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お客様導入事例

自社の強みを活かすために、
省エネは一つの手段になる。
~進化する省エネのあり方を追求~

株式会社テック様

株式会社テック様

映画「時をかける少女」やアニメ「たまゆら」、ドラマ「マッサン」等で全国に名を知られるようになった広島県竹原市は、別名「安芸の小京都」とも呼ばれます。この竹原市で1986年に電子部品の加工事業をスタートさせ、現在は光学フィルムの生産加工で独自の路線を行くのが株式会社テック様。液晶ディスプレイに使用される偏光フィルム加工などに強みをもつ同社は近年、省エネ設備改修で大きな効果を挙げました。その概要をご紹介します。

  • 省エネ補助金活用
    平成26年度「地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金」
    地域工場・オフィス・店舗等省エネルギー促進事業(B類型)、平成27年6月採択
  • 省エネ効果(消費電力量ベース)
    更新前(2014年7月~2015年6月)2,596,200kWh/年
    更新後(2016年7月~2017年6月)1,926,408kWh/年
    削減量 669,792kWh/年
    削減率 25.8%
  • 設備更新によるエネルギー削減実績(消費電力量ベース)
  • 工場各棟の概要(面積表示は延床面積)

補助金を活かして効果的に省エネ

Q設備更新で大きな省エネ効果を得られたと伺いました。
具体的な省エネ率とペイバックはどれくらいですか?
A直近の省エネ率が25.8%です。計画時の目標削減率は
17.6%(467MWh/年)ですが、当社会長からは「20%は死守してほしい」と頼まれていたので、計画値を大幅に上回ったことは嬉しいです。補助金申請に際して助力を得たコンサルティング会社の費用を含めて考えても、「4年でペイバックできる」といえます。夏季は難しいですが、冬季にはかなりの省エネ効果が得られました。
  • 計画時目標削減率17.6%(467MWh/年)の構成内容
Q省エネに大きく成功した主な理由はなんでしょうか?

株式会社テック
システム開発課主任 木原光典様
A空冷チリングユニットやパッケージエアコン、LED照明など、高効率機器に適切に更新できたことと、クリーンルームの加湿方式の変更でしょうか。加湿方式を熱式から噴霧式に変えたことはかなりの省エネになりました。従来は高温蒸気を空調にミックスする方式で、スケール対策も必要でした。今回、純水をエアーに乗せて噴霧する方式に変更したのです。
QB棟の空冷チラーの更新をはじめ、省エネ計画の経緯について教えてください。
Aチラーは更新時期を迎えたので、更新計画を立てました。1台しかなく、壊れるとB棟のクリーンルームは使えなくなる、という状況を打開したいこと、また散水は開始していましたが、大掛かりな省エネはできていなかった背景があります。当初はチラーと一部のLEDを更新するだけと考えており、次段階でこれにEMSをつけて補助率2/3への引き上げをねらったのです。「それなら照明全灯をLED化し、A棟の空調すべても更新対象に」と会長から指示が出て、最終的には「A棟パッケージエアコンの更新+B棟チラー系統の更新、加湿方式の変更、ほぼ全棟の照明更新」と、大規模な計画に変更しました。
クリーンルーム内部

クリーンルーム内部。B棟1階は空冷ヒートポンプチラー(更新済み)、2階はパッケージエアコン(更新予定)で空調。A棟はパッケージエアコンのみ。照明は全棟LEDに更新された

今回の省エネ更新の要となった、更新後の空冷ヒートポンプチラー。三菱電機のコンパクトキューブe-seriesが採用された。機種選定では狭小スペースへの設置性が決め手だった
※ DT−Rへの移行に伴い、現在は生産中止品

A棟の空調は三菱電機の汎用パッケージエアコン高COPタイプに更新(一部はスリムZR)。室内ユニットは床置形、室外ユニットは外壁沿いに設置

Q各社からの提案の中で当社のプランが採用された理由はなんですか?
A大きな決め手は、①生産を止めずに更新工事ができる提案だったこと ②補助金の提案があったことです。当初は、既設のチラーと同メーカーに更新計画を依頼しましたが、高額なので合見積もと考え、三菱電機にも声をかけました。チラー自体は他メーカー品も検討はしましたが、結果的に三菱電機の提案が一番よかったので採用しました。キャッチボール式でいろいろな依頼に応えていただいたこともよかったと思います。
  • B棟チラー系統 システム概要【更新前】

  • B棟チラー系統 システム概要【更新後】

    ※1 冷却消費電力=61.6KW
    散水無し、冷水出口温度7℃、冷水出入口温度差7℃、外気温度35℃の時(同上、散水有りの時:冷却消費電力=41.7KW)
    ※2 暖房消費電力=64.8KW
    温水出口温度45℃、温水出入口温度差7℃、外気温度0℃の時

「省エネ」の考え方と今後の推進方法

Q「省エネをどこから着手するか」はどのお客様にとっても大きなテーマです。今回、当社と三菱電機ビルテクノサービスでは、工場のエリアや機能を細分化して現状の問題点を見つける手法を取りました。既存設備の省エネ改修を前提にテック様からいろいろなご要望をいただき、それらへの対応を考えることが好結果につながったと思います。今後の省エネ対策についてどうお考えですか?

株式会社テック
専務取締役 松下琢哉様
A省エネは「投資して効果を得るもの」と認識しています。大きく投資して大きな効果を得たのが今回といえるでしょう。エアーリーク対策など、今後も省エネの“ネタ”はいくらでもあります。どこからやるか、どこまでやるかが考えどころですね。省エネだけではなく品質向上も図りたいものです。
Q具体的な改善の着眼点としては何が挙げられますか?
Aたとえば「湿度対策」です。フィルムの吸湿による反りを防ぐためにラップするのですが、恒温恒湿状態が作れれば解決できます。加湿や除湿の装置が不要になれば省エネにもつながります。今回、加湿方法を変更して省エネに成功したので、将来的には除湿も見直して電力をセーブしたいと思います。
また、「空調」もまだまだ改善できます。B棟の空調機の更新は計画済みですが、それ以外でも、外気温が変わるたびに人手をかけて調整するのではなく、人の介入を減らす方向に変えていきたいと思います。夏はチラーで冷水をつくり、冬はヒートポンプで温水をつくって空調している以上、人為的な操作がゼロにはなりませんが、省力化はできるはずです。それから、クリーンルームの空調は24時間365日稼働ですが、ラインが稼働していない時はフルパワーでなくてよいかもしれませんね。
※ 温度・湿度が一定に保たれている状態

ドライフォグ噴霧ユニットと純水器。A棟1階とB棟1・2階の加湿方式の変更は大きな省エネ効果を上げた

QEMSのご活用についてはいかがでしょうか?
A今回は設備更新がメインだったので現場があまり努力しなくとも省エネ効果が上がりましたが、これからは運用による省エネも重要になります。そのためには、EMSをもっと活用する必要があります。「エネルギーの見える化」ができることは強みなので、一般社員に省エネの効果がわかるようにしたいですね。そうでなければ省エネは長続きしませんから。「考えてわかる」のではなく、「見てわかる」見える化を、と思います。今後、工場内の設備更新が進むに連れて、省エネの成果を数字で出すのは徐々に厳しくなるはずです。だからこそ社員全員で尽力するとともに、今後も三菱電機グループと二人三脚で省エネ対策を検討していきたいと思います。

EMSは三菱電機ビルテクノサービスのFacima BAシステムを採用。接続されたAE-200Jで空調の省エネ運転を実施中

創業者・水戸会長インタビュー

ものづくり企業の経営と省エネ

株式会社テック 代表取締役会長 水戸裕孝様

人間力

当社の現在の主力事業の一つは偏光膜など機能性フィルムの加工です。製造の海外シフトが進む中、国内で加工を担うのは2社だけです。その1社として当社が残った理由は、徹底したQCD(quality, cost, delivery)の追求と、それを構築する「アセンブリ技術と人間力の融合」だと思います。人間力というのはものづくりの根底を支える力。それを涵養するのは家族と考え、創業以来ずっとファミリー的経営を実践してきました。

株式会社テック 代表取締役社長 水戸裕孝様

株式会社テック 代表取締役会長
水戸裕孝様

コストダウン

QCDを追求する際、Cの引下げに直結する省エネは極めて有効です。今回の省エネ改修で年間約1,000万円が削減できました。電気代は売上げの2割に相当するため、前年比25%も削減できたことは大きな成果です。また、当社は「ひとり1時間あたりの売上高(6,500円)」を生産性の指標としています。具体的な指標を示すことで、作業者は目標を理解して達成しやすくなります。“理解” は売上や品質の向上に役立ちます。省エネなら「見える化」が推進のカギなのです。

地域貢献

竹原市は、良質の水と米に恵まれて酒造業が栄えた土地。うちも家系を遡れば酒造家でした。テックのTは竹原のTです。地元の企業として、これからもQCDを追求し、技術力と人間力に磨きをかけ、地域経済の活性化や雇用の創出に貢献していきたいと思います。

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