スポーツでも仕事でも、目的の達成には「脳の機能」が深く関与しています。人間の能力には「達成の法則」というものがあり、この法則は北京オリンピックで日本代表水泳チームの金メダル獲得にも効果を発揮しました。
人間の才能は坂道のボールのようなもので、何もしなければ向上せずに坂を下っていくばかりですが、頑張って力をつければ坂道を登っていけます。ただ、頑張っても最後まで達成できない人と、やれば必ず達成する人がいます。その違いは何で決まるかというと、「脳」の働きで決まるのです。
たとえば、「金メダルをとります」と言っても、それだけでは何をどうやって金メダルをとるのかが不明確なため、脳は何をして良いのか分からず、具体的な達成へのアクションが起こせません。そればかりか、「金メダルをとれないかもしれない」という否定的な考えが生まれる可能性もあります。そうなると人間には自分を守りたいという自己保存の本能が働くため、成功しなかった場合のいい訳を考えだしたりするので、達成へ集中できず、脳は十分に能力を発揮できなくなります。
つまり「目的」を達成するには、そのために何をするのか、具体的な「目標」を決めることが必要です。目標をはっきりと決め、それに集中することで、脳はすごい力を発揮します。
特に大事なのは「達成の仕方」です。ただ単に目標を達成する、しないではなく、どういう達成の仕方をするかということに力を注がなければいけません。例えばスポーツでも勝ち負けではなく、「勝ち方」にこそ勝負を挑むのです。勝ち方に勝負をかけている人は、その勝ち方に納得いかなければ、勝っても満足しません。自分が勝ったとも思っていません。だから、次こそ納得のいく勝ち方をしようと、さらに大きな目標を達成していけます。
私はオリンピックの選手たちに対しても、「勝ち負けではなくて、勝ち方に勝負をかけるんだ。みんなが感動するような勝ち方をするんだ」と言ってきました。



