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CLUB DIATONE

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DIATONE®車載用スピーカー
DIATONE Car speakers

車載用DIATONEスピーカー
DS-G300

精密ながらナチュラルな音感。
まったく新しいカテゴリーの
スピーカー。

カーオーディオジャーナリスト
石田功氏

NR-MZ300PREMIの発売に合わせて、スピーカーにもニューモデルを投入してきた。DS-G300である。上位モデルのDS-G50がDS-G500にモデルチェンジしたことを考えると、DS-G20と入れ替わる形で登場したスピーカーはDS-G200になりそうなものだが、あえてDS-G300にしたのにはわけがある。

DS-G300はDS-G20のモデルチェンジではなく、まったく新しいDS-G300というカテゴリーのスピーカーなのだ。それは音を聴けば納得できると思う。ハイスピードで高解像度、かつ高S/NというDIATONEスピーカーのコンセプトに変わりはないが、従来のDIATONEスピーカーとは異なる楽しさがある。「聴いた瞬間、恋をする。」のキャッチコピーにも納得である。

分厚く力強い低音再生

DS-G300で求めたのは力強さと繊細さ。レスポンスの良さを損なわずに分厚く力強い低音を再生できるように、さまざまな技術が投入されている。例えばウーファーの振動板のWサイド・ソリッドライン構造。上位モデルのDS-G500も振動板の剛性を高めるために振動板の裏面に5本のリブを配したソリッドライン構造を採用しているが、DS-G300はそれを発展させて、5本のリブが裏面から表面へと繋がっている。外周ギリギリまでリブを延長することで、さらなる強度アップを図ったのだ。

磁気回路はDCT(ディストーション・キャンセリング・テクノロジー)を採用。大型フェライトの外磁型で、振動板の駆動力の前後の対称性が最適化されるようシミュレーションを繰り返し、磁気歪みが打ち消される最適設計ポイントを追求したという。ご存知のようにスピーカーは、振動板が上下に動くことで空気を動かし音となるわけだが、中点から最も上に動いた時の距離と、中点から最も下がった時の距離が同じのが理想。それを目指して磁気回路の最適化が計られているわけだ。

フレームの高剛性化も分厚く力強い低音再生に貢献している。アドバンスドHDフレームはDS-G20同様の樹脂製でありながら、形状を追求し剛性をさらに向上。機械構造シミュレーションを繰り返して不要共振の低減も両立したという。フレーム形状はDS-G20とはまったく異なるもの。おまけにバッフルへの固定ネジはDS-G20の6本から4本に減り、取り付けやすさも高まっている。

より緻密かつナチュラルな高音再生

トゥイーターもDS-G20とは大きく変わっている。トゥイータースタンドは砲弾型になり、ダイレクターと取り付けマウントが分離するため、上下の首振りが可能になった。またチャンバー部を外して、ピラーへの埋め込みが容易にできるようになっている。しかも、外径がコンパクトになったのもうれしい。DS-G20のトゥイーター外径は65ミリだったが、DS-G300のトゥイーターは外径が53ミリ。振動板のサイズ自体は変わっていないものの外径が1センチ以上コンパクト化したので、見た目も取り付け性も大きく向上している。

振動板の形状も変わった。基本的なドーム&コーン構造に変わりはないのだが、ボイスコイルとの接点がDS-G500のトゥイーター同様のYコンタクト構造となったのだ。このおかげでコンタクト部の変形量が極少化。ボイスコイルの動きに対する振動板の追従性が大幅に向上して、より緻密かつナチュラルな高音再生が可能になったのだ。しかもNCV振動板自体も日々進化しており、それも相まって可聴帯域で分割共振をなくすことに成功しているという。

ネットワークはバイアンプやバイワイヤリング接続に対応するべくトゥイーター用とウーファー用の筐体を独立。引き出しリードケーブルにはOFCを採用して、より高音質化を図っている。

試聴インプレッション

では、いよいよ試聴タイムである。まずは試聴室で。音が出た瞬間、低音の力強さが伝わってくる。いや、低音のみならず、全帯域に渡って音に力がある。DS-G300を試聴する前はずっとDS-SA1000で試聴を行なっていたのだが、解像度やレスポンスに関しては若干甘いものの遜色ないレベル。価格差ほどの違いは感じない。そして低音から高音までスムースで自然。ウーファーとトゥイーターの振動板に同一の素材を使った良さが出ていて、広帯域のフルレンジスピーカーのような心地よさだ。

なによりいいのは、自然に足でリズムを取りたくなるような楽しさを感じることだ。従来のDIATONEスピーカーで、しかも試聴ともなると、どうしても分析的に聴きがちだったし、音もモニター的だからそんな聴きかたに適していた。もちろんDS-G300もその路線は受け継いだハイファイ・サウンドなのだが、音楽を楽しむのに必須の躍動感やミュージシャンの熱まで伝わってくる感じ。そのあたりが、DS-G20とは大きく異なる部分だろう。

デモカーのヴェゼルでも音を聴いた。驚いたのは、試聴室で聴いたのと同じイメージの音がクルマの中でも聴けたこと。試聴室とクルマでは音のイメージがまったく異なることは少なからずあるのだが、このヴェゼルに関しては、試聴室で聴いた音そのものなのだ。

音色はあくまでもナチュラルで聴きやすく、躍動感を感じる音。NR-MZ300PREMIの良さである立体的な音場感や音像のシャープさもしっかりと表現し、ボーカルが立体感を伴って目の前に現れる。そして、その奥に広がる音場の奥行きは、フロントウインドウを超えるほど。これほど圧迫感のない自然な奥行きのある音場をクルマの中で感じるのは久しぶりだ。

聞くと、このヴェゼルはドアのデッドニングも簡単なものだという。簡単な取り付けで、このような音が得られるのもいい。お店のデモボードでもしDS-G300を試聴できる機会があったら、ぜひ聴いてみるといい。その音が気に入ったら、迷うことはない。デモボードで聴いた音がそのままクルマの中でも再現できる可能性が高いのだから。

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