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ニュースリリース

テキスト版

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

2010年3月11日
半導体1005

世界最高レベルの変調波形と光電変換効率

100ギガビットイーサネット用 直接変調DFBレーザーとフォトダイオードアレイを開発

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三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、25Gbps※1の光信号を4波多重して超高速光伝送システムを実現する100ギガビットイーサネット※2(100GbE)用の送受信デバイスとして、25Gbpsで動作する世界最高レベルの高品質な変調波形を持つ直接変調DFB※3レーザーと世界最高レベルの光電変換効率0.88A/W※4を持つフォトダイオードアレイを開発しました。

この開発成果の一部は、総務省の「超高速光伝送システム技術の研究開発」によるものであり、第57回応用物理学関係連合講演会(2010年3月17日20日)で発表する予定です。

  • ※1:Gbps(giga-bits per seconds):1秒間に10億個のデジタル符号を伝送できる通信レートの単位
  • ※2:100ギガビットイーサネット:国際規格としてIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)P802.3baにて標準化作業中の次世代超高速光伝送システム
  • ※3:DFB(Distributed Feed-Back):分布帰還型の意。回折格子の原理で光を干渉させ、特定の波長で光信号を取り出す構造
  • ※4:A/W(ampere per watt):フォトダイオードへの入力光強度1Wあたりに発生する電流値を示す光電変換効率の単位

開発の背景

情報化社会を支える光伝送ネットワークの通信量は急激なペースで増え続けています。現在、普及しているイーサネットの伝送速度は最高10Gbpsですが、通信量の増加に対応するため、最高100Gbpsのイーサネット(100GbE)がIEEEで2010年6月に標準化される見込みです。

この100GbEの方式のなかでも、近隣のデータセンター間や建物内で使用する100m10km程度の伝送には、1.3マイクロメートル帯の4つの25Gbps信号を同時に伝送して100Gbpsの伝送速度を実現する100GBASE-LR4※5方式が検討されており、送受信のための光半導体素子には、25Gbpsで動作する4つの発光素子(レーザー)と4つの受光素子(フォトダイオード)が必要になります。

当社は今回、100GbEの小型・低コスト化に貢献する25Gbpsで動作する直接変調DFBレーザーとフォトダイオードアレイを開発しました。

  • ※5:100GBASE-LR4:25Gbpsの4波長の光信号を最大10km伝送する100Gイーサネットの規格の一つ。比較的短距離の伝送であるため市場での使用数量も多く、より低消費電力が求められる

主な開発成果

  1. マスクマージン26%以上の高品質な直接変調波形を0.1W以下の低消費電力で実現

    25Gbpsで動作する半導体レーザーには、変調信号で直接駆動し、外部変調器の不要な直接変調DFBレーザーが低消費電力・低コスト化の点で期待されていますが、25Gbpsの速度では変調波形の品質が低下してマスクマージン※6が小さくなる問題がありました。

    今回、レーザー光を生成する活性層にAlGaInAs(アルミニウム・ガリウム・インジウム・砒素)を用いた埋め込み活性層構造を採用するとともに、活性層を短共振器化し、駆動電流密度の増大と高温動作時の活性層内電子の逃散を抑制することで、低消費電力かつ世界最高レベルの高品質な変調波形を実現しました。50℃の高温動作の時にも、平均動作電流45mAの低電流で、光出力9dBm、マスクマージン26%以上の高品質な変調波形を得ています。これにより、0.1W以下の省電力で100GBASE-LR4※5に準拠した最大10kmの光伝送が可能になります。

    • ※6:伝送規格ごとに定められた光波形の品質を表す指標の一つで、値が大きいほど品質が優れる
  2. 光電変換効率0.88A/Wの25Gbpsフォトダイオード4個を1チップに集積

    受光するフォトダイオードでは、高速応答を得るための光吸収層の薄膜化と光電変換効率が相反する関係にあり、25Gbpsの速度では十分な光電変換効率が得られないという問題がありました。

    今回、光吸収層を透過した光を反射して再び光吸収層で光電変換させる新たな高反射ミラーを開発し、25Gbpsの高速応答と世界最高レベルの光電変換効率0.88A/Wを両立しました。このフォトダイオード4個を1チップに集積したフォトダイオードアレイは、フォトダイオードを個々に実装した場合に比べ、受光モジュールの体積を3分の1程度の3cc以下に抑えることができます。

お問い合わせ先
三菱電機株式会社 半導体・デバイス第二事業部 高周波光デバイス営業部第一部

TEL: (03)3218-3331 FAX: (03)3218-4862

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