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ニュースリリース

テキスト版

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

2011年11月16日
電力No.1110

身体への負担が少ないがん粒子線治療装置

世界最高クラスの精密スキャニング照射法を開発

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 三菱電機株式会社は、がん治療に使用される粒子線治療装置用に、がん病巣へ世界最高クラスの精密照射ができる小スポットビームとハイブリッド・スキャニング照射法を開発しました。

 今後、実証試験などを行い2012年度から順次実用化を目指します。

陽子線治療装置イメージ図(回転ガントリー内)

陽子線治療装置イメージ図(回転ガントリー内)

ハウスマシン棟外観

ハウスマシン棟外観

開発の特長

1. 世界最小クラスの照射ビームスポットにより正常細胞への影響を低減
小スポットビームの開発により、陽子線の照射スポットサイズを世界最小クラスとなる従来比半分以下※1の約3mm(1σ、水中)※2を実現
炭素線の照射スポットサイズについても将来的には従来比半分以下※1の約1mm(1σ、空気中)※2を目指します
※1: 従来のスキャニング照射法との比較において(当社調べ)
※2: 1σ(シグマ)とは全体の約68%の粒子が存在するスポットサイズのこと。照射点近傍で水中を通過した場合の「水中」サイズと、空気中のみを通過した場合の「空気中」サイズの2種類の評価法がある
2. ビーム照射線量制御による連続照射を実現し、治療時間を短縮
ハイブリッド・スキャニング照射法の開発により、次の照射スポットへの移動中のビーム 照射線量を管理することで、病巣に沿った精密な連続照射を実現
連続照射により治療時間を短縮
3. 加速器から照射系まで、トータルシステム提供による高い安定性を発揮
加速器や回転ガントリー※3は、信頼性の高い従来の機器をそのまま採用
ビーム位置と強度の高い安定性を実現する加速器を提供
照射系装置内の真空化やヘリウム充填によりビーム散乱を軽減し、高精度化を実現
※3: 回転ガントリー:任意の方向からビームを照射するための装置

開発推進体制

 スキャニング照射技術を利用した治療装置の開発を推進するため以下の施策を実施しています。
(1)ハウスマシンによる陽子線治療装置の開発
 当社電力システム製作所(神戸市)内に粒子線高度利用研究棟(以下、ハウスマシン棟)を保有しており、現在ハウスマシン棟にスキャニング照射法の検証用実証機を製作中です。
検証試験終了後は運転技術員のトレーニングセンターとして活用します。
(2)群馬大学との共同研究
 当社製炭素線治療装置の納入先である群馬大学と共同研究を実施しています。
産学の力を結集して将来技術の開発を進めています。
お問い合わせ先
三菱電機株式会社
 原子力・医療システム事業部 先端・医療システム部

TEL: (03)3218-2466 FAX: (03)3218-9027

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