバイス性能向上、プロセス改善などを行ってきました。今回、Siのトランジスター(CSTBT)とSiCのダイオードを組み合わせ、Siデバイスのみでは実現できない低損失な大容量パワーモジュールを開発しました。

  • ※3:CSTBT(Carrier stored Trench Gate Bipolar Transistor):キャリア蓄積効果によりオン電圧が低く低損失なトレンチ構造のIGBT

新製品の特長

  1. SiC-SBDを搭載した定格1200A/1700Vの大容量パワーモジュールを開発

    トランジスター部に定格150A/1700VのCSTBTを8個並列接続し、ダイオード部に定格75A/1700VのSiC-ショットキーバリアダイオード(SBD※4)を16個並列接続した、定格1200A/1700Vの大容量パワーモジュールを開発しました。SiC-SBDを搭載したIGBTモジュールとして世界最大容量※5です。

    ダイオードの性能が良くなるとダイオード自身の電力損失だけでなく、トランジスターの電力損失にも良い影響を与えるため、開発したSiC-SBD搭載パワーモジュールは、すべてがSiデバイスのパワーモジュールに比べ、トランジスターのターンオン損失が約55%低減、ダイオードのリカバリー損失が95%以上低減されています。

    • ※4:SBD(Schottky Barrier Diode):半導体と金属の接合部に生じるショットキー障壁を利用したダイオード
    • ※5:世界最大容量:2010年1月現在、当社調べ
  2. 鉄道車両用モーターの300kW駆動を実証

    開発したパワーモジュールを3個用いたインバーターで鉄道車両用三相モーターを駆動させ、300kWの出力が得られることを実証しました。SiC-SBDを用いた鉄道車両用モーター駆動で最大出力※6となります。

    このインバーターは、従来のSi製鉄道車両用インバーターと比較して、電力損失が最大で約28%削減され、実走行を想定した平均損失でも約18%削減されます。

    • ※6:最大出力:2010年1月現在、当社調べ

今後の展開

今後はSiC-SBD搭載パワーモジュールのさらなる低損失化と信頼性検証を進め、鉄道車両用などの大容量インバーターの実用化を目指します。

特許

国内83件、海外17件 出願済

お問い合わせ先
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 業務部 広報・宣伝グループ

FAX: (06)6497-7289

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