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CLUB DIATONE

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サウンドナビ開発者が語る
Developers talk

DIATONE SOUND.NAVI NR-MZ300PREMI / NR-MZ200PREMI-2

DIATONEの飽くなき探求心が音質向上テクノロジーをも深化させた

村上

音質向上のために採用した技術的なトピックとしては、大きく分けて「音質向上テクノロジー」と「オールコンテンツインプルーブテクノロジー」、「ピュアサウンドシステム拡張テクノロジー」の3つをあげることができます。「音質向上テクノロジー」として、今回新たに4つのテクノロジーを採用しました。それが「リアルメジャーメント・サーキットテクノロジー」と「アドバンスドDACマスタークロックG4」、「高周波電子部品と基板銅箔パターン設計の最適化」、「プリサイス・パターンニング・テクノロジー」です。

DIATONEの音質への徹底したこだわりを具現化した
「リアルメジャーメント・サーキットテクノロジー」

村上

「リアルメジャーメント・サーキットテクノロジー」ですが、これは音をストイックに追求するDIATONEの象徴的な技術といえます。回路設計やパーツの選定はNR-MZ100シリーズでも相当に詰めています。しかし、今回さらなる音質向上を求めて、回路をあらゆる角度から見直したとき、シミュレーション値と実測値がピッタリ合致せず、DIATONEが求める理想値とごく微妙なズレがあることに気づきました。通常ならば誤差といってもいいレベルなのですが、どうにも気になり、素子をDIATONE独自で厳密な測定を実施し、素子の特性とピッタリと合致する最適な周辺回路定数を導き出すことに成功しました。NR-MZ100シリーズ以降では微細な音のニュアンスや奥行き感を表現する事ができるようになっているため、この回路定数の違いが圧倒的な音質差として現れました。リアルメジャーメント・サーキットテクノロジーは本当に細かい部分の合わせ込みなのですが、オーディオにおいてこの細かな積み重ねが重要なのです。実際に音の広がり、奥行き、フォーカス感などのすべての要素が改善され、これまで以上により広く、立体的で濃密な音楽空間を表現しています。

鹿山

NR-MZ100シリーズの開発後、さらにその先の音を追い求める過程で、さまざまなテストをしていくなか、音を効果的に改善するポイントをいくつか見つけ出すことができました。「リアルメジャーメント・サーキットテクノロジー」は、基板を変更するのではなく、素子と周辺回路の定数を合わせ込む作業をより綿密に行った結果、音楽の再現性を飛躍的に向上させることができました。このリアルメジャーメント・サーキットテクノロジーはNR-MZ300PREMIはもちろんのこと基板変更のないNR-MZ200PREMI-2にも採用されており、今回発売する両方のモデルともに、どちらも大きな音質向上を果たしています。NR-MZ300PREMIは基板の変更を含めた他のテクノロジーを併せて採用していることもあり、音質向上幅はNR-MZ100シリーズからNR-MZ200シリーズにモデルチェンジのときと同等以上の音質向上を果たしています。しかし、基板の変更はないものの、「リアルメジャーメント・サーキットテクノロジー」を採用したNR-MZ200PREMI-2も音質は大きく向上しました。NR-MZ300PREMIがNR-MZ200シリーズからの向上幅を10とすると、NR-MZ200PREMI-2は7くらい音質が向上しているのです。このことからも、いかに「リアルメジャーメント・サーキットテクノロジー」が音に大きな影響を与えているかお分かりいただけると思います。基板変更もなく、見た目は変わっていないのでNR-MZ200PREMI-2という形名ですが、音質面ではNR-MZ200PREMI Mark2と言ってもよいほど、実際には音の奥行きを含めた立体感やボーカルの実在感までも向上しました。元々NR-MZ200シリーズが非常に高いレベルの音だったのですが、聴き比べたらその差ははっきりわかるほどに、より広大で濃密な音楽空間を感じていただけるはずです。

徹底した精度の追求から生まれたアドバンスドDACマスタークロックG4

鹿山

マスタークロックは新しい素子や回路を含めて検討しました。しかし、新しい素子を使うことよりも、これまで使用している素子を使ってストイックに基板設計を詰めていくことが、一番音質向上に効果がありました。そのため、G4(ジェネレーション4)という名称で呼んでいます。具体的には、基板の銅箔パターンをミリ単位で詰めていきVHF帯やUHF帯などの高周波領域の影響を排除しました。

村上

より良いものを作るためのアプローチは大きく分けるとふたつあります。ひとつは今まで使っていたものとは違うものを使うやり方で、もうひとつは今あるものをさらに詰めていくやり方です。NR-MZ300PREMIでは両方のアプローチを試してみたのですが、マスタークロックに関しては、今までの使っていたものを詰めた方がいい結果を得ることができました。実はこれまで使っている水晶発振器回路は相当レベルが高く、これ以上の良い結果を出せる部品が見つからなかったのです。そこで、これまでの水晶発振器回路部品・構成を使いながら、基板銅箔パターンの最善化を徹底的に追求し、回路全体を磨き上げることでNR-MZ200シリーズよりもジッターを低減させ、圧倒的な空間情報量を手に入れることができたのです。そのおかげで、音は実在感がさらに増し、リアリティに満ちた音楽再生を実現しました。

基板にまで手を入れて実現した高周波電子部品と基板銅箔パターン設計の最適化

鹿山

NR-MZ200シリーズの開発時に高周波領域のノイズ対策には手を付けていたのですが、まだやりきれていない部分がありました。例を挙げると、NR-MZ300PREMIでは、DSP周辺にあるラジオICの標準クロック周囲にあるノイズ放射パターンを2㎜短くして、高周波ノイズの流出を防いでいます。これを実現するためにラジオICの標準クロックを90°回転させ、周辺の銅箔パターンも変更するといった地道な変更を実施しました。これはあくまでも一例で、同様な細かな最適化を至るところでやっています。

村上

一から基板を設計しても、ここまできめ細かく詰めた設計はできません。NR-MZ100シリーズを作ったあとに、さらなる音質向上のための方策としていろいろやりたいことがあったのですが、NR-MZ200シリーズでは基板はそのまま引き継いでいたため、大きな変更はできませんでした。その条件下で、飛躍的に音質を向上させたものがNR-MZ200シリーズでした。そのベースがあったからこそNR-MZ300PREMIは、それに改良を重ねることで、ここまで完成度の高いものに仕立てることができました。

鹿山

NR-MZ300PREMIはNR-MZ200シリーズの延長ではありますが、色々な対策を行ったことで、フルモデルチェンジと言える音質向上を成し遂げました。

内蔵アンプによる再生音を向上させたプリサイス・パターンニングテクノロジー

鹿山

DIATONE SOUND.NAVIは外部アンプ出力用回路が搭載されていますが、この出力回路用の銅箔パターンがない基板を作って音を聴き比べたところ、内蔵アンプ再生時の音質に差があったのです。この差が生じる原因が何なのか、ノイズの影響だとすればノイズを受けているのはどこかというのを探して、外部出力回路用基板パターンの有無しで音の差がなくなるようにパターンをミリ単位で細かく追い込み、周辺ノイズの影響を徹底的に低減させ、DAC出力部の信号品位を向上させています。この結果、内蔵アンプのみならず外部アンプ接続時の音質も向上させています。これも基板に手を入れることができたからこそ実現できました。

DAP接続時の音質向上を実現したピュアアナログコンテンツ再生

村上

カーオーディオのコンテストやイベントなどでは、DAPをメインソースとしてシステムを組んでいる方が増えていて、ハイエンドオーディオを楽しみたい方々では、この流れは今後も増えていくだろうと実感しています。コンテンツをSDカードやUSBメモリーに保存してもらえれば、DIATONE SOUND.NAVIはハイレベルなハイレゾ再生を楽しめますが、ユーザーがお手持ちのDAPをダイレクトにDIATONE SOUND.NAVIのAUXにアナログ入力することも視野に入れました。

鹿山

NR-MZ200シリーズのときから、少しでもDAPとのアナログ接続時の音質を向上させたいという思いはあり、できる範囲では音質を向上させています。NR-MZ300PREMIでは、根本的な対策を加えるために基板変更をして、思い描いた更なる音質向上を果たすことができました。このアナログ入力は、音質の良いハイエンドDAPをお使いならば、SDカードでのデジタル再生と遜色のない音質を実現しています。ハイエンドDAPの再生能力は素晴らしいものがあるのですが、その再生信号を入力時に劣化させてしまっては、当然ハイレゾの意味のない残念な音になってしまいます。どんなソースもハイエンドの音を楽しんでいただけるように、しっかりと作り込んでいます。

村上

アナログ入力だと音がイマイチ良くない、ということになると、いい音で聴くためにはデジタルデータをコピーして車内に持ち込むという作業が必要になります。もちろん、それはいい音を楽しむためには正しいことですが、DAPユーザーの使い勝手としては良いことではないわけです。お手持ちのDAPをそのまま接続すればいい音を楽しめるので、ファイルをわざわざクルマ用にSDカードやUSBメモリーにコピーする必要がなく、使い勝手も良くなったと思います。

鹿山

ではそのピュアアナログコンテンツ再生は、これまでのアナログ入力となにが違うのかということについてお話しします。NR-MZ200シリーズのアナログ入力は車載機器を対象としていたので、接続する機器のグランドがNR-MZ200シリーズと同様に車両のグランドを使っていることが前提だったのです。要するに接続機器がシガーライター電源を充電させながら使うという形です。この場合は音質が大きく劣化するということはなかったのですが、充電しない、あるいはポータブル電源を使い、DAPが車両からフローティングされている場合、グランドが一致しないため、再生信号がふらつき低音域の腰の座りが何となく落ち着かない印象の音になってしまうのです。そこでNR-MZ300PREMIは、グランドを接続していないフローティング状態でも音のふらつきが発生しないように、アナログ入力回路を根本から見直し、シガーライターから充電しながらでも、車載電源を使用しない場合でも音質が変わらないようにアナログ入力回路を再設計しています。

村上

ハイエンドDAPならば、その性能をフル活用してNR-MZ300PREMIに入力した方が、DAPの本当の性能を楽しむこともできます。さらに言うならケーブルを含めてアナログ接続する機器の性能差を聴き取れるほどにNR-MZ300PREMIのアナログ入力の性能は高いのです。同じDAPでもアナログケーブルを変えて聴くと、「えっ?」と思うほど音が変わります。ホームのハイエンドオーディオ的な、ケーブルを交換して音の変化を聴き比べることも車内でできるほど、アナログ入力でも高音質の再生ができるのです。

最上級のハイエンドシステムを構築可能なプレミアムグレード外部出力アンプ

村上

NR-MZ200シリーズでは、マルチNFBピュア伝送Buffer AMPを搭載して、伝送ノイズや信号回路に混入するさまざまなノイズの影響を防いでいました。外部出力の音質を向上させるためには、さらにノイズ除去能力を高める必要があります。NR-MZ300PREMIは、ここではこれまでのデバイスの約30倍の同相ノイズ除去能力を持っている新しいデバイスを採用しました。以前から開発チーム内でこういう回路構成のデバイスがあればいいのに、と思っていたものが、NR-MZ300PREMIの開発構想時に登場してくれたので、待っていましたとばかり採用しました。これまでのデバイスだと、同じ性能を発揮させるのに片チャンネルあたりオペアンプが3個必要で、ステレオだと6個使用することになります。そんな回路はDIATONE SOUND.NAVIの基板にはとてもじゃないが実装できません。今回のデバイスは1パッケージで6個のオペアンプが果たす仕事を、より高精度、高性能で実現してくれます。これは元々プロ用のスタジオで使用することを想定して開発された、プロオーディオグレードなのです。もちろんコストもかかりますが、ハイエンドシステム構築時の高音質確保のため、採用に踏み切りました。効果は抜群で、ハイエンドの外部パワーアンプと接続してもNR-MZ300PREMIがボトルネックとなることはまったくなく、NR-MZ300PREMIをシステムの中核に据えることで、ケーブルや外部アンプの性能をフルに引き出すことができます。

鹿山

NR-MZ300PREMIは内蔵アンプでクルマの純正スピーカーを鳴らす入門機としても素晴らしい音を引き出しことができ、ハイエンドシステムとしてのメインユニットとしてもシステムの最高の性能を引き出すことができます。ぜひショップやイベントで、デモカーの音を実際に体感してください。

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