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ニュースリリース

テキスト版

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

2010年2月16日
開発1006

短時間での充放電と長時間の電力貯蔵量を両立

リチウムイオンキャパシタとリチウムイオン電池との複合型蓄電デバイスを開発

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三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、大型モーターの電力回生※1や太陽光発電の出力平準化に有効な蓄電デバイスとして、リチウムイオンキャパシタ※2とリチウムイオン電池をセルの内部で一体化し、短時間での充放電(瞬発力)と長時間の電力貯蔵量(持続力)を両立した複合型蓄電デバイスを世界で初めて開発しました。

  • ※1:電力回生:減速時にモーターを発電機として作用させ、発生した電力を回収すること
  • ※2:リチウムイオンキャパシタ:正極に活性炭を用い負極にリチウムイオンを吸蔵させた蓄電デバイス

開発の背景

さまざまな分野で電力の有効利用が急務となるなかで、長寿命で信頼性に優れた蓄電デバイスが求められています。例えば、ブレーキをかける時に摩擦熱として捨てていたエネルギーを回収して電力に変換するモーターの電力回生では、秒単位で大きな電力の充放電ができ、長寿命で信頼性に優れた蓄電デバイスが求められています。また、太陽光発電では、曇りの日など気象条件による出力の変動が大きいため、変動を吸収できる大容量の蓄電デバイスが求められています。

そこで当社は、数十kWクラスに対応できる大型キャパシタを重要な蓄電デバイスの一つと位置づけて開発に取り組んできました。2008年2月には1秒を下回る急速充放電が可能で、3.0Vという高電圧を実現した電気二重層キャパシタ※3の要素技術を開発していますが、電力貯蔵量(持続力)の増加が課題でした。

今回、リチウムイオンキャパシタとリチウムイオン電池を組み合わせることにより、瞬発力と持続力を両立した複合型蓄電デバイスの開発に成功しました。

  • ※3:電気二重層キャパシタ:化学反応を伴わずに充放電できるサイクル寿命に優れた蓄電デバイス

主な開発成果

  1. 瞬発力と持続力を両立した、リチウムイオン電池との複合型蓄電デバイスを世界で初めて開発

    1枚の負極を共有するリチウムイオンキャパシタとリチウムイオン電池をセルの内部で一体化した新構造の複合型蓄電デバイスを世界で初めて開発しました。動作電圧が3.2Vのリチウムイオン電池を選択し、その動作電圧を挟む2Vから4Vの電圧帯でリチウムイオンキャパシタが動作するように設計しています。これにより急速な充放電をリチウムイオンキャパシタ部が受け持ち、長時間の充放電をリチウムイオン電池部が受け持つことになり、瞬発力と持続力を両立した蓄電デバイスが可能になりました。

  2. サイクル寿命を約4倍に延長、リチウムイオン電池に近いエネルギー密度を実現

    開発した2種の複合型蓄電デバイスのうち、原理実証用の3cm×3cmセルでは、急速充放電でのサイクル寿命がリチウムイオン電池単独の場合に比べ約4倍(当社試作セルでの比較)と、大幅に向上しました。もう1つの実用性検証用の扁平巻回形10Wh級6cm×9cmセルでは、3kW/kgと高い出力密度を維持しながら、エネルギー密度が一般的な電気二重層キャパシタの約10倍、リチウムイオン電池に近い60Wh/kgが得られました。

今後の展開

開発した要素技術の最適化を進め、信頼性の検証や低コスト化を図って、当社製品群へ展開します。


特許

国内10件、海外4件 出願中

お問い合わせ先
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 業務部 広報・宣伝グループ

FAX: (06)6497-7289

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