REPORTER
三菱電機株式会社 東北支社
事業推進部 総合営業課 谷 柊星
事業推進部
詳細を見る
秋田生まれなので、今回、復興支援という形で東北にスポットが当たることを嬉しく思っています。東北は美味しい食材の宝庫。これを機に、全国に広がっていけばいいなと思います。郡山工場を訪ね、三陸・常磐ものの水産物を使った社食の取り組みの現場とそこに携わる人たちの想いをお伝えします。
HIGHLIGHT AREA
東北支社
詳細を見る
1947(昭和22)年に、三菱電機 仙台事務所として開設された東北支社は、東北6県(一部新潟県を含む)を担当エリアとし、グループ会社・販売代理店と連携しながら、電力、FA・配電制御機器、社会インフラ・交通、昇降機・ビルシステム、セキュリティ、通信、映像情報など、幅広く事業を展開しています。事業を通じて、地域に密着した社会貢献活動に取り組むとともに、東北の復興支援、発展に貢献することを目指しています。
掲載されている情報は、
東北支社では、東北エリアの震災復興を支援するため、さまざまな貢献活動に取り組んでいます。これまでの活動実績を振り返りながら、今回の「三陸・常磐ものネットワーク」の取り組みへの思い、今後の社会貢献活動に向けた展望とともに、東北エリアの食の魅力、美味いもの自慢を語っていただきました。
復興支援の現在地
吉田/昨年から震災復興支援に関係する業務を担当することになり、微力ではありますが、宮城に生まれ育った者として喜びを感じています。三菱電機では、2011年の東日本大震災以降、コロナ禍で社会活動が止まった2020〜2021年を除き、毎年、被災地や被災者の方々に対する復興支援活動を続けています。気仙沼や南三陸町、石巻などにおけるボランティア活動をはじめ、被災地の農業や漁業のお手伝い、草の根募金活動「SOCIO-ROOTS(ソシオルーツ)基金(※)」を通じた被災地の子どもたちへの支援、東北の物産品を社内販売する「復興支援マルシェ」、バスケットボールチームやテニスチームによる東北でのクリニック活動などに取り組んでいます。先日、当社コミュニケーション・ネットワーク製作所郡山工場と合同で行われた福島県新地町の埓浜(らちはま)防災緑地における里山保全活動や、仙台市の広瀬川の清掃活動などは、従業員のみならず、子供たちも含めた家族で参加しています。
谷/私は以前、石巻や南三陸、女川、気仙沼など、宮城の沿岸部を営業で担当していたのですが、車を運転していて、建物がなくて広い原っぱが続く景色を目にすると、復興は未だ途上と感じます。
田中/震災時には、郡山工場も被害を受けており、復旧するまで食堂で製品を組み立てるという状況が1年ほど続きました。私たち東北支社は、震災で甚大な被害を受けた東北地方、特に人的被害が最も多かった宮城県を担当エリアとしており、仕事を行う上では、常にそのことを胸に刻み、震災に関する知識、被災地や被災者に寄り添う気持ちを、それぞれの心内に持ち続けていく必要があると思っています。
※1992年からスタートした「三菱電機SOCIO-ROOT基金」は、従業員からの寄付金に対して会社が同額の上乗せをして倍にする基金。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/sustainability/philanthropy/welfare/socio-roots/index.html
東北エリア、美味しいもの自慢
吉田/今回の「三陸・常磐ものネットワーク」の取り組み(※)は、エリアを限定せず、全国規模で復興支援活動に参加できるので、東北人としてはとても有り難く思っています。
田中/被災地支援はもちろんですが、純粋に東北の美味しいものを、多くの人に食べていただけるのが嬉しいし、ぜひこの機会に食べて、知っていただきたい、そういう思いでいっぱいです。4月に着任し、すべて食べ尽くしたわけではありませんが、美味しいものが豊富なので、私自身、いろいろ発見していきたいと思っています。
※ 「三陸・常磐もの」の魅力発信・消費拡大を図るための全国的なネットワークを構築し、三陸・常磐地域の水産業等の復興・発展につなげるプロジェクト
https://sjm-network.jp/
吉田/東北にはきれいな海と山があり、そこで獲れる新鮮なものがすぐに市場に並びます。私のオススメは、「サンマ」。三陸沖、特に気仙沼、釜石、大船渡では、秋口に「サンマ」の水揚げが多くなり、スーパーでも大ぶりのものが買えます。この脂がのっていてジューシーなサンマの刺身が何より美味しい。刺身の中では、サンマが一番だと思います。一度食べたらやみつきになる味です。その他のオススメは、鮭の身をほぐして炊き込んだご飯の上に、はらこ(イクラ)をのせて食べる宮城の郷土料理「はらこ飯」。煮込んだほっき貝を、その煮汁で炊き込んだご飯にのせた「ほっき飯」。宮城県は美味しいものが豊富です。
田中/先日、家族が遊びに来たので、松島海岸や塩釜に足を伸ばしたのですが、海のもの、特にお寿司は美味しかったですね。風光明媚な場所ですが、震災の被害を大きく受けており、所々に「ここまで津波が来ました」という表示を見かけると、その現実を実感し、身が引き締まる思いでした。
三菱電機の使命
田中/三菱電機の使命とは、手がけている事業を通じて社会に貢献することで、そのポリシーは愚直に続けていかなければなりません。社会貢献は、企業が果たすべき務めであり、特に東北支社は、東日本大震災で被害を受けたエリアなので、私たちとしては、社会貢献活動を通じて復興を支援していくことも使命と考えています。
時が経つほど、人々の記憶は遠くなっていくので、震災を風化させないためには、さまざまな取り組みを続けていくことが大切です。その時、原動力となるのは、従業員一人一人の“想い”です。みんなが意識して、参加したいと思えるような取り組みにしていくには、今回のような身近に関心を持ってもらえるきっかけ・環境づくりが大切だと思います。
吉田/私は元警察官で、震災当時、海岸線の捜索活動に参加するなど、現場にいました。縁あって、こうして震災復興に関わる仕事をさせていただいていますが、時が流れ、被災地にも建物が立ち、目に見える風景が変わってくる中で、人々の記憶が風化していくのがいちばん怖い。こうした社会貢献活動を通じて、震災のことを思い返し、寄り添う気持ちを持ち続けていただけるよう、一人でも多くの社員の方に参加していただきたいと思います。
田中/震災復興支援の1つである、こうした取組(三陸・常磐ものの消費拡大への協力)は、東北エリアの郡山工場だけでなく、全国の三菱電機に広がっており、今後さらに当社のみならず、社会貢献を考える他の企業にも広がり、仲間が増えて盛り上がっていくといいですね。それぞれの地域で大きなうねりになっていくのを期待しています。谷さんには、ぜひ社食づくりの現場を見てきていただきたい。よろしくお願いします。
谷/承知しました。しっかりリポートしてきます!
事業を通じて社会に貢献する、三菱電機
東北エリアには、エネルギーコスト、人手不足・労働力不足、そして、内陸側のインフラ設備の老朽化という3つの大きな課題があります。こうした課題に対するソリューションとして、電力会社向けの提案、電力利用者向けの省エネ関連機器・システムの提案、人手不足の課題に対するロボットやファクトリーオートメーションを組み合わせた自動化の提案、インフラ向けの提案として、トンネルや橋梁などの構造物の老朽化に対するレーザー技術を駆使した検査・診断技術など、三菱電機は、多岐にわたる製品、機器、ソリューションを手掛けており、社会インフラから、ものづくり、屋内の快適な環境づくりまで、全方位の事業展開で社会課題の解決に向けて貢献しています。
“三陸・常磐もの”とは、岩手から宮城、福島、茨城にかけての東北沿岸海域で獲れる魚介類などの水産品のことを指します。三陸から常磐にかけての海は、黒潮(暖流)と親潮(寒流)がぶつかる潮目がある世界的にも稀な海域で、世界三大漁場の一つとして知られています。2つの海流で育った魚たちが集まる豊かな漁場として、四季を通じて美味しい海の幸に恵まれています。
東北の海で育った三陸・常磐ものの海の幸には、大型のブリ、マグロをはじめ、夏にはスズキ、カツオ、秋はヒラメ、サンマ、冬はアンコウ、メヒカリなど、年間を通じて美味しい魚が水揚げされています。
社食のお弁当は、
こうしてつくられる
朝7時、社食のお弁当づくりが始まります。郡山工場にある厨房では、調理を担う人たちが、お昼までの限られた時間の中で、それぞれの担当作業を手際よく進めています。厨房には、調理の音と静かな活気が溢れています。
お弁当ができるまで
三陸産茎わかめの磯風味かつ /
三陸産サーモンマヨフライ
約360人分のカツとフライを小分けにしながらフライヤーに投入し、きれいに整列した状態で、丁寧に揚げていきます。
ブロッコリーのピーナッツ和え
ブロッコリーを茹で、冷却機にかけて冷ましてから、茹でた際に含んだ余分な水分を軽く絞り、大きな回転釜で調味料と和えていきます。
つけ添え
5名のスタッフが横に並び、ベルトコンベアが運んでくるお弁当箱に、それぞれが担当するおかずの枠に丁寧に盛り付けます。盛り付け見本を参考に、分量は手先の感覚と目で見極めながら収めています。誤差は、わずか2〜3g程度、ほぼ規定どおりだそうで、まさに熟練の技です。
食の担い手としての思い
谷/皆さんは、今回の取り組みに対して、どのような思いで参加されているのでしょうか。
布山/食に携わるものとして、宮城、福島の水産業の復興・発展というのは、常に意識してきたことなので、今回の三陸・常磐ものの魅力発信、消費拡大を目的とした取り組みには強く賛同しています。
鴫原/私は福島県・郡山市出身で、震災時も郡山にいました。三陸・常磐ものの取り組みを知り、こうしたことを機に、東北エリアの復興が、皆さんの意識の中に刻まれて、忘れられることなく続いていくといいなと思います。
佐久間/食を担う立場として、作ったものを食べていただき、広くPRできて、消費拡大につながることで、少しでもこのエリアが震災前のような状態に戻るのを願っています。
美味しさと健康を考えながら
谷/メニューを考える上では、どのようなことに留意されていますか。
鴫原/三陸・常磐ものの食材を一覧表から選んで、まず主菜を決めます。お弁当には副菜が4枠あり、一つは「漬物」と決まっているので、そこは日替わりで入れながら、その他の副菜を決めます。福島県は塩分の摂り過ぎで高血圧の人が多いので、お昼のメニューだけで塩分を3g以下に抑える設定指示があり、塩分とカロリーには注意しています。
佐久間/東北地方の特徴だと思いますが、皆さん、濃い味がお好きなので、塩分を抑えると、大半の方は薄味に感じると思います。作り手としては、薄味でも、食べた後に満足感を持ってもらえるように、例えば、ソテーであれば、少し胡椒を効かせたり、辛味を強くしたりして、食べ応えを感じられる工夫をします。玉ねぎなどの調理食材も、なるべく近隣で獲れる地の物を使うようにしています。
鴫原/今日のメニューは美味しかったという声を聞くと、嬉しいですね。郡山支店独自の「鳥の唐揚げ胡麻味噌和え」、中華風春雨スープの「オリジナル・タイピーエン(太平燕)」は人気メニューです。三陸・常磐ものを使ったメニューでは、「明太子クリーミーフライ」が好評です。これまで三陸・常磐ものは主菜のみのご提供でしたが、8月から取り扱いエリアが青森から千葉まで広がったので、副菜も含めて種類が増えました。わかめや海藻サラダ、和え物を加えて、できれば、月に1度は全メニューを三陸・常磐もので構成できたら、もっとアピールできるのではないかと思っています。
三陸・常磐ものの
美味しさを広めていくために
谷/今後、この取り組みに、どのようなことを期待しますか?
鴫原/お弁当で食べたメニューが美味しかったので、レシピを教えてほしいと言われることがあり、家庭でも作れるようなメニューを提供したいと思っています。お弁当をきっかけに、家で作って家族に食べてもらい、話題にしていただくことで、こうした取り組みが広がっていくといいですね。
佐久間/今後、お弁当のレシピが増えることで、もっと三陸・常磐ものの美味しさを知ってもらえるといいなと思います。
私自身は、あまり買い物に行かないので、これを機に、家族には三陸ものの魚などがあれば買うように勧めたいと思います。
布山/震災で被害を受けた地域として、地場の問屋さんや生産者の方にもご協力いただきながら、間口を広げ、流通も絡めて社内外に拡大していけるといいなと思っています。
谷/東北には、ぞれぞれの地域に美味しい特産物があるので、地域を根っこから応援できるような活動を進めることが大切で、こうした取り組みを継続していくべきだと強く感じました。今日は、とてもいい経験になりました。ありがとうございました。
今回の「三陸・常磐ものネットワーク」の取り組みにご賛同いただき、人気のフライメニューなどの食材をご提供いただいている仕入れ先の皆さまに、コメントをいただきました。
株式会社ヤヨイサンフーズ
首都圏営業部 第2課/遠山 秀樹さん
弊社の気仙沼工場がある三陸地方は、海産物が豊富で水揚げ量が多いので、お客様がイメージしやすいカツオや茎わかめなどの水産食材を選定して商品開発を行っています。実際の商品づくりでは、食材の持つ風味や食感を生かすよう心がけています。気仙沼産のビンナガマグロを使用し、生地にマスタードソースを重ね、ピリッとしたアクセントとサクッとした衣の食感が特徴の「気仙沼産マグロのマスタードカツ」、気仙沼産のカツオに丸大豆醤油・砂糖で下味をつけ、細かく刻んだ玉ねぎを混ぜ、生姜の香りを効かせることでカツオの旨みを引き立てた「気仙沼産カツオカツ」、そして、今回、お弁当でご提供した「三陸産茎わかめの磯風味カツ」など、三陸産・気仙沼産の商品ラインナップを豊富に揃えています。こうした取り組みをきっかけに、三陸産の魅力に気づいていただけると嬉しいですし、今後も、より多くのお客さまに東北の食材の新しい価値をお届けできるよう商品づくりに取り組んでいきます。
生産本部 気仙沼工場 工場長/小野寺 瑞樹さん
弊社は、2020年に気仙沼工場を稼働し、この地域における産業及び雇用を担い、地域復興の一助にしたいと考えてきました。東北エリアの復興支援の取り組みを実施していただけることは、とても有り難いことですし、気仙沼港で水揚げされた原料を使用した商品を通じて、地元食材の魅力を全国にお届けできることを誇りに思っています。
株式会社極洋
商品開発部 業務商品開発課/平山 貴之さん
弊社グルーブである極洋食品(株)塩釜工場は約43年の歴史があり、周辺に住む方が従業員として働く、地域とのつながりが強い工場です。今回、ご提供している「三陸産サーモンマヨフライ」も、この工場で作られています。使用している銀鮭は、宮城県の主力の養殖魚で、冷蔵の生食用として、さまざまな銘柄で販売されており、お寿司や刺身などに使われます。弊社では、中骨の間に残った身の部分、いわゆる「中落ち」を使用しています。従来、中落ちは廃棄されていたため、SDGsの取り組みの一環として、石巻の業者の方と話をし、弊社で商品化しています。原料から目を通し、処理の段階で使用しても良い原料だけを厳選して、味にこだわりを持って作っています。塩釜とのつながりが強い重要な拠点なので、今後も新しい取り組みに挑戦したいと思います。
業務食品部 業務食品第一課/平本 有里さん
入社がちょうど塩釜工場を建て直した後で、震災から5年ほど経っていました。新入社員時代、工場で働いていたので、個人的にもすごく愛着があり、こういう機会に三陸の思いを取り上げていただき、従業員一同、感謝しています。今後も、三陸・常磐ものを使った商品を継続してご提供し、復興支援に貢献していきたいと思います。
郡山工場のお昼。従業員の皆さんは、どんな想いで社食のお弁当を食べているのでしょうか。ランチタイムの様子をリポートします。
三菱電機株式会社
コミュニケーション・ネットワーク製作所
総務部 郡山総務課
木村 禎佑さん
東北出身ではありませんが、お弁当で東北の食材を使った料理を食べられるのは楽しみです。魚介類が新鮮なので、こうしたフライ系のメニューは美味しいし、ご飯が進みます。いわきの海はアンコウが獲れると聞いたので、お弁当のメニューとしてはちょっと難しいかもしれませんが、検討していただけたら、嬉しいです。三菱電機は全国に拠点があるので、こうした取り組みが他にも広がるといいと思います。
三菱電機株式会社
コミュニケーション・ネットワーク製作所
総務部 郡山総務課
前川 拓朗さん
茎わかめを使った新メニューは、食感がいつもと違って新鮮でした。お気に入りは「唐揚げの胡麻味噌和え」。ガッツリ食べたい派なので、ご飯がススム系のメニューは大好きです。福島県出身として、地元の食材を使った取り組みは、復興支援の一つの形として、とても嬉しく思います。
食材が増えて、地元料理をアレンジしたメニューなどもあると、地域のことに興味を持ってもらえるのではないかと思います。震災の記憶は薄れていくと思うので、こうしたことをきっかけに、被災地に思いを馳せていただけると嬉しいです。
三菱電機株式会社
コミュニケーション・ネットワーク製作所
総務部 郡山総務課
倉石 久さん
今日のおかずも大満足。こうした新メニューは大歓迎です。塩分控えめのメニューがある中で、私が楽しみなのは、揚げ物です。東京都出身で、3年前に名古屋から赴任してきました。東北はとても住みやすいところで、食べ物もお酒も美味しいし、こういった取り組みを通じて東北のことを知ってもらい、ぜひ足を運んでもらえればと思います。
三菱電機ライフサービス株式会社
郡山支店 支店長
六角 修さん
お弁当をご提供する立場としては、こうして皆さんと対面して、美味しく食べていただいている風景を間近で拝見する機会は、なかなかありません。つくり手としては、すごく励みになりました。三陸・常磐ものの食材は豊富なので、いろいろな食材を取り入れながら、新メニューをご提供していきたいと思います。
こうした取り組みを通じて、三陸・常磐もの、福島県産のものを食べていただき、美味しいと感じていただける機会が全国に広がっていくと嬉しいですね。
三菱電機株式会社
コミュニケーション・ネットワーク製作所
郡山工場 工場長
中村 和夫さん
初めてのメニューで、食感も含めて、今まで食べたことのない味でしたが、いつ食べても飽きない美味しいメニューだと思いました。自炊している身としては、お弁当はすごく楽しみですし、新メニューが増えるのは大歓迎です。
普段、県内に住んでいると、三陸・常磐ものを意識したことはあまりなく、自分で料理するには、海産物はハードルが高いので、なかなか手に取るチャンスがありません。でも、こうした取り組みは、三陸・常磐物のおいしさに気付くきっかけになると思うので、全国的に広がってほしいと思います。
社食づくりの現場は、流れ作業で機械的にお弁当が作られていくイメージを持っていました。でも、実際は、副菜の和え物一つでも、調理工程を丁寧に重ねており、手仕事が日々の食を支えていることを実感しました。大釜で和えた後の残滓も出ないようきれいに使い切っている様子は、非常に感心しました。環境面で残滓を減らすのがテーマとのことで、捨てないことを前提に、きっちり盛り付けることでロスを減らし、きれいに使い切ることで、その後の洗浄でも洗剤が少なくて済むため、小さなことから心がけているとのお話に感銘を受けました。
今回、人の手でつくられたものの価値を再認識できたのは、大きな収穫だったと思います。「三陸・常磐ものネットワーク」の取り組みは、こうした食づくりの現場に支えられており、食を担うさまざまな人たちの東北への想いが込められていることを知りました。“三陸・常磐もの”という美味しい食材を育んだ東北の豊かな自然を次世代につなぎ、本当の意味で、この地に復興と発展をもたらすには、何ができるのか。復興を越えた新しい創造に貢献していくためには、三菱電機の本懐である事業を通じての地域貢献・社会貢献こそが、地域の未来を力強く後押ししていくことにつながると、改めて感じました。東北出身者として、しっかり仕事に取り組み、この地の未来に貢献していきたいと思います。