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シナジーコラム

シナジーコラム デジタルサイネージ×ネットワーク テレビ屋さんが作ったサイネージには様々なこだわりが ライター 市原淳子×三菱電機AV営業統轄部 春田萌絵×三菱電機システムサービス株式会社 映像情報通信事業推進センター 二見心碁シナジーコラム デジタルサイネージ×ネットワーク テレビ屋さんが作ったサイネージには様々なこだわりが ライター 市原淳子×三菱電機AV営業統轄部 春田萌絵×三菱電機システムサービス株式会社 映像情報通信事業推進センター 二見心碁

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デパートやスーパーマーケット、飲食店の入り口などでよく目にする「デジタルサイネージ(電子看板)」。最新のイベント情報やおいしそうなレストランメニューなどが表示されると思わず足が止まり、「行ってみたい!」と思ってしまう。そんなデジタルサイネージの進化ぶりやユニークな用途について取材した。

デジタルサイネージ」とは、ディスプレイモニターなどのデジタル機器を使って、さまざまな情報を提供するシステムの総称のこと。街中でもデパートやオフィスビルのエントランス、飲食店やカーディーラー、銀行などの入り口などでよく目にするようになった。

株式会社アールディーシーがってん寿司テラスモール湘南店様の事例写真

株式会社アールディーシー 匠のがってん寿司 テラスモール湘南店 様(神奈川県藤沢市)

株式会社アールディーシー様の匠のがってん寿司 テラスモール湘南店様では、店頭のスペースに制約があるため、以前は紙ポスターに多くの情報を集約しなければならなかった。サイネージでメニューやキャンペーン告知などを表示するようになってからはお客様に情報を伝えやすくなり、サイネージを見て足を止めてくださるお客様が増え、来客数も増加している。

京都東急ホテル様の事例写真

京都東急ホテル 様(京都府京都市)

京都東急ホテル様のフロントロビーには、ボタンを押すことでコンテンツを切り替えられるモデルを設置。英語/日本語/スペイン語/中国語(繁体と簡体)と、1台で5ヶ国語での情報発信が可能に。

ネッツトヨタ愛知株式会社プラザ安城様の事例写真

ネッツトヨタ愛知株式会社 プラザ安城 様(愛知県安城市)

ネッツトヨタ愛知株式会社様の支店・プラザ安城様では、車検やサービスの料金、車の特徴を紹介した動画を放映している。使い慣れたパソコンソフトでコンテンツを手軽に修正でき、SDカードを挿すだけで表示を変えられるので作業時間を短縮でき、ポスター印刷費を削減できた。

デジタルサイネージが普及した背景は?

デジタルサイネージはなぜ、これほど普及したのだろうか。三菱電機の春田萌絵さんに聞いた。

春田:デジタル画面は明るくて存在感がありますし、活気のある雰囲気が演出できますよね。画面が動くため人目を引きやすく、表示するコンテンツを次々に切り替えられるので、紙のポスターなどに比べて、圧倒的に多くの情報を発信できる点もメリットです。また、印刷物だと、店舗情報やメニューが変わるたびに刷り直す必要がありますが、デジタルサイネージならデータを入れ替えるだけ。コスト削減もできるんです。

春田萌絵さんの写真
三菱電機株式会社 京都製作所
AV営業統轄部
春田 萌絵さん

入社から3年間、デジタルサイネージを中心に、販売促進、カタログ・ホームページ製作などを担当。流通業者向けの展示会ではデジタルサイネージ展示の企画・運営を行なっている。「最近、街でサイネージを見かけると『この細かい文字、4Kサイネージならくっきり見えるのに』『この映像はサイネージの実力を説明するのにぴったり!』など、つい仕事目線で見てしまいます」

このような特性を生かし、デジタルサイネージはデパートやホテル、アミューズメント施設のような大規模施設から、身近なスーパー、飲食店、カーディーラーなど、さまざまな場所で使われている。

三菱電機では約10年前に中小規模向けのデジタルサイネージの販売をスタートした。三菱電機が開発したお手軽電子看板「カンタンサイネージ®」は、上記のような場所に加え、役所や博物館などの公共施設、学校や塾、クリニックなどでも幅広く使われている。

成田市立遠山小学校様の事例写真

成田市立 遠山小学校 様(千葉県成田市)

成田市立遠山小学校(千葉県)では、運動会や遠足などの写真をテロップ付きで放映したり、行事予定や保護者会会場の案内を示したりするために使っている。

パソコンに詳しくなくてもサイネージを活用できる?

カンタンサイネージ®」の最大の特徴は、何といっても “カンタン”なこと。

使い始めるときは、表示したいコンテンツを保存したSDカードをサイネージ本体に挿し込み、電源をオンにすればすぐに運用できる。パソコンやDVDプレーヤーとの接続は不要なので、つなぐ手間もいらず、配線でゴチャゴチャすることもなく、すっきりと設置できる。毎日の運用も、電源オン・オフだけなので機械が苦手な方でも安心だ。

表示の設定を変えたいときは、画面を見ながらリモコンで操作。流したいコンテンツを組み合わせてオリジナルのプレイリストを作成することも可能だ。

スケジュール設定画面の写真
「ランチどきはこのプレイリスト」「週末はこれ」など曜日ごと、時間ごとにスケジュール設定ができる。

春田:小規模な店舗だとパソコンがなかったり、パソコンを活用できるスタッフがいなかったりすることもあります。でも、「カンタンサイネージ®」はリモコンだけでコンテンツを流す順番や放映時間を設定したり、テロップを入れたりできるので、パソコンに不慣れな人でも比較的簡単に使いこなせるんです。リモコンは、皆さまが使い慣れているテレビのものがベースなので、扱いやすいとご好評をいただいています。

リモコンとメニュー画面の写真
デジタルサイネージのリモコンやメニュー画面は英語表記のものが多いが、「カンタンサイネージ®」は日本語なのでわかりやすく、直感的に操作できる。

デジタルサイネージのトレンドは「4K」

テレビの4K放送がいよいよ本格スタートを迎えたが、ここ3〜4年でデジタルサイネージにも4K(※1)に対応するものが登場。2019年6月には「カンタンサイネージ®」シリーズにも4Kタイプが発売された。

※1 4K…フルハイビジョンの4倍の画素数をもつ超高画質映像。

春田:これまでのサイネージには、「セール中」などの大きな文字を遠くまではっきり見せることが求められてきました。でも、最近はフロアマップや時刻表、ポスターの画像などをデジタル化して表示したいというニーズが増えてきました。このようなデジタル画像に含まれる細かい文字をクリアに表示するには4Kの高い解像度が必要なんです。それに、ステーキの肉汁やジュエリーの輝きなども高精細の4Kなら、より生き生きと美しく表現できます。

三菱電機の京都製作所では長年にわたりテレビの開発を手がけてきました。その画像処理の技術を「カンタンサイネージ®」に活用しているため、色の出し方や画質、映像の鮮やかさには、こだわりがあるんです!

フルハイビジョンと4Kの画質の比較写真

ちなみに、日本製サイネージの多くはパソコンなどのディスプレイモニターから派生したもので、テレビの技術が元になっているものは少ないそう。「カンタンサイネージ®」はテレビがベースであるため、テレビチューナーを搭載。クリニックや調剤薬局の待合室では、サイネージ兼テレビとしても好評だという。

はるな生活協同組合通町診療所様の事例写真

はるな生活協同組合 通町診療所 様 (群馬県高崎市)

はるな生活協同組合 通町診療所(群馬県)では、診療スケジュールやスタッフ紹介、禁煙外来の勧めなど、ポスター50枚以上に相当する情報を1台のサイネージで表示することで壁面がすっきりし、情報が伝わりやすくなった。

日数を自動でカウント

カンタンサイネージ®」には「カウントアップ/カウントダウン機能」が搭載されている。「カウントアップ」は設定した日からの日数を数え上げるもの。カウントダウンはその逆で、「イベント開催まであと○日」など、残日数を表示する。

春田:カウントアップ機能は、工場などで「無災害日数は今日で○日目」といった表示をするのにご利用いただいています。カウントアップ画面とともに安全情報を流せば、災害予防の啓発もできます。私が在籍する三菱電機京都製作所でももちろん、「カンタンサイネージ®」で無災害日数のカウントアップをしているんですよ。

全国100台のデジタルサイネージをネットワークでつなぐ

デジタルサイネージはネットワークと組み合わせることで、より便利に、より効果的に活用できる。

例えば、1つの施設内に複数のデジタルサイネージを設置している大型店の場合、コンテンツを更新するたびにすべての設置場所を回ってSDカードを交換するのは手間がかかる。もし、高いところにサイネージを設置している場合はさらに大変だ。このような煩雑さの解消に役立つのが、「カンタンサイネージ®」専用の配信アプリケーションソフトウェア「M-Signage®」だ。

M-Signage®」をサーバーコンピューターにインストールすると、インターネットを通じて、そのコンピューターから最大100台までの「カンタンサイネージ®」を操作できる。同じ建物内はもちろん、例えば東京本社のコンピューターから、全国の店舗や支社に点在する「カンタンサイネージ®」に一括配信もできる。

春田:チェーン展開している飲食店やスーパーなどで全国共通のキャンペーンの告知をする場合、本部から各店舗にメールなどで「このコンテンツをサイネージで流してください」と連絡しても、メールを見逃したり、店舗スタッフが忙しくて忘れたりすることがありますよね。でも、本部のパソコンから全店のサイネージを一括管理できれば、告知もれの心配がありません。

Mサイネージをインストールしたパソコンと、Mサイネージと連携したカンタンサイネージの写真
下がM-Signage®をインストールしたパソコン、天井近くの2台がM-Signage®と連携した「カンタンサイネージ®」。「本社から支社に向けて、『今日はノー残業デーです』『台風に備えて早めの帰宅を』などの連絡事項を配信すれば、スムーズに情報共有できます」(春田さん)

開発のきっかけはサービスエリア

デジタルサイネージがその本領を発揮している場所のひとつがトイレだ。その理由について、三菱電機システムサービス株式会社新しいウインドウが開きますの二見心碁さんに伺った。

二見:あるサービスエリア(SA)がリニューアルされたとき、そこにサイネージを導入された運営会社様からトイレについてご相談いただいたのです。「このSAのトイレは建物が不規則な形をしていて奥までの見通しが悪い。そのせいで大型連休などにはトイレに空きがあるのに行列ができてしまうことがある。何とかならないか」というものでした。そこで、トイレの入り口に、空き状況を知らせるデジタルサイネージを設置したのが「あきどこサイネージ新しいウインドウが開きます」の始まりです。

二見心碁さんの写真
三菱電機システムサービス株式会社
映像情報通信事業推進センター
ビジュアル・セキュリティシステム事業推進部
二見 心碁さん

三菱電機システムサービス新しいウインドウが開きますの九州支社に入社後、20年以上を主に三菱電機の京都製作所を中心に勤務。現在は、京都製作所とのパイプ役として全国のシステムサービスの支社をサポートしている。「『あきどこサイネージ新しいウインドウが開きます』は混雑や渋滞の中でこそ本領を発揮するシステム。休日でも人混みを見ると『これを解消するにはどんな情報提供をするといいだろう?』と、思わず近づいてしまいます」。

あきどこサイネージ新しいウインドウが開きます」は、センサーやカメラなどのIoT機器からの情報をサイネージに表示することにより、空き情報や混雑状況などの情報を提供するシステム。

あきどこサイネージのデモンストレーション写真
ミニチュアのトイレとサイネージ画面を使い、「あきどこサイネージ新しいウインドウが開きます」のデモンストレーションを見せてくれた二見さん。
マグネット式センサーの写真
トイレの場合はプライバシー保護のためカメラではなく、ドアに設置したマグネット式のセンサーで空室か使用中かを感知。センサーが得た情報は有線/無線いずれかの方法でサイネージに送られ、表示される。

トイレの空き表示の繊細な気遣い

トイレの空き状況の表示には、ぱっと見ではわからない細やかな気遣いが求められる。例えば女性用トイレが1室だけ使用中の場合、サイネージ画面を広告などに切り替えることができる。女性が1人でも安心してトイレを使用できるようにという配慮からである。

女子トイレの空き表示と広告表示の画面の写真
女性用トイレが1室のみ使用中の場合、使用中の個室の位置は明示せず、「空きがあります」の表示と広告画面に切り替わる。

押しボタンと連携して清掃や点検中であることを示したり、他のフロアのトイレに誘導したりすることもできる。

ボタンを押して清掃中の黄色いマークが表示される写真
清掃員や警備員がこのボタンを押すと、「清掃中」の黄色いマークが表示される。
他フロアのトイレに誘導する画面の画像
設置場所や環境に応じて、他フロアのトイレに誘導するなどさまざまなカスタマイズが可能。

混雑の解消にサイネージを活用

現在、「あきどこサイネージ新しいウインドウが開きます」は主にトイレで活用されているが、そのほか多くの場所で利用できる可能性を秘めていると、二見さんは話す。

二見:例えば空港の保安検査場やアミューズメント施設では、カメラで混雑状況をチェックし、待ち時間を表示するために使うことができます。温泉旅館では人数カウンターと連携させて、「お風呂の混雑状況は6割程度です」と、エントランスホールや各部屋のテレビに表示させることもできます。

駐車場の空きスペースと駐車場利用状況のご案内画面の画像
駐車場では空きスペースをスムーズに見つけられ、混雑緩和に役立つ。

飲食店が入居しているビルでは、各店舗の空き状況を入り口で表示することで客をビル内へと誘導しやすくなる。

各店舗の空き状況を入り口で表示する図

二見:あきどこサイネージ新しいウインドウが開きます」は、マグネット式センサー以外にも、人感センサーや押しボタン、行列・群衆検知カメラなど約60種類のセンサーに対応しています。また、FMラジオを受信して、緊急地震速報を表示できるのも強みです。このような特徴を生かして、お客さまのご要望に柔軟に対応しつつ、混雑や不便の解消に役立てていきたいですね。

街でよく見かけるものの、あまり気にかけたことのなかったデジタルサイネージ。世の中のニーズに応えて進化し、身近な場面でこんなにも活用されているとは気づかなかった。これからデジタルサイネージを見かけたら、映像の美しさを鑑賞し、情報発信の意図を考えてみるのも面白そうだ。

市原淳子の写真
取材・文/市原淳子
雑誌の編集者・記者を経て独立。食やヘルスケア、医療・介護から最前線のビジネスフィールドまで幅広いジャンルにわたり、Webメディア、雑誌、新聞、また単行本の企画・構成などを手がける。企業人や職人、アーティストへのインタビュー多数。発信者と読者をつなぐ、わかりやすくて面白いメディア作りの達人。
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