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「ホタルのヒカリ」と「人間のオーラ」、なぜ生物は光るのか?

社会の課題を素早く読み解くヒント集 3min column 「ホタルのヒカリ」と「人間のオーラ」、なぜ生物は光るのか?社会の課題を素早く読み解くヒント集 3min column 「ホタルのヒカリ」と「人間のオーラ」、なぜ生物は光るのか?

冬が近づき、そろそろイルミネーションが恋しい時期。
イルミネーションの始まりは16世紀にまでさかのぼる。宗教革命で知られるドイツのマルティン・ルターが考案した。夜空の星空に感動し、木々にロウソクを灯すことで再現しようとしたことがきっかけだ。日本では、明治時代に大阪や東京の勧業博覧会で盛大に紹介された。1905年には新聞で取り上げられ、全国にイルミネーション文化が知れ渡った。

意外と古いイルミネーションの歴史。しかし「自然界のイルミネーション」は約1億年前、なんと恐竜が生きていた時代からある。

自然界には、ホタルやクラゲ、イカなどの光る生き物が4,000から5,000種類もいると言われる。これらがする「自然発光」では電気が発生していない。体内の物質を化学反応させたり、他の発光生物を食べたり、発光バクテリアを活用したりと、各々の方法で光を放っている。

「自然界のイルミネーション」の代表とも言えるホタル。ホタルは自ら光を作っている。有機化好物の「ルシフェリン」と酵素の「ルシフェラーゼ」が反応することで発光する。どうしてホタルは光るのか?それは求愛のため。メスは発光することで、自分へオスを誘導する。

深海を照らすチョウチンアンコウは、光によって獲物を自分の口へ誘導する。頭から突き出たアンテナのような竿の先端が発光することで、獲物を招き寄せている。実はこの光、チョウチンアンコウ自前のものではなく、発光バクテリアが寄生し、光を放っている。バクテリアは寄生することで、安全な住処を確保することができる。一方でチョウチンアンコウは、その光のおかげで食料を確保することができる。

ホタルは子孫を残すため、チョウチンアンコウは食料確保のため…。生き物たちは光を使って何かを誘導することで生命を保っている。「自然界のイルミネーション」は生き物たちが生きていく為に必要不可欠で、光があることで、生きやすくなる。

そして驚いたことに人間も発光していることが、東北工業大学による研究で判明した。すべての生物は細胞呼吸で光を発している。人間も例外ではない。人間は夕方に最も光り、特に頬や額などの部位が強く輝くのだそうだ。「オーラがある人」と言う表現は、半ば間違いではないのかもしれない。

しかし人間も光を放っていると言っても、その光は微々たるもので、人間の目によって知覚ができる強さの約1/1,000程度だ。ホタルやチョウチンアンコウなどの「自然界のイルミネーション」達のように、自身の光によって生活を豊かにすることはできない。したがって、人間は技術に頼る必要がある。

技術で作られた光に頼って人間が安全を手に入れているシーンは我々の生活の至るところにある。その中の一つが「誘導灯」だ。人が多く集まる施設などで火災や事故が起きた際に、避難口やその経路をガイドするために設置されている。また、車のウィンカーも人間を守る光だ。ウィンカーが無ければ、車がどの方向に進むのか、どのような動きをするのかが分からない。ウィンカーが無ければ、交通事故は絶えないだろう。

発光生物のように自らの光を活用することはできない人間は、「技術による光」に導かれて、安全を手にいれたり、生活を豊かにしているといっても過言ではない。そして技術は進化を続け、新たな光の形が生まれている。自然界に負けていられない。

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