はじめてのフライフィッシングはじめてのフライフィッシング

<この記事は3月上旬に取材した内容をもとに構成しております。>
大人の趣味として注目を集めるフライフィッシングはご存知ですか!?
「どうやって始めればいいの?」「初心者には難しそう……」と躊躇してしまうみなさんのために、
同じく未経験の編集部員たちが体当たりでチャレンジしてきました。

初心者にも嬉しい都内の釣り場へ 初心者にも嬉しい都内の釣り場へ

今回訪れたのは、東京都あきる野市にある養沢毛鉤専用釣場。都心からもアクセスがしやすい、フライフィッシングの名所です。その歴史は古く、GHQの法務部に所属していたトーマス・レスター・ブレークモア氏が1955年に開業。約4キロにもおよぶ天然の管理釣り場には穏やかな里川や山岳渓流などがあり、初心者から上級者まで楽しめるフィッシングスポットとして親しまれています。

ここで、今回ご指導いただくフィッシングスクールの石崎さんと合流。まずはお借りした釣り竿(タックル)のセッティングに取りかかります。特に丁寧にご指導いただいたのが、釣り糸(ライン)の結び方。フライフィッシングでは釣り糸を木の枝に引っかけたり、岩場に挟んだりすることが多いため、1日に何度も結び直します。釣り糸に仕掛けるのは、毛ばり(フライ)と呼ばれる小さな疑似餌。魚の食性を利用し、ふだん食べている虫に見せかけて釣るのがフライフィッシングの特長だそうです。

入念な準備を経て、いよいよ実践へ。養沢川に棲むというニジマスやヤマメたちに出会うことはできるのでしょうか。

キャスティングに初挑戦! キャスティングに初挑戦!

最初に訪れたのは、練習エリア。川の流れが緩やかになるよう造成された区画で、初心者の練習にもぴったりです。透き通った川底には太陽の光にきらめく魚の群れが! 高まる期待を胸に、さっそく「キャスティング」と呼ばれるフライの投げ入れ方を練習します。

「キャスティングのコツは、手首を使わず、竿の先から肘まで一体になった感覚でロッドを振ること。肘から釣り竿を振り下ろすことで力がまんべんなく伝わり、フライをまっすぐ、遠くに飛ばすことができます」と石崎さん。さっそく釣り竿を振り下ろしてみますが、すぐ目の前にフライが落ちたり、小枝に引っ掛けてしまったり、思うようにコントロールができません。次第に力が入って、キャスティングのフォームもバラバラに。それを見た石崎さんは、すぐに軌道修正してくれます。一緒にフライを投げ入れると、余計な力をかけずに、軽い力でフライを飛ばせることがわかります。だんだんとコツもつかめてきました。

キャスティングは上達したものの、川底の魚たちは一向に食いつきません。石崎さんによると、流れが緩やかな練習エリアは、魚も周囲を冷静に観察するため、人間への警戒心が強くなるのだとか。そこで、より多くの魚が生息し、自由に泳ぎ回っている渓流へと移動することにしました。さあ、ここからが本番!

渓流で魚との知恵比べを愉しむ 渓流で魚との知恵比べを愉しむ

養沢川の上流でフライフィッシングを再開。さっそく意気込んでキャスティングするものの、岩場で足元が不安定になるうえ、練習エリアよりも川の流れが速いため、思うようにコントロールできません。ここで、「川の流れをしっかりと見て、フライの行き先を予測してください」と石崎さん。アドバイスに従ってキャスティングをすると、狙ったスポットへフライを流し込めるようになってきました。3回ほどフライを投げ入れても魚の反応がない時は、どんどん移動してポイントを変えます。これも基本のひとつ。

編集部員も川の流れに目をこらし、魚の隠れていそうなスポットにキャスティングを試みます。ひっそりと息を潜めながら魚を待ち構えている瞬間は、まさに真剣勝負。渓流を一歩一歩踏み分けながら、川のせせらぎに包まれると、まるで自然の一部になったような感覚です。

その後も夢中でキャスティングをするものの、釣り上げられないまま日没に。初挑戦は残念な結果に終わりましたが、魚との知恵比べを堪能し、自然とのふれあいを満喫することができました。

日帰りで愉しめる非日常のレジャー、皆さんもぜひチャレンジしてみませんか?

取材後に石崎さんが釣り上げたニジマス。次回こそは自分たちの手で釣りたい!

石崎喜信さん

フライフィッシング専門のオンライショップ「アングラーズコム」を経営。幼少期から釣りに親しみ、フライフィッシング歴は30年以上。個人向けのフライフィッシングスクールも開講し、これまで200人以上のビギナーを指導してきた。

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2020.05.12

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