電子システム事業本部

本部長メッセージ

地球環境保全と街づくりに関する諸問題の解決に貢献する製品開発に取り組んでいきます

原芳久 常務執行役 電子システム事業本部長
原  芳久常務執行役
電子システム事業本部長

電子システム事業本部の製品は、人類共通の課題である地球環境問題の解決、再生可能エネルギーの普及拡大、暮らしやすい街づくりに貢献する重要な役割を担っています。

例えば、三菱電機が製造を担当した温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)、「いぶき2号」(GOSAT-2)は、温室効果ガスの濃度分布を観測し、その排出/吸収状況を把握することで、世界の温暖化防止に貢献します。陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)は、暮らしの安全の確保と地球規模の環境問題の解決に貢献します。また、静止気象衛星「ひまわり8号」、「ひまわり9号」は、地球温暖化の状況や気象現象などの観測能力をより強化するものです。加えて、宇宙空間で太陽光によって発電した電力を電波で地球に送り、24時間安定して電力を供給する「宇宙太陽光発電」に関する研究も行っています。更に、4機で構成される準天頂衛星システム「みちびき」(QZSS)は、ビルの多い都市部や山間部においても測位を可能とし、またGPSを補強することで測位精度を向上できるため、自動運転を始めとした様々なソリューションへの活用が期待されています。

一方、地上においても、大気中のちりや微粒子の移動速度を遠隔から計測できる「ドップラーライダー」は、風力発電所向け風車の最適な制御に貢献し、発電効率の向上や長寿命化につながると期待されています。

また、これら製品の生産時のCO2排出削減並びに効率的なエネルギー利用にも努めています。特に、精密電子機器はクリーンルームで生産しており、多くの試験装置も利用していることから、空調や試験装置の運用手法を改善してエネルギーの効率的な利用に取り組んでいます。

リスク・機会を認識・評価している社会課題

主な課題

  • エネルギーの最適な利用
  • クリーンエネルギーの導入
  • 安心・安全・快適で
    持続可能なまちづくり
  • 気候変動への対応
  • 森林破壊の防止

重点的に取り組むSDGs


事業を通じた社会課題への取組

世界をリードする地球環境観測に貢献

温室効果ガス観測技術衛星 「いぶき2号」(GOSAT-2)
温室効果ガス観測技術衛星2号
「いぶき2号」(GOSAT-2)

温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」は、二酸化炭素、メタンの観測精度を高めることを目的に2018年に打ち上げられた地球観測衛星です。世界で初めて温室効果ガスの濃度分布を宇宙から観測する専用衛星として開発された温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の後継機で、三菱電機は主契約者として、衛星システム・観測センサーの開発・製造、地上設備の構築、打上げ後の衛星の管制運用のとりまとめを担当しました。

「いぶき2号」は高性能な観測センサーを搭載し、温室効果ガス濃度分布の測定精度向上に貢献するほか、微小粒子状物質(ブラックカーボン、PM2.5など)を推計し、大気汚染監視にも役立ちます。

また、三菱電機が開発を担当し、2014年に打ち上げられた静止気象衛星「ひまわり8号」、2016年に打ち上げられた「ひまわり9号」は、世界に先駆けて次世代の気象観測センサーを搭載し、気象現象や地球環境の監視強化に加え、撮像時間短縮による観測データの正確かつ迅速な伝送を実現しました。このデータはアジア・太平洋の国や地域に提供され、より効果的な防災施策の実現に貢献します。

災害状況把握、海洋、森林監視などに貢献

陸域観測技術衛星2号 「だいち2号」(ALOS-2)
陸域観測技術衛星2号
「だいち2号」(ALOS-2)

災害時の観測や森林監視、農業などへの衛星利用が世界的に拡大・浸透しつつあります。三菱電機が開発を担当した陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)も、暮らしの安全の確保・地球規模の環境問題の解決を目的に、2014年に打ち上げられた地球観測衛星です。「だいち2号」は陸域観測技術衛星「だいち」の後継機で、三菱電機は主契約者として、衛星、合成開口レーダ、地上管制・処理システムのとりまとめを担当しました。

「だいち2号」は、地図作成・地域観測・災害状況把握・資源探査の「だいち」ミッションを発展的に引き継いでいます。穀物などの生育状況の把握に役立つほか、地球環境問題に対する国際的な取組を支援します。また、東南アジアやブラジルなどの熱帯雨林地帯における森林の違法伐採の監視(森林劣化の観測)にも貢献します。

高精度な測位情報を送り、様々な利用を通じて
環境保全と暮らしやすい街づくりに貢献

準天頂衛星初号機「みちびき」
準天頂衛星システム「みちびき」

日本独自の測位衛星である準天頂衛星は、三菱電機が開発を担当し、2010年に初号機、2017年に2~4号機が打ち上げられました。常に日本の天頂付近に位置することにより、ビルの多い都市部や山間部などこれまで測位が困難だった場所へも測位信号を送ることができます。また、GPSを補強することで位置精度がGPSの約10mからcmレベルと飛躍的に向上します。高精度な位置情報を用いて、道路の高低差や位置情報を利用したエコドライブ制御や自動運転などの自動車分野、列車運行・管理の効率化などの鉄道分野、農機・建機の自動運転などの農業分野や建設・土木分野など、様々な分野で環境保全と暮らしやすい街づくりに貢献するソリューションの開発が期待されています。

再生エネルギーの利用拡大に貢献

「ドップラーライダー」は、大気中のエアロゾル(目に見えないちりや微粒子)を対象に、それらの移動速度を風速として、方向を風向として計測することができる装置です。遠隔での風況調査により、都市大気(ヒートアイランド現象や自動車排気による環境影響物質、大気汚染)の風向監視・予測での利用をはじめ、大型化する風力発電設備や、広域化する風力発電所など従来の風速計では計測できない風をリアルタイムに計測することができることから、これらのデータをもとに最適な制御を実現することができます。

風車上に設置されたドップラーライダーは、ライダーから水平距離20m~250m※1までの視線方向風向風速を計測してリアルタイムに風車へ計測データを提供します。このデータを活用することで、風車運用における効率化や長寿命化※2が期待されます。アイセーフ波長(近赤外、不可視)のClass1Mレーザを採用し、目に対する安全も考慮しています。

このほか、宇宙空間で太陽光によって発電した電力を電波で地球に送り、24時間安定して電力を供給する「宇宙太陽光発電」に関する研究も行っています。

  • ※1観測距離は、大気の状態により変動します。
  • ※2風車の出力曲線(パワーカーブ)を測定可能です。
風車向けドップラーライダー
風車向けドップラーライダー

事業所での環境負荷低減

事業を通じて社会に貢献するだけでなく、事業活動に由来する環境負荷の低減に努めています。取組の一例を紹介します。

生産時CO2削減の取組

精密電子機器は、品質維持のために製造・組立・試験の多くがクリーンルーム内での作業となります。また、多種多様な試験装置を利用していることから、生産性向上活動とともに設備の使用電力削減に取り組み、生産時CO2排出量の削減に努めています。クリーンルーム、試験装置では、使用時と未使用時で空調を調整しています。また計算機サーバー室では、室内を熱解析し、ホットスポットを排除するとともに、空調機器、サーバー機器は、冷気と暖気の通り道を分離するよう配置して空調機器の制御を最適化しています。

CO2発生量を約4%抑制(照明電力61%)——鎌倉製作所 相模工場、新・生産棟

2017年5月に竣工した鎌倉製作所 相模工場の生産棟では、以下の各種施策を実施することで、CO2発生量を抑制しました。

LED照明の導入
LED照明を導入し、廊下、トイレ、ロッカー室などの共用部においては人感センサーでON/OFFを自動制御。特に天井高が8m~11mの生産エリアでは、水銀灯を高輝度LEDに置き換えることで照明電力の使用量を削減しました。
自然光の活用、空調環境の最適化
ロビー、事務所、大会議室にトップライトを配置して自然光を採り込み、昼間は照明なしでも明るい職場環境を確保しています。また、事務所、会議室の空調として、人感センサー(ムーブアイ)を搭載した室内機を配置し、吹き出し口からの空気を搬送ファンで循環することで、空調環境の最適化を図りました。
断熱性外壁・ガラスの採用
建屋外壁部に断熱サンドイッチパネル※1及び太陽熱を遮断するLow-Eガラス※2を採用することで、冷暖房負荷を軽減しています。
  • ※1断熱サンドイッチパネル:2枚の鋼板を成形加工し、その間に断熱材を挟み込んだパネル型の建材。意匠性も高く軽量でありながら、優れた断熱性・強度・防耐火性・耐久性・施工性を持っている。
  • ※2Low-E(Low Emissivity:低放射)ガラス:板ガラスの表面に酸化スズや銀などの特殊金属膜をコーティングしたもので、このLow-E膜によって遠赤外線の反射率を高める。Low-Eガラスを複層ガラスに使用することで、中空層の放射による熱伝達を低減し、高断熱性能を発揮する。

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