「スリランカの上水道向け広域監視システム普及促進事業」の概要

途上国の社会・経済開発への貢献に向けて、開発途上国の政府関係者などに日本の民間企業等が持つ優れた技術への理解促進を目的にJICAが推進する「開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業」の一つです。スリランカの国家上下水道公社(National Water Supply and Drainage Board、以下、NWSDB)を対象に、現地でのパイロットシステム(デモシステム)を用いた運用講習や日本での運用中システムの見学・研修、工場視察を通じ、水道施設の広域監視制御に関する技術・システムの理解を促進し、システムの導入を目指すもので、当社がJICAへ提案し2017年8月に採択されました。2019年3月にキックオフミーティング、及びワークショップ(体験型研修)をスリランカで開催、本事業の目的と体制を共有し、この度、神戸市の協力を得て本格的に本事業の取り組みを開始します。

事業の主な内容

  1. ワークショップの開催により、スリランカの上水道事業の自立的課題解決を支援
    • 日本とスリランカにおいて、NWSDBの技術者を対象に水道施設の広域監視制御に関するワークショップを開催
      (2019年6月20日(木)~26日(水)に日本で開催するワークショップでは、6月24日(月)に神戸市水道局の浄水管理センターを視察し、実際の日本の水処理技術を紹介)
    • スリランカの上水道事業の課題を明確化し、意識の向上と自立的な課題解決を支援
  2. 日本の先進技術・ノウハウの提供により、スリランカの水処理技術を向上
    • メーカーである当社から監視制御、運用支援を中心とした先進の水処理技術を提供
    • 神戸市水道局から監視制御システムのユーザー視点に立った水処理設備の運用ノウハウを提供
  3. 現地企業を活用したパイロットシステム導入により、持続可能な体制構築を支援
    • スリランカ西部州のDehiwala(デヒワラ)、Kalutara(カルタラ)地区配水施設に水質・水量の計測機器と計測データの通信・監視を行うパイロットシステムを導入(2019年10月導入予定)
    • パイロットシステムの機器調達、ソフトウエアプログラミング、据付および保守において現地企業を活用し、現地企業の技術力向上と持続可能な保守・サービス体制構築に貢献

取り組みの背景

当社は2003 年から水環境事業のグローバル展開を開始し、これまで6つの国や地域に100件以上の水処理関連システムを納入しています。発展途上国への技術支援に向けて、2015年に当社がスリランカの水処理技術に関する調査と現地ヒアリングを実施した結果、水質・水量のデータ活用が進んでいないことが判明しました。スリランカでの安定給水・水質改善には、水道の広域監視システム導入に加え、現地での水処理技術の向上、安定的な水供給に対する意識醸成が必要と考え、JICAへ提案したものです。

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三菱電機株式会社 社会システム海外事業部
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