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CLUB DIATONE

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製品徹底レビュー
Product Review

Vol.2愛車でDIATONEシステムの
サウンドを体験!

音は、
“ドライビング・プレジャー”を
プロモートしてくれる存在です。
そのことが再認識されました

オーディオビジュアル評論家
麻倉怜士氏

かつて、『DIATONE SOUND.NAVI』の“歴代全モデル比較試聴”を敢行してもらった、オーディオビジュアル評論家 麻倉怜士先生に、次なる企画へのご協力を要請した。麻倉先生は実は、大のクルマ好きとして業界関係者の間で有名だ。そんな麻倉先生のお車に、DIATONE製品を搭載したインプレッションをお願いしたのだ。

その一部始終をリポートする。

「ドライブと音楽はセット。それぞれがそれぞれの楽しさを引き上げてくれる。でも…」

麻倉先生は現在、クルマを2台所有している。1台はフランス車、プジョー・306カブリオレ、もう1台はイタリア車、アルファロメオ・147。ともに、左ハンドル右シフトのマニュアル車だ。

まずは、これらに乗っている理由を教えてもらった。

麻倉

「雑誌社を退社して評論家活動を開始するにあたり、“尖る”必要性を感じたんです(笑)。それを実行すべく、クルマの買い換えを決意しました。それまでは至って普通の国産車を乗り継いできたのですが、個性が尖るラテンのクルマへと。まずはシトロエンBXブレーク。そしたらその乗り心地にものすごく魅せられて。

以来、シトロエンAX二台、シトロエンBXTSR,フィアットPUNTO……と、魅力的なラテンクルマを乗り換えてきました。新しくないクルマが好きです。しかも、グレード的にベーシックなタイプの方が、その国の文化や技術水準をリアルに感じ取れます。排気量も大きくない方が楽しい。ラテンのクルマは高回転で走らせてこそ、醍醐味を味わえるんですね。

そして、ドライブと音楽はセットです。クルマの中では、好きな音楽を好きな音量で聴けますし、走りながら聴いていると案外、各楽曲の魅力が増してきます。また、音楽によって運転の楽しさも押し上げられます。音楽を聴かずに走ることは、まずありません。

でも、カーオーディオの音質にはこだわっていませんでした。良い音を聴きたければ、家に機材がありますから。1番良いと思えるもので“世界一の音を目指す”みたいなシステムを組んでいます(笑)。なのでクルマの中では、それなりの音が聴ければそれで良いと思っていました。

むしろ意識的にカーオーディオとは距離を置いていました。というのも私は数多くのカーオーディオイベントで審査員をしています。そこでは「ホームオーディオ」でのクオリティのクライテリアが何より肝要です。なので、ホームとしてのオーディオ世界観を優先し、カーは別物としていました。

しかし今回このお話をいただいて、それほど厳密に自身を律することより、もっと気楽に、エンターテイメントとしてクルマの中でも良い音が聴けたなら新たな気づきがあるかもしれない、そう思い直したんです。多くは望んでいませんが、楽しみにしていました。」

システムの核として『DIATONE SOUND.NAVI・NR-MZ300PREMI-2』を装着。

さて、今回DIATONE製品を搭載してもらったのは、アルファロメオ・147。実はプジョーの方は“カブリオレ”なので、走る季節が限定されているという。メインに乗っているのは、アルファロメオ・147の方だ。

搭載機材の顔ぶれは以下のとおり。『DIATONE SOUND.NAVI・NR-MZ300PREMI-2』(希望小売価格:26万8,000円、税別)をシステムの核に据え、それに『DIATONE・DS-G300』(希望小売価格:8万円、税別)をフロントスピーカーとして組み合わせた。サブウーファーもDIATONEだ。『SW-G50』(希望小売価格 8万円、税別)をシールド(密閉)ボックスに装着し、トランクルームに設置した。

なお、フロントスピーカーは『NR-MZ300PREMI-2』の内蔵パワーアンプで鳴らしている。あくまでカーオーディオの入門編といったシンプルなシステムだ。

フロントスピーカーのインストールスタイルもオーソドックス。ミッドウーファーはドアパネル内に収めている、インナー取付だ。そしてドア内部の音響的なコンディションを上げるための“デッドニング”も、スタンダードメニューにとどめてある。やるべきことはやりつつも、シンプルなシステムというコンセプトのため、あまり「やりすぎない」配慮もしている。

ただ、トゥイーターはドアミラー裏のパネルをワンオフして装着した。ちなみにドアミラー裏は、トゥイーターの装着場所として有利と言われているポジションの1つだ。取り付け角度の自由度が高く、サウンドステージの横幅も出しやすいからだ。ナチュラルな造形で、かつ、音響的なアドバンテージを最大限引き出せるようにセッティングされている。

アルファロメオ 147 / DIATONE SOUND. NAVI NR-MZ300PREMI-2

車載用DIATONEスピーカー
DS-G300 トゥイーター

車載用DIATONEスピーカー
DS-G300 ウーファー

車載用DIATONEスピーカー
SW-G50

「高品位なリスニングルームをもう1つ持てた。そう思える音に仕上がっています」

かくしてシステムが完成し、納車の日を迎えたのだが…。出来上がりの音を確認してもらったときに、想定外の事実が判明する。麻倉先生の普段のリスニングボリュームが、思いのほか大きかったのだ。

今回、搭載システムのサウンドチューニングを担当した、DIATONEシニアテクニカルアドバイザー 鹿山公二(『DIATONE SOUND.NAVI』の開発を担当)は、そのことについてこう話す。

鹿山

「想定ボリュームを決め、それに合わせて“デッドニング”を行ったのですが、想定が小さすぎていたことが分かりました。結果、“デッドニング”の効果が不足し、ドア内での空洞共振が想定以上に発生し音を濁らせてしまいました。なので少々お待ちいただいて、その場で“デッドニング”メニューを急遽一部追加しました。」

この判断は功を奏した。追加作業後の音を聴いてもらったインプレッションは、次のとおりだ。

麻倉

「格段に良くなりましたね。少しのことでこれだけ変わるというのは、シンプルでベーシックですが、各機材の性能が高いという証左でしょう。ポテンシャルが十二分に引き出されています。

クリアで明瞭度が高い。情報量も上がっています。ジャズボーカルの音源では、ベースの量感と切れ味のバランスがとても良いです。ピアノの音には剛性感がしっかりあって、弾力感やヌケの良さも感じられます。倍音も美しく響いています。

オーケストラも良いですね。音色の多彩さ、ダイナミックレンジの広さを忠実に再現できています。奥行きや立体感の表現も良い。

入門クラスのスピーカーとのことですが、十分なクオリティが確保されていると思いました。“高品位なリスニングルームをもう1つ持てた”。そんな手応えがありますね。これからのカーオーディオ生活が、非常に楽しみです(笑)」

「音は、“ドライビング・プレジャー”をプロモートしてくれる存在です。
そのことが再認識されました」

そして納車から約半月が経過した某日、その音に触れた日々の感想を訊くために、麻倉先生にアルファロメオ・147にて都内の某撮影スタジオにお越しいただいた。なおそこには、鹿山と、三菱電機株式会社三田製作所 カーマルチメディア製造第二部 設計第三課 仲田剛(『DS-G300をはじめとするDIATONEスピーカー』『DIATONE SOUND.NAVI』の開発担当)も同席した。

早速、システムの評価を教えてもらった。

麻倉

「日々のカーライフが格段に楽しくなりました。カーオーディオの音も、クルマの重要な性能の1つだと思いました。クルマそのもの、ドライブそのものの価値に大きな影響を与えています。音が、“ドライビング・プレジャー”をプロモートしてくれる存在であることを改めて実感しました。

クルマの中では、クラシックを聴くことが多いんですよ。で、オーケストラでは、弦の鳴り、木管の鳴り、金管の鳴り、打楽器の鳴り、それらで全体のシンフォニーが作られますが、このクルマのシステムは“場”の再現性が良い。ステレオ感が良好です。弦楽器で言えば、音域の高い楽器が左側にあり右にいくに従って音域の低い楽器が並びます。音像の推移をそのとおりに描きます。

ジャズでは、ボーカリストがセンタークラスターパネルの上部に浮かび上がる。左ハンドル車では得てしてセンター音像が左側に寄ってしまいがちですが、このクルマではそうはなりません。

質感表現にも好感が持てます。ハイクオリティで高解像度なシステムでは案外サウンドがドライになりがちですが、このクルマの音はグロッシーです。ボーカルにも艶がある。そしてとにかく楽しい。

クルマに乗り込んでエンジンをかけたら、次にクラッチを踏んで、右手でシフトをローに入れて……というメカニカルな操作が好きなのですが、今ではそれがリズムに乗る。“ドライビング・プレジャー”が、確実に良化しました。そして、音が良いと見える景色も変わりますね。場面場面が輝いて見えてくる(笑)」

『DIATONE SOUND.NAVI』ならではのサウンド調整能力を駆使して、
最大限ステレオ感を忠実に再現!

このような評価が得られたその技術的な背景を、開発陣に解説してもらった。まずは鹿山に、サウンドチューニングにおいてのポイントを教えてもらった。

鹿山

「ステレオ感を上手く引き出せられた最大のポイントは、“タイムアライメント”調整です。『DIATONE SOUND.NAVI』には“マルチウェイ・タイムアライメント”という特別な機能が搭載されていますので、通常の“タイムアライメント”調整よりも緻密な設定が可能です。なお今回は、サブウーファーの“タイムアライメント”調整がとても上手くいきました。サブウーファーは後方に設置してありますが、低音も前方定位されなければいけません。このクルマではそれが理想的に決まりました。ゆえに、オーケストラの低音打楽器の音も、正しい位置から聴こえてきます。」

DIATONE シニアテクニカルアドバイザー
鹿山公二

スピーカーについては、仲田がこう話した。

仲田

「先生がおっしゃったことのほとんどは、開発において目指したことそのものでした。とても感動しています。『DS-G300』はDIATONEの車載用スピーカーとして第3世代となる製品なのですが、それまで目指してきた音に新たなコンセプトをプラスして完成させています。第2世代のモデルまでは、何も足さず何も引かず、音源に収められている音をそのまま出すことに主眼を置いて作られていますが、当モデルではその上で、“わくわくする音”にしたいと考えたんです。そして、ボーカルの艶にも徹底的にこだわりました」

三菱電機株式会社 三田製作所
カーマルチメディア製造第二部 設計第三課
仲田剛

「クルマの中で良い音が聴ける楽しさを、多くの方に体験していただきたい。
DIATONEならそれが可能です」

仲田のコメントに対して、麻倉先生はこう付け加えた。

麻倉

「DIATONEが開発した振動板の新素材『NCV』は、とても優れた素材だと思っています。車載用スピーカーにとどまらず、映像系の機材にも幅広く採用されていますね。

ハイファイスピーカー「DS-4NB70」も私はたいへん高い評価を与えています。「単に情報が多いだけでなく、音楽をクリヤーに、同時に濃密に奏でるという意味で、今、世界に並ぶものはいないのではないかと」、初めて試聴した時に思いました。DIATONEは真面目なブランドだと常々感じています。音にこだわるあまり、素材から作ってしまうわけですから。音にも実直さがにじみ出ていて、例えば情報量の多さだったり、解像度の高さ、S/Nの高さ等々。そしてこのカーのスピーカーではさらに、音楽の楽しさもしっかり伝えてくれています。気に入りました」

最後に、こんなメッセージをもらえた。

麻倉

「ホームオーディオを愛好されている方の中には案外、カーでは何もやっていないという方が少なくない。しかし運転がお好きであるならば、システムアップしないとドライビング・プレジャーのためにもったいない。音が良くなるとより一層運転が楽しくなります。

『DIATONE SOUND.NAVI』はユーザーインターフェースが優れていることも特長だと感じています。特に車載専用ではないDAPなどを使う場合と比べるとわかりますが、走りながら聴くわけですから、操作性は非常に重要です。その点『DIATONE SOUND.NAVI』は、音質性能的にも十二分なポテンシャルを発揮し、かつ、使いやすい。カーオーディオ愛好家の方々にも、広くおすすめしたいですね。

今回、アルファロメオ・147にシステムを積んでみて、新しい発見に出会えました。クルマの中で良い音が聴ける楽しさを、体感しました。これまで意識的にカーオーディオとは距離を置いていましたが、インストールしてみてトータルなカーライフを底上げしてくれるものだと思いました。クルマの楽しみが増えましたね。」

DIATONE製品は無事に、麻倉先生のお眼鏡にかなった。「ドライブと音楽はセット」であり、DIATONE製品を試す価値は大いにありそうだ。ぜひお試しを。

⿇倉怜⼠⽒プロフィールオーディオビジュアル評論家。
UAレコード合同会社主宰。
津田塾大学&早稲田大学エクステンションセンター講師。
岡⼭県岡⼭市出⾝。1973年横浜市⽴⼤学卒業。
⽇本経済新聞社を経てプレジデント社に⼊社。
『プレジデント』副編集⻑、『ノートブックパソコン研究』編集⻑を務める。1991年よりオーディオ・ビジュアルおよびデジタル・メディア評論家として活動。
デジタルメディア評論の第⼀⼈者として名⾼い。

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