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三菱電機グループ導入事例

Vol. 03 兵庫県姫路市

三菱電機株式会社 姫路製作所

三菱電機株式会社 姫路製作所

運転ロスをなくす細かなチェックの徹底とともに、大型施設に省エネ投資することで効果が上がります。

省エネ実績

2年間(2003~2005年度)で電力原単位を10%削減

もともと熱・電気ともに第一種エネルギー管理指定工場であった姫路製作所は、「姫規」と呼ぶ基本規程の中にエネルギー管理規程をもち、電気容量100kW以上の設備は使用量届出を義務づけるなどの管理をしている(現在では「特定エネルギー消費設備」として、容量100kW以上の生産ラインも電力測定を可能にして届け出るように移行中)。組織的かつ継続的な省エネの取り組みの中、設備面での省エネ更新も積極的に行い、2003年度以降、電力原単位を着実に削減。直近の2005年度、電力原単位は0.460(千kWh/百万円)で対2003年度比10%減となった。

省エネ効果(電力原単位の推移)
2000 2001 2002 2003 2004 2005
原単位 0.548 0.550 0.505 0.512 0.486 0.460
電力原単位は2003年度0.512→2005年度0.460と、10%減

事業概要と省エネ対策の背景

世界有数の自動車用機器工場として、市場ニーズの変動に対応

1943年に神戸製作所の分工場として設立された姫路製作所は、戦時中は航空機やエンジン用電装品を製造、戦後は専門工場として独立して自動車用電送品の生産を始め、長らくオルタネータ、スタータ、ディストリビュータの3点電装品が主要製品であった。現在では世界有数の自動車用機器工場であり、電気・電子技術の進歩とともに、エンジン制御製品、ABS・パワステなどのシャーシ制御製品、モータ・センサ・ETC車載器など、カーメカトロニクス分野、さらにはPLCやクラッチなど産業用機器へと事業領域は拡大してきた。
しかし一方、自動車産業界は再編を背景に価格や品質面での競争が激しさを増し、製品の開発とフレキシブルな生産体制の強化は重要な課題になりつつある。三菱電機では姫路・三田の両製作所の先行開発部門を集結させた自動車機器開発センターの設立や、海外工場との相互補完体制の確立により、このような時代の変化に応じるべく対策をとっている。
敷地15万m2(新設工場を含む)・従業員5000名(関連会社を含む)という大型工場である姫路製作所では、当然、工場全体のエネルギー管理体制を強化するとともに、老朽化した施設の更新や、供給側設備・ユーティリティの省エネ対策にも力を入れている。

製品ラインアップ
姫路製作所の生産ライン

省エネの考え方と骨子

電気だけでなくガスも氷蓄熱も有効利用。設備更新と運用の工夫も必要です

生産管理部 施設管理課 専任
金屋元三 談

機械室の配電盤にも表示器がとりつけられ、エネルギー動向が「見てわかる」

私たち生産管理部は動力供給を担っていますから、大きな施設で対策をとると省エネ効果が大きいことはよくわかります。最近では一年中空調が必要なクリーンルームのような施設もあるため空調機だけで合計8,000kWくらいの電気容量があり、夏場のピーク時には毎時25,000kW、中間期でも17,000kWの電力を使います。この高効率化を図れれば対環境対策としてもいいのですが、熱負荷が大きすぎて排熱がうまくできていない状態です。逆に新第三工場では、本来2,000kWクラスの空調が必要なところ、700kWで済ませています。ガスエンジンコンプレッサ(280kW×2)の排熱を回収して冷温水・空調に利用したり、ガス吸収式冷凍機、ガスヒートポンプエアコン、氷蓄熱チラーなど、さまざまに活用しているおかげですね。
もっとも、空調管理については集中制御ではなく、個別制御です。百葉箱で温度センシングをして何度になったら空調OK、という発令は総務部が出しますが、あとは現場の上長の判断に委ねています。暑くて生産性が落ちるようでは元も子もないので。照明は反対に自動制御を増やし、人感センサーをトイレや階段室・廊下を中心に現場を巡回して設置しました。
モータの高効率化はこれからです。5.5kWの標準タイプを高効率モータに交換することで年間およそ13,000円の電気代が節約でき、価格差を考えても老朽化での更新なら半年でペイバックできます。やがてはファン・ポンプへも広げていくつもりです。あとは、プレス用加工モータが200kWクラスなんですが、どうやって消費電力を減らすか思案中。炉の熱処理も、立ち上げ時間を短くするにはどうしたらいいか。電気炉をガス炉に変えれば省エネにはなるんですが・・・。現在、巻線ラインに入っているエアブローの低圧ブロア化も検討中です。
現在、製造部の中に約20の工作課があり、休止ラインでエアー漏れがないかなど、省エネパトロールでチェックしています。こういう地道な活動と、下地処理工程で水を回収することで節水と省エネを図るといった運用場の工夫、そして老朽化に伴う設備の省エネ更新、これらをバランスよく組み合わせて省エネに取り組んでいきたいと思います。

具体的な省エネ手法 STEP1

運転ロス改善と運用の工夫、ダウンサイジングによる省エネ

圧縮エアー漏れの改善

空気圧機器や配管を保修、エアー漏れを27.1m³/分削減

改善効果

投資額(保修費)8,500,000円で
エアコンプレッサモータの年間消費電力量を
1,308,000kWh低減
年間の電気代を15,696,000円削減

真空ポンプの昼休み停止

センサー加工ラインで使用する真空ポンプを昼休みの45分間停止する

改善効果

年間の消費電力量を72,450kWh低減
年間の電気代を869,000円削減

(真空ポンプの運用方法の改善のみなので、投資はなし)

大型排気ファンのダウンサイジング

第2工場の換気用の大型排気ファンを、小型排気ファンの分散設置に変更
(局所排気の活用で共通分は容量を引き下げる)

1~3階共通、75kWと45kWを東西に各1台 1階用11kW×2台、2階用3.7kW×2台、3階用:1.5kW×2台
改善効果

投資額6,648,000円で
年間の消費電力量を525,312kWh低減
年間の電気代を6,304,000円削減

(個別制御もできるので省エネ効果は大きい)

具体的な省エネ手法 STEP2

老朽化に伴う高効率タイプへの設備更新を進める

照明の高効率化

第1工場1階の天井照明機器をHFインバータ式のものに交換

ラピッドスタート型110W2灯式蛍光灯66台 HFインバータ型45W2灯式蛍光灯98台
改善効果

投資額1,527,000円で
年間の消費電力量を34,632kWh低減
年間の電気代を416,000円削減

(電気代は12円/kWh低減として計算)

高効率変圧器への転換

局部変電所の変圧器を高効率タイプに更新

500kVA(3,300/210V)の変圧器 1984年製2台、1991年製・92年製各1台、合計4台 2005年製の同仕様のスーパー高効率変圧器に更新
改善効果

投資額3,250,000円で
年間の消費電力量を23,493kWh低減
年間の電気代を282,000円削減

最後に

2002年度~2005年度の新規効果分にしぼった省エネ量の集計報告書を見て、その記載の細やかさと合理性に驚いた。そしてそれが生産管理部だけでなく各担当部署でそれぞれにあるのだときいてまたビックリ。なるほど、年間のエネルギーコスト(電気代)が10億円超にもなる大きな工場であれば、省エネというのは生産性とイコールなのだ、やらなければ競争力が落ちるのだと、細い文字と数字の羅列を見てなぜか妙に納得した瞬間である。そして「空調の管理は各部署に委ねている」という話をきいて、最新の快適な建屋ばかりではない工場内での省エネ対策の大変さに思い至った。

省エネ量の集計報告書

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