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CLUB DIATONE

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製品徹底レビュー
Product Review

DIATONE SOUND.NAVI
NR-MZ300PREMI

オーディオ評論家土方久明による
徹底試聴!!

試聴会の総論

ダイヤトーンの最新鋭センターユニット「NR-MZ300PREMI」を中心に、クラシック、ジャズ、ボーカル、アニソン等々まで多くのジャンルの楽曲を試聴した。
結論として「NR-MZ300PREMI」の再生音は、期待を大きく上回るものだった。筆者が感じた本機のアドバンテージは大きく4点ある。
まず1点目は、ライン出力、スピーカー出力、両者とも情報量が多いこと。2点目は聴感上のS/N比が高くノイズフロアが低い、つまり小レベルの音がスポイルされず、サウンドステージの表現に長けていること。3点目は内蔵アンプの音が良かったこと。4点目は、音色にクセが少なく音源が持つ音色や音調をアキュレイト(正確)に表現できていたことだ。
この特長は、筆者が出向くコンテストでエントラントの車を聴いていた時とある程度共通しており(もちろんインストーラーの個性が反映されるが)、今回の取材でも改めて実感した次第だ。

試聴環境

宇多田ヒカル
「Good Night」

日本を代表するJ-Popアーティスト、宇多田ヒカル。
試聴したアルバム「初恋」は、彼女にとって通算7枚目のスタジオアルバムで、2016年の活動再開後は2枚目となるタイトルだ。
宇多田ヒカルの各アルバムは音質が良いことから、ホームオーディオやヘッドホンオーディオジャンルでも良く使用されており、カーオーディオコンテストでの課題曲にチョイスされることも多い。また、彼女は歌唱力の高さも魅力で、機材のクォリティチェックを行う題材として最適なアーティストだ。
本タイトルを手がけたのは、スティングやサム・スミスなど著名アーティストでの実績も豊富なアイルランド出身のエンジニア、スティーヴ・フィッツモーリス。そして、前アルバム「Fantôme」からボーカルのレコーディングを担当している日本人エンジニア小森雅仁の2人。その音質には大いに期待できるはずだ。
さて、それを「NR-MZ300PREMI」と「DS-SA1000」の組み合わせはどのように表現するのか?トラック7「Good Night」を再生した。聴感上のS/N比が高く、冒頭で聴こえる左スピーカーのギターと右スピーカーのピアノの音が広々としていて透明感がある。さらに2つの楽器から溢れ出た余韻の音が左右のスピーカーを超えて聴こえてくる。これは、小レベルの音が埋もれず、リバーブ成分がしっかりと表現できている証拠で、センターユニットのノイズフロアが低いことによるものだ。
また、サウンドステージが広々と表現できており、機械的な音とは無縁の気持ちの良い音色で、音楽性豊かなところも良い。
嬉しかったのは、彼女のボーカル表現だ。冒頭で書いた通りこのアルバムは復帰後の作品で、1998年にデビューしてから歳月が過ぎ、円熟味を増している彼女のボーカルを忠実に再現できている(ファーストアルバムなどと比べてみると分かりやすい)。
ソース音源に対して忠実な音色を出すことは、現代のハイファイコンテストでは必須条件で、「NR-MZ300PREMI」はここをしっかりと表現できるのである。
また、前後のサウンドステージも深く、バックミュージックとボーカルがレイヤー状に鳴っており、歌手の背丈が感じられるようなリアルな音像も特筆点だ。

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