有識者とのダイアログ開催

三菱電機グループでは、さまざまなステークホルダーの視点からサステナビリティの取組についてのご意見をいただき、今後の活動に反映していくため、有識者とのダイアログを実施しています。2021年3月に、5回目のダイアログを開催し、3名の有識者からサステナビリティに関する最新の動向や三菱電機グループへの期待について、幅広くお話を伺いました。

また、創業100周年を機に改定した企業理念体系やグループの環境変化を踏まえ、マテリアリティ(重要課題)の見直しを行いました。今回のダイアログでは、マテリアリティ特定に向けてご意見もいただきました。

  • 新型コロナウイルスの感染症対策のため、オンラインで開催しました。
有識者とのダイアログ開催 新型コロナウイルスの感染症対策のため、オンラインで開催しました。
左から、立教大学 21世紀社会デザイン研究科特任教授/不二製油グループ本社株式会社CEO補佐(ESG・市場価値創造担当) 河口 真理子氏、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン 代表理事 有馬 利男氏、株式会社日本政策投資銀行 執行役員 産業調査本部副本部長兼経営企画部サステナビリティ経営室長 竹ケ原 啓介氏(2021年3月開催当時)
左から、立教大学 21世紀社会デザイン研究科特任教授/不二製油グループ本社株式会社CEO補佐(ESG・市場価値創造担当) 河口 真理子氏、
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン 代表理事 有馬 利男氏、株式会社日本政策投資銀行 執行役員 産業調査本部副本部長兼経営企画部サステナビリティ経営室長 竹ケ原 啓介氏(2021年3月開催当時)

有識者からの主なご意見・提言

サステナビリティに取り組む意義を、社内に明確に発信することが重要

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン 代表理事 有馬 利男氏
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン 代表理事有馬 利男氏

マテリアリティの見直しのプロセスでは、国内外のグループ従業員だけでなく、消費者、サプライヤー、投資家など幅広いステークホルダーへのアンケートを実施されており、多様な意見に正面から向き合う姿勢を感じられます。

一方、マテリアリティは、特定後に社内に浸透させていくことが重要です。メーカーはかつてTQC(総合的品質管理)を徹底していましたが、同じように現在はサステナビリティの価値観をしっかりと社内に徹底する必要があります。社長フォーラムのような従業員との直接対話の場を生かし、「何のためにサステナビリティに取り組むのか」明確に発信していただきたいと思います。トップの意思を伝えることが従業員のモチベーション向上には欠かせません。

ものづくり企業として歩んできた貴社が「統合ソリューションの提供」を新たな経営戦略の中で掲げるように、モノからコトへという社会の変化は今後も続くものと考えられます。この転換期以降も企業を継続するためには、組織や人のあり方を見直し、適応していかなければなりません。

また、新型コロナウイルスをめぐる経験を通して、人々は「今までの常識が変わること」を恐れない傾向にあると思われますので、貴社にはこれまでの常識にとらわれず、社会課題の解決に向けて取り組むことを期待します。

社長フォーラム


社会課題と「人」の関係性を整理し、貴社らしいマテリアリティの取組に期待

立教大学 21世紀社会デザイン研究科特任教授、不二製油グループ本社株式会社CEO補佐(ESG・市場価値創造担当) 河口 真理子氏
立教大学 21世紀社会デザイン研究科特任教授、不二製油グループ本社株式会社CEO補佐(ESG・市場価値創造担当)河口 真理子氏

マテリアリティの見直しは、きちんとしたプロセスで実施されていますが、それに加えて長期的視野で社会のあるべき姿を考え、それに対しどのように自社の強みを生かして貢献していくのかを明確にしなければなりません。

これまでの石油・石炭といった「炭素」を活用する社会から、「脱炭素」社会へと大きく変わりつつあります。「モノが売れない時代だからコトを売る」のではなく、「持続可能な未来には脱炭素化が不可欠だからこそ、コトづくりへの転換を図る」という強い意思を、社内にも発信していくことが重要です。社会課題の解決には、これまでの企業活動が環境・社会にマイナスの影響を及ぼしてきた側面もあるという事実をスタート地点として、常に「人」との関係性を考えることが重要です。貴社が重視するライフ、インダストリー、インフラ、モビリティという4つの領域と人との関係性を踏まえ、事業にかかわるすべての人を幸せにする会社を目指していただきたいと考えます。

労務問題に対しては、制度面で必要な対策はとられていますが、風土の変革が必要であり、風土は短期で変わるものではありません。経営層と従業員の間では意識の差も出やすいので、しっかり施策に落としていただきたいと思います。例えば、社会に貢献したいと考えている若手の従業員に、社会課題の解決を目指すという会社方針がしっかりと伝わるよう、経営層の考えを直接従業員に伝えるなどの思い切った風土改革を進められることを期待します。

社会課題の解決に向けて、ソリューション提供という新たな挑戦に期待

株式会社日本政策投資銀行 執行役員 産業調査本部副本部長兼経営企画部サステナビリティ経営室長 竹ケ原 啓介氏
株式会社日本政策投資銀行 執行役員 産業調査本部副本部長兼経営企画部サステナビリティ経営室長竹ケ原 啓介氏

様々な環境変化を乗り越え、100年にわたり事業を継続されてきたことは、それ自体が素晴らしいことです。投資家が次に求めることは、この先の100年も貴社が持続的に発展していくことです。社会が直面する課題を認識し、その解決と企業成長を同期させた価値創造シナリオを示すことに期待します。

貴社は多彩な事業を持つだけにシンプルで明快なシナリオが描きにくいと感じていましたが、ソリューションを提供するというビジネスモデルによって、様々な事業分野を見事に一気通貫で結んでいるところは高く評価しています。数多くの優れた製品・サービスを持つ貴社だからこそ、それを基盤に価値あるソリューションを提供できるのだと思います。

マテリアリティの見直しについては、4つの領域とのつながりを大切にして、ソリューション提供という成長戦略を組み合わせることで貴社らしさが出ると考えます。特に環境分野において多くの企業が抱える「脱炭素」という課題に対し、貴社がこれまで培ってきた製品・ソリューションを生かして、産業界全体の脱炭素化に貢献するということが貴社ならではのメッセージになります。

どのような変化を起こそうと意図しているのか、価値創出のゴールを明らかにすることが、顧客や社会へのソリューション提供にもつながります。

また、人的資本の評価は難しいものですが、従業員のエンゲージメント向上に向けて、働きがいやワークライフバランスに取組指標(KPI)を定めて取り組まれるのは先進的です。リスクが高いという結果が出た対象に対して具体的な対策を取り、社内外に示していくことを期待します。

ダイアログを受けて
三菱電機株式会社 専務執行役 永澤 淳
三菱電機株式会社
専務執行役
永澤 淳

2021年6月29日

三菱電機グループは創業100周年を機に企業理念体系を改定しました。また、経営戦略としてもソリューションの提供を通じて社会課題の解決を目指すことを表明しています。今般、その実行に向けてマテリアリティ(重要課題)を見直しますので、三菱電機グループらしく社会課題解決に取り組んでいきたいと考えます。

今回いただいたご指摘をしっかりと受け止め、特に経営側の考えを従業員へ丁寧に説明することの重要性については、従業員が自分事として社会課題の解決に向けた業務に取り組めるよう、しっかりとコミュニケーションも行っていきたいと考えます。こうした取組を通じて、サステナビリティを志向する企業風土を醸成し、ライフ、インダストリー、インフラ、モビリティの4つの領域での統合ソリューションを提供することを通じた社会課題の解決に向けた価値創出を追求していきます。本日は誠にありがとうございました。


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